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2024年11月21日
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【牛 安楽椅子 ブラウザ】
2011年02月06日
いつも通りの朝だってのに、突然みことが牛に乗って教室に入ってきて、そのうえ牛がぶもーぶもーと超興奮して跳ね回ってるもんだから、教室内ちょっとした阿鼻叫喚を呈しています。
「ええい、落ち着け! 大人しくしろ!」
馬上ならぬ牛上のみことが必死にしがみ付きながらそんなことを叫んでいるので、何らかの事情でこうなったと把握。
とはいえ巻き込まれると大変そうだし面倒だから混乱に乗じてそーっと後ろのドアから逃げようとしたら、ばっつりみことと目が合った。
「貴様っ、私を置いて一人で逃げるつもりか! 見損なったぞ!」
「いやいや、何を言いますか。図書室まで行ってパソコンを立ち上げ、ブラウザで『牛 暴走 教室』と検索し、解決策を探ろうとしていたんだ」
「インターネットは万能ではないッ! そんなことより、早くどうにかしろ!」
「まあ落ち着け。よっこいしょっと」
安楽椅子ではないのが残念だが、近くに落ちてた椅子に腰掛け一服。どんな時でも冷静であれ、という自身のポリシーに則って行動する俺かっこいい。
「こっ、こら、何を落ち着いている!? ああっ、あああああっ!?」
自分に酔ってたら牛に突撃され、ぱひゅーんってすっ飛びながら気絶。
「……むーん。……む?」
目が覚めた。鼻につく薬品の匂い……保健室か?
「やっと起きたか。いつまで気絶してたら気が済むんだ。全く、男のくせにだらしない奴だ」
「お?」
声に視線を向けると、さっきまで牛の上にいた変な人が今度はベッドの横のパイプ椅子に座ってます。しかし、牛の姿はもうない。
「牛は? どうなったんだ?」
「どうにか処理した」
腰元にある刀を小さく揺らし、みことは何でもないように言った。
「超怖いですね。ていうか普通に持ってるが、学生が帯刀なんかしていいの?」
「ぐだぐだ抜かすな。下ろすぞ」
「卸さないで!」
「漢字が違うぞ! どこの酔狂な者が貴様なんぞを買い取ると言うのだ!」
なぜ分かる。
「ていうかだな、みことよ。あの牛はなんだったんだ? なんだって牛にまたがり登校なんてエキセントリックなマネを?」
「そっ、それはその、だな……」
俺の質問に、突然みことはもじもじしだした。
「そっ、そんなことより腹は空かんか? 貴様は気絶していたので知らんだろうが、もう昼だぞ?」
「む」
言われてみると確かに少し腹が減っているような。そして時計を見るに、昼休みも半ばを過ぎている。
「そうな。んじゃ、ちょっと購買行ってくる。とはいえ、この時間だと大したものは残ってないだろうけどな」
「そっ、そうか! それは災難だったな!」
「なんか知らんが超嬉しそうだな。しかし甘いぞ、みこと! 俺は既に牛に突撃されて昼まで気絶する、という災難を受けている! この程度の災難、物の数ではない!」
「何をいばっている……?」
それは俺にも分からない。
「そ、それより、購買には大したものがないのだろう?」
「ん、ああ。俺の経験上、この時間だとほぼ売り切れて不人気しか残ってないからな」
「そ、そうか。そ、その、なんだ。貴様がだらしなくも気絶してしまい昼食を摂り損ねてしまった理由の数%は私のせいだからな」
「数%!? え、100%じゃなくて?」
なんか刀を鳴らされたので押し黙る。
「だ、だから、詫びというのもなんだが……こっ、これをやる!」
「ふがっ」
勢いよく差し出された箱が俺の鼻を直撃して超痛え。
「あいたた……えーと、なんだ? ……む、これは、俺の勘違いでなければ」
「い、いいから黙って食え!」
「爆弾?」
「勘違いだった!?」
いいリアクションするなあ。
「嘘だよ。弁当か。でもいいのか? 俺が食っちゃって」
「構わん。私の分は既に平らげた。それは、貴様の分だ」
「俺の? え、わざわざ?」
「かっ、勘違いするなっ! わざわざ作ったのではない! ぐ、偶然いつもより早く目が覚めてしまい、暇だったからついでに作っただけだ!」
「ん~……ん。よし。分かった。ありがとう、みこと」
「だっ、だからわざわざ作ったのではないと言っているだろう!? 感謝するなっ、ばかっ!」
「ではでは、いただきまーす」
包みを解いて蓋を取る。閉める。
「おい。何をしている」
「……ええとね。なんかね。全体的に赤かったんですが」
「ん、ああ。今日の料理は少々赤かったな」
「湯気が立ってたんですよ。ほかほかって」
「下ろしたてだからな」
「もう嫌な予感しかしませんが、今日のおかずは何ですか?」
「牛刺しだ。新鮮だぞ?」
ほらね。やっぱりね。思ったとおりだね。
「もうたぶん絶対そうだと思うんですが、さっきの牛さんがここに?」
「そうに決まってるだろ。家の者には新鮮なものを、とだけ伝えたのだが……よもやそのまま来るとは」
「どうなってんだ、おまえん家」
「しかも、そのうえ家では仕留めきれず、学校まで運ばれてしまう始末。いや、私もまだまだ修行不足だな。もっと精進せねば」
気合を入れ直さなきゃいけないのは、みことではなく俺だろう。だって、食わなきゃいけないんだよ? さっきまでぶもーぶもー言ってたアレを。
「ほら、いいから早く食え。……そ、それとも、あれか? 貴様は私に食べさせてもらわないと食わん、と言うのか?」
「すげぇ道に迷い込んだ」
「よ、よし。私も女だ。やってやる!」
「どこで決心がついた!? いいです、やらないで!」
俺から弁当箱を奪い、みことは蓋を開けた。……すげぇ。弁当というくらいなんだからご飯があるんだろうけど、肉と血で全く見えねえ。
「ほ、ほら。あーんだ」
肉を一つつまむと、みことは俺に箸を向けた。肉から血がぼたぼたこぼれているのがお前には見えないのか。
「もしこの場面がアニメ化されたらカットされると思う」
「うん? よく分からんことを言う奴だな……。ほら、あーんだ」
女子のあーん力はかなりのものを誇っていることは知っている。だが、その対象物が血まみれの場合、その力はどうなるのだろう。
「むーん」
「あーんだ! むーんではない! どうして口を閉じる!」
ごめんなさい無理です。せめて血抜きしてほしかったです。
「どうして口を開けない。……ま、まさか、口移しをしてほしいのか!?」
いやもう本当勘弁してください。
「う、うう……どこまでえっちなのだ、貴様は。……よ、養護教諭がいないのも、貴様の手なのか?」
知りません。起きたらすでにいませんでした。偶然の二人きりなんです。
「……あ、あむ。んー」
咥えないで! 牛肉を咥えないで!
「んー。ん?」
“ほら?”って顔しないで! ……ええい、えええい、ええええい!
「あむぐあっ!」
「ひゃっ! ……も、もう。乱暴だぞ、ばか」
みことの口に触れないよう細心の注意を払いながら、ひったくる様に肉を奪う。もぐもぐもぐ。あーもう。想像通り血の味しかしねえ。
「もぐもぐごくんっ! ……はぁ。あのな、みこと」
「ど、どうだ? おいしかったか? もうひとつ食べるか?」
「あ、いや、あのな」
「あむっ。んー」
「いや、あの、だからさ」
「ん?」
「……がうっ!」
「んー♪」
ご褒美なのか罰なのか分からない状態に陥りながら、昼休み全部使ってひたすら生肉を食べました。
「ええい、落ち着け! 大人しくしろ!」
馬上ならぬ牛上のみことが必死にしがみ付きながらそんなことを叫んでいるので、何らかの事情でこうなったと把握。
とはいえ巻き込まれると大変そうだし面倒だから混乱に乗じてそーっと後ろのドアから逃げようとしたら、ばっつりみことと目が合った。
「貴様っ、私を置いて一人で逃げるつもりか! 見損なったぞ!」
「いやいや、何を言いますか。図書室まで行ってパソコンを立ち上げ、ブラウザで『牛 暴走 教室』と検索し、解決策を探ろうとしていたんだ」
「インターネットは万能ではないッ! そんなことより、早くどうにかしろ!」
「まあ落ち着け。よっこいしょっと」
安楽椅子ではないのが残念だが、近くに落ちてた椅子に腰掛け一服。どんな時でも冷静であれ、という自身のポリシーに則って行動する俺かっこいい。
「こっ、こら、何を落ち着いている!? ああっ、あああああっ!?」
自分に酔ってたら牛に突撃され、ぱひゅーんってすっ飛びながら気絶。
「……むーん。……む?」
目が覚めた。鼻につく薬品の匂い……保健室か?
「やっと起きたか。いつまで気絶してたら気が済むんだ。全く、男のくせにだらしない奴だ」
「お?」
声に視線を向けると、さっきまで牛の上にいた変な人が今度はベッドの横のパイプ椅子に座ってます。しかし、牛の姿はもうない。
「牛は? どうなったんだ?」
「どうにか処理した」
腰元にある刀を小さく揺らし、みことは何でもないように言った。
「超怖いですね。ていうか普通に持ってるが、学生が帯刀なんかしていいの?」
「ぐだぐだ抜かすな。下ろすぞ」
「卸さないで!」
「漢字が違うぞ! どこの酔狂な者が貴様なんぞを買い取ると言うのだ!」
なぜ分かる。
「ていうかだな、みことよ。あの牛はなんだったんだ? なんだって牛にまたがり登校なんてエキセントリックなマネを?」
「そっ、それはその、だな……」
俺の質問に、突然みことはもじもじしだした。
「そっ、そんなことより腹は空かんか? 貴様は気絶していたので知らんだろうが、もう昼だぞ?」
「む」
言われてみると確かに少し腹が減っているような。そして時計を見るに、昼休みも半ばを過ぎている。
「そうな。んじゃ、ちょっと購買行ってくる。とはいえ、この時間だと大したものは残ってないだろうけどな」
「そっ、そうか! それは災難だったな!」
「なんか知らんが超嬉しそうだな。しかし甘いぞ、みこと! 俺は既に牛に突撃されて昼まで気絶する、という災難を受けている! この程度の災難、物の数ではない!」
「何をいばっている……?」
それは俺にも分からない。
「そ、それより、購買には大したものがないのだろう?」
「ん、ああ。俺の経験上、この時間だとほぼ売り切れて不人気しか残ってないからな」
「そ、そうか。そ、その、なんだ。貴様がだらしなくも気絶してしまい昼食を摂り損ねてしまった理由の数%は私のせいだからな」
「数%!? え、100%じゃなくて?」
なんか刀を鳴らされたので押し黙る。
「だ、だから、詫びというのもなんだが……こっ、これをやる!」
「ふがっ」
勢いよく差し出された箱が俺の鼻を直撃して超痛え。
「あいたた……えーと、なんだ? ……む、これは、俺の勘違いでなければ」
「い、いいから黙って食え!」
「爆弾?」
「勘違いだった!?」
いいリアクションするなあ。
「嘘だよ。弁当か。でもいいのか? 俺が食っちゃって」
「構わん。私の分は既に平らげた。それは、貴様の分だ」
「俺の? え、わざわざ?」
「かっ、勘違いするなっ! わざわざ作ったのではない! ぐ、偶然いつもより早く目が覚めてしまい、暇だったからついでに作っただけだ!」
「ん~……ん。よし。分かった。ありがとう、みこと」
「だっ、だからわざわざ作ったのではないと言っているだろう!? 感謝するなっ、ばかっ!」
「ではでは、いただきまーす」
包みを解いて蓋を取る。閉める。
「おい。何をしている」
「……ええとね。なんかね。全体的に赤かったんですが」
「ん、ああ。今日の料理は少々赤かったな」
「湯気が立ってたんですよ。ほかほかって」
「下ろしたてだからな」
「もう嫌な予感しかしませんが、今日のおかずは何ですか?」
「牛刺しだ。新鮮だぞ?」
ほらね。やっぱりね。思ったとおりだね。
「もうたぶん絶対そうだと思うんですが、さっきの牛さんがここに?」
「そうに決まってるだろ。家の者には新鮮なものを、とだけ伝えたのだが……よもやそのまま来るとは」
「どうなってんだ、おまえん家」
「しかも、そのうえ家では仕留めきれず、学校まで運ばれてしまう始末。いや、私もまだまだ修行不足だな。もっと精進せねば」
気合を入れ直さなきゃいけないのは、みことではなく俺だろう。だって、食わなきゃいけないんだよ? さっきまでぶもーぶもー言ってたアレを。
「ほら、いいから早く食え。……そ、それとも、あれか? 貴様は私に食べさせてもらわないと食わん、と言うのか?」
「すげぇ道に迷い込んだ」
「よ、よし。私も女だ。やってやる!」
「どこで決心がついた!? いいです、やらないで!」
俺から弁当箱を奪い、みことは蓋を開けた。……すげぇ。弁当というくらいなんだからご飯があるんだろうけど、肉と血で全く見えねえ。
「ほ、ほら。あーんだ」
肉を一つつまむと、みことは俺に箸を向けた。肉から血がぼたぼたこぼれているのがお前には見えないのか。
「もしこの場面がアニメ化されたらカットされると思う」
「うん? よく分からんことを言う奴だな……。ほら、あーんだ」
女子のあーん力はかなりのものを誇っていることは知っている。だが、その対象物が血まみれの場合、その力はどうなるのだろう。
「むーん」
「あーんだ! むーんではない! どうして口を閉じる!」
ごめんなさい無理です。せめて血抜きしてほしかったです。
「どうして口を開けない。……ま、まさか、口移しをしてほしいのか!?」
いやもう本当勘弁してください。
「う、うう……どこまでえっちなのだ、貴様は。……よ、養護教諭がいないのも、貴様の手なのか?」
知りません。起きたらすでにいませんでした。偶然の二人きりなんです。
「……あ、あむ。んー」
咥えないで! 牛肉を咥えないで!
「んー。ん?」
“ほら?”って顔しないで! ……ええい、えええい、ええええい!
「あむぐあっ!」
「ひゃっ! ……も、もう。乱暴だぞ、ばか」
みことの口に触れないよう細心の注意を払いながら、ひったくる様に肉を奪う。もぐもぐもぐ。あーもう。想像通り血の味しかしねえ。
「もぐもぐごくんっ! ……はぁ。あのな、みこと」
「ど、どうだ? おいしかったか? もうひとつ食べるか?」
「あ、いや、あのな」
「あむっ。んー」
「いや、あの、だからさ」
「ん?」
「……がうっ!」
「んー♪」
ご褒美なのか罰なのか分からない状態に陥りながら、昼休み全部使ってひたすら生肉を食べました。
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ツンデレを無視し続けてみたらの
いろんなパターン見てみたーい
それ
ぱーりらっ
ぱりら
ぱーりらっ
((o>Д<*)oふぅふぅ!!