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2024年11月22日
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【ツンデレがお見舞いに来てくれたら】
2010年04月19日
風邪ひいた。鼻は詰まるはノドは痛いは熱は出るはこの世の地獄を一人味わってます。
んなわけで布団に包まってゲホゴホ言ってると、インターホンが鳴った。受話器を取る。
「うー……はいはい、なんでしょう」
「あ、タカシ? ボク、ボクだよ」
黙って受話器を置く。瞬間、インターホンの音が連続で鳴り響いた。
「はい」
「なんで黙って切るんだよ! ボクだよ、梓だよ!」
「や、なんとなく。んで、なんか用か? 風邪ひいてしんどいので、用は手短に頼む」
「あ、それなんだけど、とりあえず家に入っていい?」
「んー……まぁ許す。鍵はしてないので勝手に入るがいい」
「なんでそんな偉そうなのかなぁ……」
程なく、ボクっ娘が制服のまま我が家に侵入してきた。
「こんちは、タカシ」
「お帰りはあちらです」
「なんでだよ! 来たばっかりだよ!」
「あーもう、あんまでかい声出すな。頭に響いて痛い」
「あっ、そうだね、タカシ病人だもんね。ほらほら、ふらふら歩いてないで布団に入ってないと」
誰のせいでふらふらしてんだと言いたいが、いい加減体もだるいので大人しく誘導されるがまま布団に入る。
「んで、何用だ? ……まさか、調子の悪い時を狙って普段の鬱憤を晴らそうと」
「違うよ! タカシ、今日学校休んだでしょ? お見舞いに来たんだよ」
そう言って、梓は持ってきた袋から何か取り出した。
「もーもーかーんー♪(青いサイバーなロボネコ風に)」
「超似てねえ」
「うぐっ……か、風邪引いてる時はやっぱりこれだよね♪ いまお皿に出すから、ちょっと待っててね」
そう言い残して、梓は台所に向かった。
「もーもかん~、もーもかん~♪ かーぜの時は~、桃!」
微妙に音がずれてる変な歌が聞こえてくる。病状が悪化しそうだ。
「はーい、桃だよ。食べて食べて」
梓が嬉しそうに桃を入れた皿を持って戻ってきた。
「変な歌が聞こえてきて病状が悪化し、風邪が肺炎にパワーアップした。たぶん数日後に死ぬ」
「死なないよッ! 変な歌じゃないし! いーから食べる」
「うー……食欲ねえんだよ」
「何か食べないとよくならないよ? ほら、一口だけでもいいから食べて。はい、あーん」
「んー……梓が口移ししてくれるなら食う」
「なっ、なに言ってるんだよ、ばかっ! そんなことできるわけないじゃん!」
「じゃあ、このまま枯れ死ぬこととしよう」
「うっ、う~う~……う~、う~!」
「うーうーうるさい。消防車か」
「うう……く、口移ししたら、食べるんだよね?」
「うむ」
別に口移しでなくとも食べれるんだけど、即答する。
「じゃ……じゃあ、したげるよ。い、言っとくけどね、本当はヤなんだからねッ!?」
「もぐもぐ」
「人が口移ししたげるって言ってるのに一人で食べてる!? もぐもぐって!」
「冗談に決まってるだろ、ばーか」
「ううっ……タカシに馬鹿って言われると、どこまでも落ち込んで行くよ」
失礼な奴だもぐもぐ。
「うーん……味しないな。梓、醤油取って」
「取らないよッ! 桃に醤油かけるなんて聞いたことないよ!」
「なんか、味しないんだ。ソースでもいいから取って」
「風邪ひいてるからだよ。食べたらぐっすり寝て、早く元気になってよね? タカシが学校来ないと、なんだかつまんないよ」
「じゃあ今から学校行こう。梓、そこの制服取って」
「もう今日は学校終わったから意味ないよッ! ……はぁ、タカシって病気の時でも変なこと言ってるんだね。……いつも熱にうなされてるのかな?」
梓は真剣な顔をして失礼なことを考えていた。
「ま、とにかく見舞いありがとな。今から寝るし、帰ってもいいぞ」
「そうはいかないよ! タカシ、放ってたら野垂れ死にそうだもん。一度家に帰ってお泊りの準備してきたし、今日は泊まっていくよ」
「え」
梓は鞄を開き、パジャマやら歯磨きやら取り出した。
「明日は休みだし、いいよね? ボク、一所懸命タカシのお世話するよ!」
「や、その、……俺、男だよ?」
「? 知ってるよ?」
このお嬢さんは危なすぎる。俺を男と知ってて泊まるとは……。釘を刺したほうがいいな。
「梓、おまえだって一応女の子なんだから、ふらふら男の家に泊まるのはよくないぞ。お兄さん、おまえが変な奴に騙されないか不安で不安で」
「? 他の男の人の家に泊まるわけないじゃん。タカシの家だから泊まるんだよ?」
「……じゃ、じゃあ大丈夫……かな。うん」
ええい、あっけらかんと恥ずかしいこと言いおって。くそ。
「おばさん達、今日明日と出張って聞いたし……あっ! タカシ、熱上がってるよ! 顔真っ赤だよ! 体温計たいおんけい……」
「あ、いや、これは別に熱とかそんなじゃなくて」
俺の話なんか聞いちゃいないのか、梓は体温計を探しに部屋から出て行った。
うう……くそ、梓みたいなつるぺた娘を意識してしまうとは……不覚。
いや、違う違う違う! 意識なんかしてない、これは熱のせいだ。きっとそうだ。そうに違いない。
「あったよー、タカシ!」
だから、満面の笑みを浮かべて部屋に飛び込んできた梓を見て、動悸が激しくなったのも熱のせいだ。
んなわけで布団に包まってゲホゴホ言ってると、インターホンが鳴った。受話器を取る。
「うー……はいはい、なんでしょう」
「あ、タカシ? ボク、ボクだよ」
黙って受話器を置く。瞬間、インターホンの音が連続で鳴り響いた。
「はい」
「なんで黙って切るんだよ! ボクだよ、梓だよ!」
「や、なんとなく。んで、なんか用か? 風邪ひいてしんどいので、用は手短に頼む」
「あ、それなんだけど、とりあえず家に入っていい?」
「んー……まぁ許す。鍵はしてないので勝手に入るがいい」
「なんでそんな偉そうなのかなぁ……」
程なく、ボクっ娘が制服のまま我が家に侵入してきた。
「こんちは、タカシ」
「お帰りはあちらです」
「なんでだよ! 来たばっかりだよ!」
「あーもう、あんまでかい声出すな。頭に響いて痛い」
「あっ、そうだね、タカシ病人だもんね。ほらほら、ふらふら歩いてないで布団に入ってないと」
誰のせいでふらふらしてんだと言いたいが、いい加減体もだるいので大人しく誘導されるがまま布団に入る。
「んで、何用だ? ……まさか、調子の悪い時を狙って普段の鬱憤を晴らそうと」
「違うよ! タカシ、今日学校休んだでしょ? お見舞いに来たんだよ」
そう言って、梓は持ってきた袋から何か取り出した。
「もーもーかーんー♪(青いサイバーなロボネコ風に)」
「超似てねえ」
「うぐっ……か、風邪引いてる時はやっぱりこれだよね♪ いまお皿に出すから、ちょっと待っててね」
そう言い残して、梓は台所に向かった。
「もーもかん~、もーもかん~♪ かーぜの時は~、桃!」
微妙に音がずれてる変な歌が聞こえてくる。病状が悪化しそうだ。
「はーい、桃だよ。食べて食べて」
梓が嬉しそうに桃を入れた皿を持って戻ってきた。
「変な歌が聞こえてきて病状が悪化し、風邪が肺炎にパワーアップした。たぶん数日後に死ぬ」
「死なないよッ! 変な歌じゃないし! いーから食べる」
「うー……食欲ねえんだよ」
「何か食べないとよくならないよ? ほら、一口だけでもいいから食べて。はい、あーん」
「んー……梓が口移ししてくれるなら食う」
「なっ、なに言ってるんだよ、ばかっ! そんなことできるわけないじゃん!」
「じゃあ、このまま枯れ死ぬこととしよう」
「うっ、う~う~……う~、う~!」
「うーうーうるさい。消防車か」
「うう……く、口移ししたら、食べるんだよね?」
「うむ」
別に口移しでなくとも食べれるんだけど、即答する。
「じゃ……じゃあ、したげるよ。い、言っとくけどね、本当はヤなんだからねッ!?」
「もぐもぐ」
「人が口移ししたげるって言ってるのに一人で食べてる!? もぐもぐって!」
「冗談に決まってるだろ、ばーか」
「ううっ……タカシに馬鹿って言われると、どこまでも落ち込んで行くよ」
失礼な奴だもぐもぐ。
「うーん……味しないな。梓、醤油取って」
「取らないよッ! 桃に醤油かけるなんて聞いたことないよ!」
「なんか、味しないんだ。ソースでもいいから取って」
「風邪ひいてるからだよ。食べたらぐっすり寝て、早く元気になってよね? タカシが学校来ないと、なんだかつまんないよ」
「じゃあ今から学校行こう。梓、そこの制服取って」
「もう今日は学校終わったから意味ないよッ! ……はぁ、タカシって病気の時でも変なこと言ってるんだね。……いつも熱にうなされてるのかな?」
梓は真剣な顔をして失礼なことを考えていた。
「ま、とにかく見舞いありがとな。今から寝るし、帰ってもいいぞ」
「そうはいかないよ! タカシ、放ってたら野垂れ死にそうだもん。一度家に帰ってお泊りの準備してきたし、今日は泊まっていくよ」
「え」
梓は鞄を開き、パジャマやら歯磨きやら取り出した。
「明日は休みだし、いいよね? ボク、一所懸命タカシのお世話するよ!」
「や、その、……俺、男だよ?」
「? 知ってるよ?」
このお嬢さんは危なすぎる。俺を男と知ってて泊まるとは……。釘を刺したほうがいいな。
「梓、おまえだって一応女の子なんだから、ふらふら男の家に泊まるのはよくないぞ。お兄さん、おまえが変な奴に騙されないか不安で不安で」
「? 他の男の人の家に泊まるわけないじゃん。タカシの家だから泊まるんだよ?」
「……じゃ、じゃあ大丈夫……かな。うん」
ええい、あっけらかんと恥ずかしいこと言いおって。くそ。
「おばさん達、今日明日と出張って聞いたし……あっ! タカシ、熱上がってるよ! 顔真っ赤だよ! 体温計たいおんけい……」
「あ、いや、これは別に熱とかそんなじゃなくて」
俺の話なんか聞いちゃいないのか、梓は体温計を探しに部屋から出て行った。
うう……くそ、梓みたいなつるぺた娘を意識してしまうとは……不覚。
いや、違う違う違う! 意識なんかしてない、これは熱のせいだ。きっとそうだ。そうに違いない。
「あったよー、タカシ!」
だから、満面の笑みを浮かべて部屋に飛び込んできた梓を見て、動悸が激しくなったのも熱のせいだ。
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