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2024年11月21日
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【布団代えを嫌がるまる】

2011年04月30日
 最近暖かいので布団を冬用から春用へと変更してると、がぶりという異音が。
「ていうか痛い痛い尻が痛い! これはもう超自然的現象により尻が爆発粉砕四散したとみてよろしいか!?」
「ふがふがー!」
 しかし実際はそのような現象は起こっておらず、うちのまる(元猫で現人。理由不明)が飼い主である俺の尻をがぶがぶ噛んでいるだけだった。
「噛むな。まる、噛むな」
「ふがふがー!」
 俺の叱責なんてちっとも聞かずに、いやそれどころかより一層噛む力を強める始末。このままでは俺の尻が本当に爆発粉砕四散しかねない。
「噛むのをやめないと今日の飯抜き」
「ぬが!? ご主人はすぐにあちしのご飯を人質にする! ずるい!」
「お、やめたな。偉いぞ」(なでなで)
「むぬー♪ ……む?」
 さっきまで怒っていたはずだが、なでられて一瞬にしてご機嫌になる我が家の猫は頭が悪い。ただ、それに疑問を抱く程度の頭脳はあるようだけど。
「で、なんで俺の尻を噛んだ」
「あ、そう! それ! それなのな! なんであちしの布団をどっかにしまっちゃう! ご主人はしまっちゃうおじさんなのな!?」
「そうなんだ」
「しまわれるのなー!?」
 まるはしっぽをパンパンに膨らませながら驚くと、押入れに突っ込んだ。尻を丸出しにしたままガタガタ震えている。
「ていうか何をそんな怯えてるか。そもそも嘘だし」
「ぬ……? 嘘なのな? ご主人はしまっちゃうおじさんじゃないのな?」
「当たり前じゃないか」
 まるの元まで行き、不安げなまるの頭をなでながら優しく微笑む。ネコミミがふにふにしてて気持ちいい。
「俺はまだおじさんって歳じゃないから、しまっちゃうお兄さんだな」
「やっぱりしまわれるのなー!」
 再び押入れに突っ込み、尻を丸出しにしてガタガタ震えるまる。とても面白いから一生見ていたいけど、一向に話が進まないからそろそろ本当のことを教えてやる。
「嘘、嘘だっての。本当はただの学生だ」
「……本当なのな? 嘘だったら針千本飲むのな?」
「分かった、俺も男だ。嘘だったらちゃんとまるに針千本飲ませる」
「あちしじゃなくてご主人が飲むのな! あちしが飲んだらノドがうべーってなっちゃうのなー!」
「はいはい、分かった分かった」
「分かったならいいのな。あとは、布団を元に戻せば言うことないのな」
「それは、断ります」
「なんでなのなー! やっぱご主人はしまっちゃうおじさん……じゃない、しまっちゃうお兄さんなのな!? 針を千本飲むのな!」
「ちげーよ。暖かくなってきたから、春用の布団にするだけだ。お前も最近寝る時に暑いーって布団をげしげし蹴って、朝に寒いーって震えながら俺にしがみついてるじゃねえか」
「……そだったかにゃ?」
「そだったの。つーわけで、ちょい薄地の布団にするので、今日からは布団を蹴る必要がなくなります」
「むぬー……」
 しかし、まるは不満げな表情。一体何が気に食わないというのだろうか。
「……暑くなくても寒くなくても、ご主人にひっついて怒らない?」
「…………」
 何を心配しているのかと思ったら、こいつは。
「当然だろ。いくらでもひっつけ。飼い猫の特権だ」
「……なんかおっきくなっちゃったけど、それでもその特権は使えるのな?」
「そういう契約になっております」
「……じゃ、いいのな。言うことないのな。くっついてやるのな! はっはー!」
 なんか偉そうなこと言いながら満面の笑みで飛びついてきたので、さらりとかわす。
「ふぎゃっ!?」
 後ろを見ると、うちの猫が壁と一体化せんばかりにぺたりとくっついていた。
「……うぐぐ。なんでかわすのな!?」
「不思議だね」
「許しがたいのなー! ふかーっ!」
 しっぽを膨らませて怒りながら人の腕をがぶがぶ噛むまるだった。痛い。

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今日もまるはかわいい
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