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2024年11月23日
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【ツンデレな妹VSデレデレな姉7】
2010年03月23日
いつものように姉、妹、俺の三人で帰ってると、妹のカナが「ゲーセン行きたい」などと言い出した。
「あんな不良の溜まり場に行くだなんて、カナも不良になったんだな。嗚呼、お兄ちゃんは悲し」
「あ、お姉ちゃんも行きたいなー。久しぶりにタイコ叩きたい」
「よし、みんなで行こう! 楽しみだなー、カナ?」
「…………」
カナがとんでもない目でこっちを見ているが、気づかないフリをしてゲーセンへ。
「それじゃタカくん、一緒にタイコ叩こ?」
「え、あー……その、俺はちっと」
「……そっか。じゃ、お姉ちゃん行ってくるね!」
お姉ちゃんと一緒に遊びたいのはやまやまだが、隣で機嫌悪そうにこっちをじーっと見てるカナをほっておくわけにはいかない。心の中でお姉ちゃんに謝っておく。
「そ、それじゃ、なにしよっか、カナ?」
「…………」
カナは依然変わらず不機嫌のままだった。
「か、カナ? ええっとだな、ええとええと、……そうだ! 今日はお兄ちゃんの日!」
“またコイツ変なこと言い出した”とでも言いたげな目で、カナはこっちを見た。
「お兄ちゃんの日とは、妹にサービスしなければならない日だ。そんなわけで、今日はカナの分は兄が奢ってやろう」
「えっ、マジ?」
「嘘──すいません、奢らさせて頂きます」
冗談も過ぎると嫌がらせになるので、ここは素直になっておこう。べべ別にカナが怖いとかそんなんじゃなくて!
「じゃあさ、アレ奢って」
そう言ってカナが指したものは、一時流行ったダンスゲームだった。
「だっ、ダメのダメダメ! 絶対ダメ!」
「えー、なんでよ。100円だから別にいいでしょ?」
「制服で踊ったりしたら、パンツ見える! どこの誰とも知れない奴に妹のパンツを見せられるか!」
カナは一瞬呆けたような顔をした後、いやらしい笑みを浮かべた。
「いや~、お兄ちゃんしてるね、ホント。そんな妹さんが大事?」
「小便のついたパンツを見せられる人が可哀想だ」
「もう漏らしたりしないわよッ!」
殴られたりしたけど、どうにか制止に成功。やれやれ、危なっかしい妹だこと。
「じゃあさ、アレならいいでしょ?」
次にカナが指したものは、よくある普通のレースゲームだった。もう古いのだろう、1play50円と財布に優しくなっております。
「ん、そだな。アレなら兄許可を出そう」
「やたっ! じゃさ、兄貴も一緒にやろうよ」
「え、でも俺、レースゲーム下手だぞ?」
「いーからいーから」
まぁいいか。確かにレースゲームは下手だが、兄なのでカナより下手じゃないだろう(根拠のない自信)。
そしてレース開始。……終了。
「あははははっ! 兄貴、ほんっと~に下手よね。なんで途中で逆走してたの?」
「ぐ、ぐぐ……カナッ! もう一回だ、もう一回!」
「いいの? あたし手加減しないよ?」
「手加減してもらっても嬉しくない! 実力で勝利してこそ価値があるのだ!」
もう一度カナと勝負。……終了。
「うぐっ、ひっく、もう一回、もう一回……」
「な、何も泣かなくても……」
「きゃああああああっ! た、タカくんがぼろ泣きしてる!?」
お姉ちゃんがやって来るなり叫んだ。超うるせえ。
「どっ、どうしたの? 悲しいことがあったの? お腹空いたの?」
お姉ちゃんは俺を胸に抱きよせ、よしよしと頭をなでた。
……この人は俺を幼稚園児か何かと勘違いしてるに違いない。
「か、カナが妹のくせに俺を負かすんだ! お姉ちゃん、仇を取って!」
「任せて、タカくん! お姉ちゃん、頑張る!」
「……なんでもいいけど、いい加減放したら? ……物凄い衆目集めてるわよ」
衆人環視の中、姉の胸に顔を埋めるのはある種拷問と言えよう。慣れたけど。
どうにか人払いをして、姉と妹に向き直る。
「それじゃタカくん、お姉ちゃん頑張るから応援してね!」
「あれ? 今日はお兄ちゃんの日だから、妹を応援するわよね?」
「……タカくんはお姉ちゃんが大好きだから、お姉ちゃんを応援するに決まってるよ」
「……でも、今日はお兄ちゃんの日って言ってたから、妹のあたしを応援するわよ」
不思議なことに、姉妹間で火花が散っております。なんだろう、怖い。
「「どっちを応援するの!?」」
「テトリス面白れー」
現実逃避してテトリスしてたら、カナに胸倉掴まれた。
「兄貴、なんでもいいからあたしを応援しなさい! 応援するなら、その、……今日寝る時、ちょっとくらいなら触っていいから!」
「ず、ずるいカナちゃん! お姉ちゃんだったら、いつでもおーけーだよ? だから、お姉ちゃんを応援してよ~」
ああ姉と妹の板挟み。俺にどうしろと。それにしてもこのゲーム面白いなぁ。
「だからなんでテトリスしてるのよ!」
「そ、その、お腹が空いて頭が回らないんだ」
「はぁ? そんな言い訳が通用するとでも……」
「た、大変! タカくん、急いで帰ろう! お姉ちゃん、すぐご飯作るからね!」
お姉ちゃんには通用するんだな、これが。ただ、お姉ちゃんに嘘をつくと良心が大変痛むので多用できない。
「……はぁ、まーいっか。久々に兄貴とゲーセンで遊べたし」
「うん? カナは俺と遊びたくて来たのか?」
「ばっ、な、そんなわけないでしょ! まったく、変なことばっか言って!」
今回は変なことを言った覚えはないけど、あまり突っ込むと殴られるので黙っておこう。
「それじゃ、早く帰ろ?」
お姉ちゃんは小首を傾げて俺たちを促した。ごく自然に手を取り、空いた手をカナに向ける。
「んじゃ帰るか、カナ」
「はぁ、何もいちいち手繋がなくても……」
ぶつくさ言いながらも、カナは素直に手を繋いでくれた。
夕暮れの中、俺たち三人は仲良く手を繋いで家路に着くのだった。
「あんな不良の溜まり場に行くだなんて、カナも不良になったんだな。嗚呼、お兄ちゃんは悲し」
「あ、お姉ちゃんも行きたいなー。久しぶりにタイコ叩きたい」
「よし、みんなで行こう! 楽しみだなー、カナ?」
「…………」
カナがとんでもない目でこっちを見ているが、気づかないフリをしてゲーセンへ。
「それじゃタカくん、一緒にタイコ叩こ?」
「え、あー……その、俺はちっと」
「……そっか。じゃ、お姉ちゃん行ってくるね!」
お姉ちゃんと一緒に遊びたいのはやまやまだが、隣で機嫌悪そうにこっちをじーっと見てるカナをほっておくわけにはいかない。心の中でお姉ちゃんに謝っておく。
「そ、それじゃ、なにしよっか、カナ?」
「…………」
カナは依然変わらず不機嫌のままだった。
「か、カナ? ええっとだな、ええとええと、……そうだ! 今日はお兄ちゃんの日!」
“またコイツ変なこと言い出した”とでも言いたげな目で、カナはこっちを見た。
「お兄ちゃんの日とは、妹にサービスしなければならない日だ。そんなわけで、今日はカナの分は兄が奢ってやろう」
「えっ、マジ?」
「嘘──すいません、奢らさせて頂きます」
冗談も過ぎると嫌がらせになるので、ここは素直になっておこう。べべ別にカナが怖いとかそんなんじゃなくて!
「じゃあさ、アレ奢って」
そう言ってカナが指したものは、一時流行ったダンスゲームだった。
「だっ、ダメのダメダメ! 絶対ダメ!」
「えー、なんでよ。100円だから別にいいでしょ?」
「制服で踊ったりしたら、パンツ見える! どこの誰とも知れない奴に妹のパンツを見せられるか!」
カナは一瞬呆けたような顔をした後、いやらしい笑みを浮かべた。
「いや~、お兄ちゃんしてるね、ホント。そんな妹さんが大事?」
「小便のついたパンツを見せられる人が可哀想だ」
「もう漏らしたりしないわよッ!」
殴られたりしたけど、どうにか制止に成功。やれやれ、危なっかしい妹だこと。
「じゃあさ、アレならいいでしょ?」
次にカナが指したものは、よくある普通のレースゲームだった。もう古いのだろう、1play50円と財布に優しくなっております。
「ん、そだな。アレなら兄許可を出そう」
「やたっ! じゃさ、兄貴も一緒にやろうよ」
「え、でも俺、レースゲーム下手だぞ?」
「いーからいーから」
まぁいいか。確かにレースゲームは下手だが、兄なのでカナより下手じゃないだろう(根拠のない自信)。
そしてレース開始。……終了。
「あははははっ! 兄貴、ほんっと~に下手よね。なんで途中で逆走してたの?」
「ぐ、ぐぐ……カナッ! もう一回だ、もう一回!」
「いいの? あたし手加減しないよ?」
「手加減してもらっても嬉しくない! 実力で勝利してこそ価値があるのだ!」
もう一度カナと勝負。……終了。
「うぐっ、ひっく、もう一回、もう一回……」
「な、何も泣かなくても……」
「きゃああああああっ! た、タカくんがぼろ泣きしてる!?」
お姉ちゃんがやって来るなり叫んだ。超うるせえ。
「どっ、どうしたの? 悲しいことがあったの? お腹空いたの?」
お姉ちゃんは俺を胸に抱きよせ、よしよしと頭をなでた。
……この人は俺を幼稚園児か何かと勘違いしてるに違いない。
「か、カナが妹のくせに俺を負かすんだ! お姉ちゃん、仇を取って!」
「任せて、タカくん! お姉ちゃん、頑張る!」
「……なんでもいいけど、いい加減放したら? ……物凄い衆目集めてるわよ」
衆人環視の中、姉の胸に顔を埋めるのはある種拷問と言えよう。慣れたけど。
どうにか人払いをして、姉と妹に向き直る。
「それじゃタカくん、お姉ちゃん頑張るから応援してね!」
「あれ? 今日はお兄ちゃんの日だから、妹を応援するわよね?」
「……タカくんはお姉ちゃんが大好きだから、お姉ちゃんを応援するに決まってるよ」
「……でも、今日はお兄ちゃんの日って言ってたから、妹のあたしを応援するわよ」
不思議なことに、姉妹間で火花が散っております。なんだろう、怖い。
「「どっちを応援するの!?」」
「テトリス面白れー」
現実逃避してテトリスしてたら、カナに胸倉掴まれた。
「兄貴、なんでもいいからあたしを応援しなさい! 応援するなら、その、……今日寝る時、ちょっとくらいなら触っていいから!」
「ず、ずるいカナちゃん! お姉ちゃんだったら、いつでもおーけーだよ? だから、お姉ちゃんを応援してよ~」
ああ姉と妹の板挟み。俺にどうしろと。それにしてもこのゲーム面白いなぁ。
「だからなんでテトリスしてるのよ!」
「そ、その、お腹が空いて頭が回らないんだ」
「はぁ? そんな言い訳が通用するとでも……」
「た、大変! タカくん、急いで帰ろう! お姉ちゃん、すぐご飯作るからね!」
お姉ちゃんには通用するんだな、これが。ただ、お姉ちゃんに嘘をつくと良心が大変痛むので多用できない。
「……はぁ、まーいっか。久々に兄貴とゲーセンで遊べたし」
「うん? カナは俺と遊びたくて来たのか?」
「ばっ、な、そんなわけないでしょ! まったく、変なことばっか言って!」
今回は変なことを言った覚えはないけど、あまり突っ込むと殴られるので黙っておこう。
「それじゃ、早く帰ろ?」
お姉ちゃんは小首を傾げて俺たちを促した。ごく自然に手を取り、空いた手をカナに向ける。
「んじゃ帰るか、カナ」
「はぁ、何もいちいち手繋がなくても……」
ぶつくさ言いながらも、カナは素直に手を繋いでくれた。
夕暮れの中、俺たち三人は仲良く手を繋いで家路に着くのだった。
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