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2024年11月24日
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【ツンデレとケーキ】
2010年04月09日
梓の部屋に忍び込み置いてあった菓子を食ってると、家主が戻ってきた。
「人に部屋で何やってんだよぉ!?」
「こんにちは」
「こんにちは! 何やってるのか聞いてるんだよっ!」
怒りながらも一応挨拶を返す梓は偉いと思う。
「梓がぶくぶくと肥え太るのを防いでいる」
「そんな簡単に太らないよっ! 人のお菓子勝手に食べるな、ばかっ!」
「そう責めるな。誰が悪いわけでもない、強いて言うなら巡り合わせが悪かっただけだ」
「誰がどう見てもタカシが悪いに決まってるよぉ! ボクのお菓子返せよ、ばかぁ!」
ぽこぽこ殴ってくる梓が鬱陶しいので、ケーキをご馳走することで手打ちにしてもらう。
「ケーキ、ケーキ、おいしいケーキ♪」
ケーキ一つで簡単に機嫌を直す同級生。哀れみを通り越して少し感心する。
「で、どこ行くの? 喫茶店? ケーキ屋さん?」
「コンビニ」
「ダメだよっ! コンビニに売ってるような嘘ケーキじゃボクの怒りは治まらないよ!」
「ケーキがないならパンを食べればいいじゃない」
「逆アントワネってもダメだよ!」
梓は新しい動詞を編み出した。
「あ、そこのケーキ屋さんでいいよ。入ろ入ろ」
俺が着いて来るのも確認せず、梓は一人ケーキ屋に入っていった。続いて俺も入店すると、可愛らしい店員さんの笑顔に迎えられた。
「何にしよっかなー、モンブランかな、チョコかな?」
「コロッケください」
「ないよっ! 店員さん困ってるじゃん!」
梓の言うとおり、店員さんは苦笑いを浮かべていた。
「じゃあ店員さん、麗しい貴方をお持ち帰りしたいててててっ!」
突如尻が激痛に襲われた。尻が弾けたかと後ろを見ると、梓が不満そうに俺の尻をつねっていた。
「いきなり何すんだよ!」
「タカシが変なこと言うからだよ! 天罰だよ、神の裁きだよっ!」
「いやいや、明らかにお前がつねっただろ」
「知らないよっ! ボク、ショートケーキ!」
店員さんは梓に少し怯えながらケーキを取った。
「あ、俺もそれ一つ」
「ボクのマネするなよっ!」
今日の梓たんはなんか知らんけどいつもより怖い。とにかく、金を払ってケーキの入ってる箱を受け取る。
怒気を振りまく梓にビクビクしながら家に戻り、箱を開ける。皿に取り分けて、準備完了。
「いただきます!」
梓はフォークを振り上げ、ケーキの突端を切り崩した。そして欠片をフォークに刺し、口に放り込んだ。
「…………」
なんとか怒りを持続させようと頑張っているが、ケーキの甘みにそれも難しそうだった。
「おいしい?」
「お、おいしいけど、それは別にタカシのおかげじゃないもん。感謝なんかしないもん」
金を出したのは俺なんですが、またなんか言って怒らせるのもなんだし黙っておこう。
「じゃ、俺も食うとするか」
梓のいちごにフォークを刺し、口の中に入れる。
「あああああ! ボクのいちご取った!」
「しまった、いつものクセでつい」
「クセってなんだよ、クセって! いーから返せよ!」
「まぁいいか。むぐむぐ……うむ、新鮮ないちごだ。甘くておいしい」
「なんでボクの取るんだよ! 自分の食えよ!」
「ははっ、怒った顔は似合わないゾ☆」
「誰のせいで怒ってるんだと思ってるんだよ! それと、ちょっと気持ち悪いよ!」
深く傷ついたので、梓のケーキにかぶりつく。
「うあああああ! な、な、なんてことすんだよぉ!?」
「もぐもぐ、おいしい」
「返せよ、ボクのケーキ返せよ、ばかぁ!」
「まぁまぁ、一発芸見せてやるから機嫌直せ。ほら、ぎょーざ」
耳を手でぺたりと折る。
「そんなの見せられても全然ちっとも全く嬉しくないよッ! ボクのこと馬鹿にしてるだろっ!?」
「ギョーザうまいぞ?」
「そんなの関係ないよっ! もー怒った、タカシのケーキ食べてやる!」
「何ッ!? 貴様、そんなにカロリーを摂取すると後で泣きを見るぞ!」
「うっ……そ、それでもだよっ! この怒りはタカシのケーキを食べないと収まらないよっ!」
俺のケーキを鷲掴みし、梓は口を開いた。
「怒りを収める代わりに、その体に贅肉を納めるのか。ははっ、洒落が効いてる」
「ううっ、……ううううう~!」
「どうした、食わんのか?」
「タカシのいじわる虫! そんなにいじわる虫とは知らなかったよ!」
いじわるは分かるが、虫の意味がまるで分からない。
「まぁそう怒るな。ほら、これやるよ」
「これって……ボクのケーキじゃん! しかも、タカシの食いかけで、涎べとべとじゃん! なんでこんな涎まみれなんだよ!」
「いや、うまいこと言いくるめて俺の涎入りケーキを梓に食べてもらおうかと」
「そんなこと聞いた時点で食べる気0だよ!」
それもそうだね。困ったね。言うんじゃなかったね。どうしようか。
「うーんうーん、気にするな。ほら食え、美味いぞ」
「気にするよ、しまくりだよ! 食べないよ、口チャックだよ!」
「聞いた話によると、俺の唾液には激痩せ効果があるらしいぞ。口にするとそれだけで体重が500キロ落ちるらしい」
「そんなに落ちたら死ぬよ! ……もが!?」
大口を開いたので、すかさず口にケーキを詰め込む。
「わははは、容易いぞ梓!」
「もぎゅもぎゅ……ごくん。こうなったらお返しだよ! ぺろぺろぺろ!」
梓は残ったケーキを舐めまくった。それはいいが、鼻にクリームついてるぞ。
「ほら、これ食べろよな! ボクに無理やりタカシの涎食べさせたんだから、これくらいへーきだよね?」
「随分とサービス精神旺盛だな」
「へ? ……わああああ! 食べたよ! がつがつだよ、ばくばく食べてるよこの人!」
「げふー。うむ、ケーキの甘みと梓の涎により、旨み成分がいい感じに」
「変態だよ、明らかに変態の言葉だよ!?」
「……とすると、梓の涎には旨み成分が? 梓、ちっと味見を」
「へ? だ、ダメだよ、来るなよ、にじり寄るなよ! ちょっとこら、やめろってば、ば……んんーーーっ!?」
結論:おいしかった。ただ、梓の舌が美味いのか、涎が美味いのか判別がつかないけど気持ちよかったしまぁいいや。
「人に部屋で何やってんだよぉ!?」
「こんにちは」
「こんにちは! 何やってるのか聞いてるんだよっ!」
怒りながらも一応挨拶を返す梓は偉いと思う。
「梓がぶくぶくと肥え太るのを防いでいる」
「そんな簡単に太らないよっ! 人のお菓子勝手に食べるな、ばかっ!」
「そう責めるな。誰が悪いわけでもない、強いて言うなら巡り合わせが悪かっただけだ」
「誰がどう見てもタカシが悪いに決まってるよぉ! ボクのお菓子返せよ、ばかぁ!」
ぽこぽこ殴ってくる梓が鬱陶しいので、ケーキをご馳走することで手打ちにしてもらう。
「ケーキ、ケーキ、おいしいケーキ♪」
ケーキ一つで簡単に機嫌を直す同級生。哀れみを通り越して少し感心する。
「で、どこ行くの? 喫茶店? ケーキ屋さん?」
「コンビニ」
「ダメだよっ! コンビニに売ってるような嘘ケーキじゃボクの怒りは治まらないよ!」
「ケーキがないならパンを食べればいいじゃない」
「逆アントワネってもダメだよ!」
梓は新しい動詞を編み出した。
「あ、そこのケーキ屋さんでいいよ。入ろ入ろ」
俺が着いて来るのも確認せず、梓は一人ケーキ屋に入っていった。続いて俺も入店すると、可愛らしい店員さんの笑顔に迎えられた。
「何にしよっかなー、モンブランかな、チョコかな?」
「コロッケください」
「ないよっ! 店員さん困ってるじゃん!」
梓の言うとおり、店員さんは苦笑いを浮かべていた。
「じゃあ店員さん、麗しい貴方をお持ち帰りしたいててててっ!」
突如尻が激痛に襲われた。尻が弾けたかと後ろを見ると、梓が不満そうに俺の尻をつねっていた。
「いきなり何すんだよ!」
「タカシが変なこと言うからだよ! 天罰だよ、神の裁きだよっ!」
「いやいや、明らかにお前がつねっただろ」
「知らないよっ! ボク、ショートケーキ!」
店員さんは梓に少し怯えながらケーキを取った。
「あ、俺もそれ一つ」
「ボクのマネするなよっ!」
今日の梓たんはなんか知らんけどいつもより怖い。とにかく、金を払ってケーキの入ってる箱を受け取る。
怒気を振りまく梓にビクビクしながら家に戻り、箱を開ける。皿に取り分けて、準備完了。
「いただきます!」
梓はフォークを振り上げ、ケーキの突端を切り崩した。そして欠片をフォークに刺し、口に放り込んだ。
「…………」
なんとか怒りを持続させようと頑張っているが、ケーキの甘みにそれも難しそうだった。
「おいしい?」
「お、おいしいけど、それは別にタカシのおかげじゃないもん。感謝なんかしないもん」
金を出したのは俺なんですが、またなんか言って怒らせるのもなんだし黙っておこう。
「じゃ、俺も食うとするか」
梓のいちごにフォークを刺し、口の中に入れる。
「あああああ! ボクのいちご取った!」
「しまった、いつものクセでつい」
「クセってなんだよ、クセって! いーから返せよ!」
「まぁいいか。むぐむぐ……うむ、新鮮ないちごだ。甘くておいしい」
「なんでボクの取るんだよ! 自分の食えよ!」
「ははっ、怒った顔は似合わないゾ☆」
「誰のせいで怒ってるんだと思ってるんだよ! それと、ちょっと気持ち悪いよ!」
深く傷ついたので、梓のケーキにかぶりつく。
「うあああああ! な、な、なんてことすんだよぉ!?」
「もぐもぐ、おいしい」
「返せよ、ボクのケーキ返せよ、ばかぁ!」
「まぁまぁ、一発芸見せてやるから機嫌直せ。ほら、ぎょーざ」
耳を手でぺたりと折る。
「そんなの見せられても全然ちっとも全く嬉しくないよッ! ボクのこと馬鹿にしてるだろっ!?」
「ギョーザうまいぞ?」
「そんなの関係ないよっ! もー怒った、タカシのケーキ食べてやる!」
「何ッ!? 貴様、そんなにカロリーを摂取すると後で泣きを見るぞ!」
「うっ……そ、それでもだよっ! この怒りはタカシのケーキを食べないと収まらないよっ!」
俺のケーキを鷲掴みし、梓は口を開いた。
「怒りを収める代わりに、その体に贅肉を納めるのか。ははっ、洒落が効いてる」
「ううっ、……ううううう~!」
「どうした、食わんのか?」
「タカシのいじわる虫! そんなにいじわる虫とは知らなかったよ!」
いじわるは分かるが、虫の意味がまるで分からない。
「まぁそう怒るな。ほら、これやるよ」
「これって……ボクのケーキじゃん! しかも、タカシの食いかけで、涎べとべとじゃん! なんでこんな涎まみれなんだよ!」
「いや、うまいこと言いくるめて俺の涎入りケーキを梓に食べてもらおうかと」
「そんなこと聞いた時点で食べる気0だよ!」
それもそうだね。困ったね。言うんじゃなかったね。どうしようか。
「うーんうーん、気にするな。ほら食え、美味いぞ」
「気にするよ、しまくりだよ! 食べないよ、口チャックだよ!」
「聞いた話によると、俺の唾液には激痩せ効果があるらしいぞ。口にするとそれだけで体重が500キロ落ちるらしい」
「そんなに落ちたら死ぬよ! ……もが!?」
大口を開いたので、すかさず口にケーキを詰め込む。
「わははは、容易いぞ梓!」
「もぎゅもぎゅ……ごくん。こうなったらお返しだよ! ぺろぺろぺろ!」
梓は残ったケーキを舐めまくった。それはいいが、鼻にクリームついてるぞ。
「ほら、これ食べろよな! ボクに無理やりタカシの涎食べさせたんだから、これくらいへーきだよね?」
「随分とサービス精神旺盛だな」
「へ? ……わああああ! 食べたよ! がつがつだよ、ばくばく食べてるよこの人!」
「げふー。うむ、ケーキの甘みと梓の涎により、旨み成分がいい感じに」
「変態だよ、明らかに変態の言葉だよ!?」
「……とすると、梓の涎には旨み成分が? 梓、ちっと味見を」
「へ? だ、ダメだよ、来るなよ、にじり寄るなよ! ちょっとこら、やめろってば、ば……んんーーーっ!?」
結論:おいしかった。ただ、梓の舌が美味いのか、涎が美味いのか判別がつかないけど気持ちよかったしまぁいいや。
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