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2024年12月05日
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【ドジっ娘なボクっ娘】
2010年04月23日
学食で飯を食ってると、ガシャンという何かをこぼした音と同時にとんでもない熱さが背中を覆う。
「熱っ、熱い! なんだ、局所的に温度変化が起きたか! ていうかマジ熱い!」
「ご、ごめんなさい! うどんこぼしちゃった!」
振り向くと、ボクっ娘がぺこぺこ頭を下げていた。とりあえず上着を脱ぎ、熱さからの脱却を図る。
「うー、熱かった」
「ごめん、ごめんねタカシ」
「あー、もういいからそうペコペコすんな」
未だ頭を下げ続けてるボクっ娘にそう言うと、梓は心配そうな目つきで俺を見た。
「うう……ごめんね。ボク、その制服洗って返すよ」
「いい。お前ドジだから、ボロボロになって返って来ること間違いなしだ」
「ドジじゃないよ! 大丈夫だから、貸してって」
「いいっての、気にすんな」
「いいからいいから。貸して貸して、貸してーーーーーーーッ!」
無理やり制服を奪おうとする梓と、させまいとする俺の力が拮抗し、結果俺の制服が音を立てて破れた。
「あ……」
「……梓たん?」
「え、えと、……ごめんね?」
上目遣いに様子を伺う梓に、俺はにこやかに微笑みながらほっぺを引っ張った。
「てめぇ、何しやがる!」
「あぅーーーーーーーッ!」
「火傷させた後は制服ビリビリにしやがって! 何の恨みがある!」
「あぅ、あぅ、あぅ」
一通り引っ張って満足したので手を離すと、梓は目に涙を浮かべてほっぺをさすった。
「うー……痛い」
「しかし、困ったな……裁縫なんてできねぇよ」
「ちゃんす! ボク、ボクがやるよ! ボク、裁縫できるよ!」
「…………」
「うわ、すっごい疑わしい目で見てる。だいじょーぶだって、大船に乗ったつもりで任せてよ!」
「失敗したら初めてを頂くぞ?」
「ヤだよッ!」
「じゃあ渡さん」
「う……う~っ、わ、分かったよ! いいよ、約束するよ!」
「マジか!? なら」
「何いきなりズボン脱いでんだよ、ばかっ!」
「いや、どうせ失敗するし、なら今頂いてもいいかと」
「なんでもいいから早くズボン履けっ! パンツ丸出しだよっ!」
そう言えばズボン脱ぎっぱなしだった。周囲の目が痛い。慌ててズボンを履く。
「とにかく、大丈夫だから貸してよ」
「んー……じゃ、任せる」
「やたっ♪ キレイにして返すから、期待して待っててね」
汁の跡がある制服を渡すと、梓は抱きしめるようにして受け取った。どうにも不安が残るが、とにかく任そう。
そうして制服を渡した翌日、梓は紙袋を持って俺の机の前に立った。
「はい、できたよ」
「おおっ、もう出来たのか。思ったより早かったな」
頭をなでると、梓はほにゃほにゃに顔を緩ました。
「えへへっ、ちょー頑張ったんだよ?」
「んじゃ早速……」
紙袋を取り出し、中から制服を取り出す。
「おおっ、ちゃんとしてるじゃん」
「だろ? だろ? へへーっ、頑張ったもん」
破れた箇所も綺麗……とは言い難いがしっかり繕われてて、しかもその上に可愛いウサギのアップリケまでしてあって……
「なんじゃこりゃーッ!!!」
「わっ、松田だ松田」
「貴様、何の恨みがあってこんなファンシーにしやがった!?」
「か、可愛いかなって……可愛くない?」
「可愛いけど、俺が着てみろ。こうなるんだぞ?」
制服を羽織ると、教室のそこかしこで“ぷっ”と吹き出す音が聞こえた。
「わぁ、タカシすっごい可愛い……」
うっとりした顔で言われても嬉しくない。
約束を破られたのでどんな体位で初めてを頂こうか考えてると、梓の手に絆創膏がいくつも貼ってあるのに気づいてしまった。
「……た、タカシ怒ってる? ご、ごめんね、すぐ取るから……」
「……いや、まぁこれはこれで、いいかもしれんな」
「……いいの?」
「なんか、頑張ってくれたみたいだし」
「え? ……あっ!」
梓は慌てた様子で手を後ろに隠した。今更隠されてもなぁ。
「……本当は、あんまり裁縫って得意じゃないんだ」
ごめんね、と梓は小さく笑った。
「……ったく、んな無理してやんなくてもよかったのに」
「う~、折角やってやったのに感謝の言葉もない……」
不満そうな梓の頭を、優しくなでる。
「た、タカシ?」
「……サンキュな、梓。大事に着るよ」
「あ……。そ、そうだよ。ボクの白魚のような指を傷まみれにしてまでやったんだから、大事に大事に着ないとしょーちしないよ?」
梓は顔を真っ赤にしたまま胸を張るのだった。
「熱っ、熱い! なんだ、局所的に温度変化が起きたか! ていうかマジ熱い!」
「ご、ごめんなさい! うどんこぼしちゃった!」
振り向くと、ボクっ娘がぺこぺこ頭を下げていた。とりあえず上着を脱ぎ、熱さからの脱却を図る。
「うー、熱かった」
「ごめん、ごめんねタカシ」
「あー、もういいからそうペコペコすんな」
未だ頭を下げ続けてるボクっ娘にそう言うと、梓は心配そうな目つきで俺を見た。
「うう……ごめんね。ボク、その制服洗って返すよ」
「いい。お前ドジだから、ボロボロになって返って来ること間違いなしだ」
「ドジじゃないよ! 大丈夫だから、貸してって」
「いいっての、気にすんな」
「いいからいいから。貸して貸して、貸してーーーーーーーッ!」
無理やり制服を奪おうとする梓と、させまいとする俺の力が拮抗し、結果俺の制服が音を立てて破れた。
「あ……」
「……梓たん?」
「え、えと、……ごめんね?」
上目遣いに様子を伺う梓に、俺はにこやかに微笑みながらほっぺを引っ張った。
「てめぇ、何しやがる!」
「あぅーーーーーーーッ!」
「火傷させた後は制服ビリビリにしやがって! 何の恨みがある!」
「あぅ、あぅ、あぅ」
一通り引っ張って満足したので手を離すと、梓は目に涙を浮かべてほっぺをさすった。
「うー……痛い」
「しかし、困ったな……裁縫なんてできねぇよ」
「ちゃんす! ボク、ボクがやるよ! ボク、裁縫できるよ!」
「…………」
「うわ、すっごい疑わしい目で見てる。だいじょーぶだって、大船に乗ったつもりで任せてよ!」
「失敗したら初めてを頂くぞ?」
「ヤだよッ!」
「じゃあ渡さん」
「う……う~っ、わ、分かったよ! いいよ、約束するよ!」
「マジか!? なら」
「何いきなりズボン脱いでんだよ、ばかっ!」
「いや、どうせ失敗するし、なら今頂いてもいいかと」
「なんでもいいから早くズボン履けっ! パンツ丸出しだよっ!」
そう言えばズボン脱ぎっぱなしだった。周囲の目が痛い。慌ててズボンを履く。
「とにかく、大丈夫だから貸してよ」
「んー……じゃ、任せる」
「やたっ♪ キレイにして返すから、期待して待っててね」
汁の跡がある制服を渡すと、梓は抱きしめるようにして受け取った。どうにも不安が残るが、とにかく任そう。
そうして制服を渡した翌日、梓は紙袋を持って俺の机の前に立った。
「はい、できたよ」
「おおっ、もう出来たのか。思ったより早かったな」
頭をなでると、梓はほにゃほにゃに顔を緩ました。
「えへへっ、ちょー頑張ったんだよ?」
「んじゃ早速……」
紙袋を取り出し、中から制服を取り出す。
「おおっ、ちゃんとしてるじゃん」
「だろ? だろ? へへーっ、頑張ったもん」
破れた箇所も綺麗……とは言い難いがしっかり繕われてて、しかもその上に可愛いウサギのアップリケまでしてあって……
「なんじゃこりゃーッ!!!」
「わっ、松田だ松田」
「貴様、何の恨みがあってこんなファンシーにしやがった!?」
「か、可愛いかなって……可愛くない?」
「可愛いけど、俺が着てみろ。こうなるんだぞ?」
制服を羽織ると、教室のそこかしこで“ぷっ”と吹き出す音が聞こえた。
「わぁ、タカシすっごい可愛い……」
うっとりした顔で言われても嬉しくない。
約束を破られたのでどんな体位で初めてを頂こうか考えてると、梓の手に絆創膏がいくつも貼ってあるのに気づいてしまった。
「……た、タカシ怒ってる? ご、ごめんね、すぐ取るから……」
「……いや、まぁこれはこれで、いいかもしれんな」
「……いいの?」
「なんか、頑張ってくれたみたいだし」
「え? ……あっ!」
梓は慌てた様子で手を後ろに隠した。今更隠されてもなぁ。
「……本当は、あんまり裁縫って得意じゃないんだ」
ごめんね、と梓は小さく笑った。
「……ったく、んな無理してやんなくてもよかったのに」
「う~、折角やってやったのに感謝の言葉もない……」
不満そうな梓の頭を、優しくなでる。
「た、タカシ?」
「……サンキュな、梓。大事に着るよ」
「あ……。そ、そうだよ。ボクの白魚のような指を傷まみれにしてまでやったんだから、大事に大事に着ないとしょーちしないよ?」
梓は顔を真っ赤にしたまま胸を張るのだった。
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