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2024年11月25日
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【悪の組織の幹部なツンデレと新人ヒーローな男】

2010年03月02日
 バイトを探してたら時給がいいところがあったので行ってみると、即採用された。なんか、ヒーローになってほしいらしい。
 よく分からないまま幼稚園児を助けたり怪人っぽいのを倒したりする毎日。そんなある日、怪人を倒した後に女がやってきた。
「我が名はみこと! 貴様の勇名、我がアジトにまで響いているぞ。どうだ、我が配下に加わらんか? どんなことも思いのままだぞ?」
「ほう、それは興味深い話だな。例えば、おまえとえっちとかできたりするのか?」
「なっ、ななななな!? な、何を言うか馬鹿者! そ、そんなことできるわけないだろうが!」
 途端、みことは顔を真っ赤にして否定した。
「わ、我はエリートなのだ! 貴様のような凡庸な輩とおいそれと、その……そういうことができるわけがなかろう!」
「そういうことって?」
「だ、だから、その……」
「どんなこと? 具体的に?」
「だ、だから……えっちなことだ!」
「つまり、○○○○に×××を△△することだな」
「はっきり言うなぁっ!」
 みことはウブなようだった。
「こほん。……貴様は我の作りし怪人を、幾多も倒してきた。それほどの力を持つ者が、どうして正義などというつまらぬものに組する?」
 む、正義の人としての真価が問われている感じがする! 天国ポイントを稼ぐチャンス! いくぜ偽善!
「正しい事を成すことに理由はいるのかい?」
「……嘘臭いな。本当の事を言ってみよ」
「正義こそ我が本懐! 全ては力なき者のために!」
「……本当の事を言うと、そ、その、……我にちょっと触っても」
「時給がいいんだ! 言った! いくぞセクハラ!」
「うっきゃあああああ!?」
 ヒーロー力を完全に発揮し、みことにダッシュ&抱っこ。そのままほっぺをすりすりする。
「あああああ、やーらかいなー、ふにふにするなー」
「ままままま待て待て待て! ちょっとと言ったはずだ! こんな触る事は許可してないっ! 離れろばかーっ!」
「あー、ちゅーしたいなー、ちゅー。していい?」
「不許可だっ! いいかげんにしろ、この痴れ者がっ!」
 調子に乗ってたら思い切り蹴られた。
「あいたたた……」
「うう、なぜこんな者が我が組織と戦えるのだ……」
「ヒーローだから!」
「うるさいばかっ! ヒーローならヒーローらしくしろ!」
「らしく……よし分かった! 悪は許さない! 具体的には焼却処分!」
「ひいいいいっ!?」
 ヒーローの秘密武器、火炎放射器の砲口をみことに向けると、すごく驚かれた。
「どっ、どこから出したっ!? そ、そんな武器反則だぞっ!」
「汚物は消毒だぁ~!」
「明らかにヒーローじゃないセリフだぞっ! ええいっ、今日のところはこの辺にしておいてやる! だが忘れるな、我らはいつだって貴様を付け狙ってひゃああああ!?」
 隙まみれだったので、もう一度抱きついてみる。
「だ、抱きつくなあっ! どうして貴様はすぐに抱きつく!」
「あー、みことは可愛いなあ。ちゅーしたいなあ、ちゅー。していい?」
「だから、ダメに決まっているだろうが、このばかーっ!」
 石採場にみことの声が響くのだった。

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