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2024年12月04日
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【ツンデレが寒さのあまり火を起こしたら】

2011年01月26日
 寒いので火でも起こそうと思ったがそれでは未開文明の人だなあと思ったので泣く泣く諦めながら登校している俺がここに存在しているというのに、教室の中でキャンプファイアーとはどういうことだ。
「ふにゃー! ふにゃー!」
「そしてやはりお前の仕業か、ナコ!」
「ぷぎゃッ!」
 ファイアーの前で四足になり、嬉しそうに奇声をあげてる転校生、ナコのどたまを思い切りどつく。
「いきなり何するンだ! あッ、やっぱりオマエか! ナコの敵!」
 ずびし、と俺に指をつきつけるナコ。この娘はなんか知らんが俺を毛嫌いしているが、俺はナコが猫っぽいので大変好きです。
「勝手に敵にするな。ていうかだな、屋内で火を焚くな」
 遠巻きに見ていたクラスメイトたちが力強く頷いていた。
「だッて、寒いもン! 寒いから火焚いただけ! ナコは悪くない!」
「文明の力を借りろ、馬鹿」
「ふにゃー!」
 威嚇された。威嚇?
「ったく……ほれ、これ使え」
「ふにゃ? ……なンだ、これ? あッたかいゾ? ポカポカするゾ?」
「カイロだ。しばらくは暖かいから、それで寒さを凌げ」
 とかなんとか言いながら、教室のど真ん中でごうごうと燃えてる火を消火器でばぶわぁーっ鎮火する。
「ああッ! なにすンだバカ! せッかく火が大きくなってたのに!」
「馬鹿はそっちだ馬鹿。火事になったらどうすんだ馬鹿。でもにゃーとか言ってるので馬鹿も悪くないと思ったぞ馬鹿」
「にゃーなんて言ッてないゾ! ふにゃー!」
「今まさに言ってますが」
「ふにゃ!? ふにに……ナコがこーふんしたらつい出ちゃう口癖なだけだゾ! 馬鹿にすンな!」
「馬鹿にはしてません。ただ俺の大好物な雰囲気で喜びが満ち溢れているだけですウヒヒヒヒ」
「ひにゃー! 今日も気持ち悪いー!」
 何一つ嘘をついてないのに半泣きで気持ち悪がられた。悲しい。
「でも、にゃふにゃふ言ってる猫娘が大変に可愛らしいし、いいか!」(なでなで)
「ちッともよくないッ! ナコの頭なでるなッ! ちょー迷惑だッ!」
「分かった、もうなでない」(なでなで)
「お尻をなでたらもッと迷惑に決まッてるだろッ!」
 いっぱい叩かれた。その一撃一撃が格闘家を思わせる重さであり、結果息も絶え絶えの俺がここにいます。
「いやはや。どんな些細なことでもエロに結びつける俺を偉いと思わないか?」
「思わないーッ!」
 血まみれで床に寝転がる俺になんという辛辣な言葉を投げかけるのだろう。
「はぁ……よし、回復。んで、なんだっけ?」
「回復早いーッ! もッと長時間寝転ンで、それから死ね!」
「酷いことを言う。そんな酷いことを言う奴はこうだ!」(なでなで)
「だから、毎回毎回ナコの頭をなでるなッ! ふにゃー!」(威嚇)
「ウヒヒヒ、ウヒヒヒヒ!」(威嚇が嬉しかった様子)
「ふにゃーッ!?」(怖くて半泣き)
 そんな俺たちを迷惑そうに横目で見つつ、粉塗れの教室を掃除するクラスメイトたちだった。

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