[PR]
2024年11月22日
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
【ツンデレの幸せな時間】
2010年08月03日
暑いのでお隣のちなみの家に侵入。
「……また来た。なんという迷惑、恐るべき厚顔無恥」
何かの本を読んでたちなみが、嫌そうな顔で俺を出迎えた。
「あちいのです。お部屋にクーラー欲しいのです。ガチで熱中症の心配をして対策法をググる俺なんです」
「……水風呂に入って、身体あんまり拭かなくて、扇風機の前で涼んで、そのまま外に出て逮捕されればいい?」
「途中までは素敵な提案だったのに、最後が獄中エンドなので却下します」
「……なんて贅沢な。……まあ、いい。好きなだけ涼んでいったらいい」
「いつもありがとうございます」
感謝の言葉を述べてから、ちなみのベッドにぽふりと座る。そよそよと部屋を循環する冷気が気持ちいい。
「あー、本当にここはいいな。涼しくて落ち着く」
「……勝手に落ち着かれては困る。ここは私の部屋で、タカシの部屋ではない」
「そうなんだけどさ。夏だけは許してくれ。暑くて自分の部屋での生活が困難なんだ」
「……そう言っておきながら、冬は寒いから暖めろと言って来るし、春は眠いからここで寝させろと言って来るし、秋は暇だから構えと言って用もないのに来るし」
「ちなみといると楽しいからしょうがないんだ」
「……これは困った。告白された」
「そんなつもりはないのに」
「……やれやれ、もててもてて困る」
「コイツ今日も俺の話を聞いてやがらねえ」
ちなみの頭をぺちぺち叩いてから、本棚を探る。今日は何にするか指差し確認しながら眺めてると、面白そうな本を発見した。
「折角だから俺は久々にこれを読むぜ!」
「……らんま1/2。名作。ぱちぱちぱち」
なんだか拍手をされたので意味もなくかっこいいポーズをしてみる。
「……おおぅ、今日もタカシは精神科医が見たら新しい病名を思いつきそうなかっこいいポーズをしている」
どうしても褒められている気がしない。
「まあいいや。んじゃ、読ませてもらうな」
「……ん」
適当に床に転がり、仰向けで漫画を読む。何度も読んだはずなのに、毎回面白い。
しばらくそのまま読んでると、腹にかすかな圧迫感。
「何をしている」
「……これはびっくり。枕が喋った」
「有機物です」
いつの間にかちなみが俺の腹に頭を乗せ、寝そべって漫画を読んでいた。
「……居場所を提供してやっているのだから、枕くらいにはなるべき」
「まあ、いいけど。あ、そこの枕取ろうか?」
「……いい」
ベッドの上の枕を指したが、あっさり断られた。
「……どーもあの枕とは相性がよくなくて。……この腹枕は私に絶妙にマッチする」
「褒められているのに嬉しくないpart2だぜ」
「……このだらしのないぷよぷよした腹が、私の頭を優しく包み込む」
「今日から毎日腹筋してやる」
「……なむなむ。……三日坊主の呪いをかけた。これでもし腹筋をしたら、深夜、タカシの部屋を三日坊主が覗きに来る。毎日」
「怖っ、怖あっ! 三日坊主の呪い怖あっ!」
「……それが嫌なら今後も怠惰な生活を続け、私にぷよぷよお腹を提供するがいい」
「なんて酷い奴だ。ていうか、そんな俺の腹ぷよぷよか?」
「……ぷよぷよ。……ぱよえーんってくらいぷよぷよ」
「例えを出されたら余計に分からなくなったよ」
「……まあ、ぷよぷよだけど、そんな過剰に太ってなので気にしなくていい。……今後も私の枕として精進したまえ」
「なんて役柄だ。ていうか、ぷよぷよ言ってるが、お前のほっぺも結構なぷよぷよ加減だぞ」
手を伸ばし、ちなみのほっぺを触る。相も変わらずぷよぷよしてて気持ちいい。
「……可憐な女性のほっぺを無造作に触るだなんて、今日もタカシは悪辣だ」
「なんて言われようだ。ていうか、可憐な女性は人を枕になんてしないと思うが」
「……貧乳はコンクリを枕にしろ、とタカシは言う」
「言ってねえ。……はぁ、まあいいか」
ちなみを腹に乗せたまま、漫画を読み続ける。時折なんとなくちなみの頭をぽふぽふ触る。
「……?」
視線だけで「何か用か」と聞いてきたので、こちらも「別に」と視線で返す。返しながらも、片手でちなみのほっぺをうにうにしているが。
「……やれやれ」
軽く嘆息して、ちなみは俺にほっぺをいじられたまま再び漫画を読み始めた。
「……ん~っ!」
10巻ほど読み、いい加減疲れたので今日はこれでお仕舞い。軽く伸びをしてると、ちなみがじーっとこちらを見てるのに気づいた。
「……終わり?」
「うぃ」
「……そう。……んじゃ、ちょっと」
ちなみは俺を立ち上がらせると、ベッドの上に誘導し、寝ろと指で示した。
「はぁ。まあ、いいけど」
言われたとおりにすると、ちなみも俺の隣に寝そべり、俺にべそっと抱きついた。
「ほほう」
「……眠くなった。隣に抱き枕的な何かが必要なのに、それに該当するのがタカシしかいないという悲しい現実が私を襲う」
「失礼な。紳士機能が付属しているので、寝ている時にちなみにいたづらしたりしないお買い得品なのだぞ?」
「……タカシに付属してるのは類似品の変態紳士機能なので、間違いなくいたづらされる」
「あー、まあ、頭なでたり背中さすったり抱っこしたりはするな」
「……ちゅーとかもされる予感」
「しません」
「…………」
なんで不満げに睨む。
「……この変態紳士は嘘までつく欠陥品だ。返品希望」
「しねえっての」
「……貧乳にキスすると青紫色に変色する、とタカシは言う」
「言ってねえ。ていうか、なんでデンプンのヨウ素液反応が俺に起こるのだ」
「……ぐぅぐぅ」
「コイツ今日も人の話聞いてやがらねえ」
狸寝入りするちなみの頭を数度なでる。
「……ん。もっとしてもいい。……優しい私が特別に許可してやる」
「これ以上なでると青紫色に変色するが、いいか?」
「ヨウ素液返しだ」
そんな言葉はありません、と思いながらちなみの頭をなでる。
「……ん」
コクコクうなずくちなみをなでながら、二人して寝るのだった。
「……また来た。なんという迷惑、恐るべき厚顔無恥」
何かの本を読んでたちなみが、嫌そうな顔で俺を出迎えた。
「あちいのです。お部屋にクーラー欲しいのです。ガチで熱中症の心配をして対策法をググる俺なんです」
「……水風呂に入って、身体あんまり拭かなくて、扇風機の前で涼んで、そのまま外に出て逮捕されればいい?」
「途中までは素敵な提案だったのに、最後が獄中エンドなので却下します」
「……なんて贅沢な。……まあ、いい。好きなだけ涼んでいったらいい」
「いつもありがとうございます」
感謝の言葉を述べてから、ちなみのベッドにぽふりと座る。そよそよと部屋を循環する冷気が気持ちいい。
「あー、本当にここはいいな。涼しくて落ち着く」
「……勝手に落ち着かれては困る。ここは私の部屋で、タカシの部屋ではない」
「そうなんだけどさ。夏だけは許してくれ。暑くて自分の部屋での生活が困難なんだ」
「……そう言っておきながら、冬は寒いから暖めろと言って来るし、春は眠いからここで寝させろと言って来るし、秋は暇だから構えと言って用もないのに来るし」
「ちなみといると楽しいからしょうがないんだ」
「……これは困った。告白された」
「そんなつもりはないのに」
「……やれやれ、もててもてて困る」
「コイツ今日も俺の話を聞いてやがらねえ」
ちなみの頭をぺちぺち叩いてから、本棚を探る。今日は何にするか指差し確認しながら眺めてると、面白そうな本を発見した。
「折角だから俺は久々にこれを読むぜ!」
「……らんま1/2。名作。ぱちぱちぱち」
なんだか拍手をされたので意味もなくかっこいいポーズをしてみる。
「……おおぅ、今日もタカシは精神科医が見たら新しい病名を思いつきそうなかっこいいポーズをしている」
どうしても褒められている気がしない。
「まあいいや。んじゃ、読ませてもらうな」
「……ん」
適当に床に転がり、仰向けで漫画を読む。何度も読んだはずなのに、毎回面白い。
しばらくそのまま読んでると、腹にかすかな圧迫感。
「何をしている」
「……これはびっくり。枕が喋った」
「有機物です」
いつの間にかちなみが俺の腹に頭を乗せ、寝そべって漫画を読んでいた。
「……居場所を提供してやっているのだから、枕くらいにはなるべき」
「まあ、いいけど。あ、そこの枕取ろうか?」
「……いい」
ベッドの上の枕を指したが、あっさり断られた。
「……どーもあの枕とは相性がよくなくて。……この腹枕は私に絶妙にマッチする」
「褒められているのに嬉しくないpart2だぜ」
「……このだらしのないぷよぷよした腹が、私の頭を優しく包み込む」
「今日から毎日腹筋してやる」
「……なむなむ。……三日坊主の呪いをかけた。これでもし腹筋をしたら、深夜、タカシの部屋を三日坊主が覗きに来る。毎日」
「怖っ、怖あっ! 三日坊主の呪い怖あっ!」
「……それが嫌なら今後も怠惰な生活を続け、私にぷよぷよお腹を提供するがいい」
「なんて酷い奴だ。ていうか、そんな俺の腹ぷよぷよか?」
「……ぷよぷよ。……ぱよえーんってくらいぷよぷよ」
「例えを出されたら余計に分からなくなったよ」
「……まあ、ぷよぷよだけど、そんな過剰に太ってなので気にしなくていい。……今後も私の枕として精進したまえ」
「なんて役柄だ。ていうか、ぷよぷよ言ってるが、お前のほっぺも結構なぷよぷよ加減だぞ」
手を伸ばし、ちなみのほっぺを触る。相も変わらずぷよぷよしてて気持ちいい。
「……可憐な女性のほっぺを無造作に触るだなんて、今日もタカシは悪辣だ」
「なんて言われようだ。ていうか、可憐な女性は人を枕になんてしないと思うが」
「……貧乳はコンクリを枕にしろ、とタカシは言う」
「言ってねえ。……はぁ、まあいいか」
ちなみを腹に乗せたまま、漫画を読み続ける。時折なんとなくちなみの頭をぽふぽふ触る。
「……?」
視線だけで「何か用か」と聞いてきたので、こちらも「別に」と視線で返す。返しながらも、片手でちなみのほっぺをうにうにしているが。
「……やれやれ」
軽く嘆息して、ちなみは俺にほっぺをいじられたまま再び漫画を読み始めた。
「……ん~っ!」
10巻ほど読み、いい加減疲れたので今日はこれでお仕舞い。軽く伸びをしてると、ちなみがじーっとこちらを見てるのに気づいた。
「……終わり?」
「うぃ」
「……そう。……んじゃ、ちょっと」
ちなみは俺を立ち上がらせると、ベッドの上に誘導し、寝ろと指で示した。
「はぁ。まあ、いいけど」
言われたとおりにすると、ちなみも俺の隣に寝そべり、俺にべそっと抱きついた。
「ほほう」
「……眠くなった。隣に抱き枕的な何かが必要なのに、それに該当するのがタカシしかいないという悲しい現実が私を襲う」
「失礼な。紳士機能が付属しているので、寝ている時にちなみにいたづらしたりしないお買い得品なのだぞ?」
「……タカシに付属してるのは類似品の変態紳士機能なので、間違いなくいたづらされる」
「あー、まあ、頭なでたり背中さすったり抱っこしたりはするな」
「……ちゅーとかもされる予感」
「しません」
「…………」
なんで不満げに睨む。
「……この変態紳士は嘘までつく欠陥品だ。返品希望」
「しねえっての」
「……貧乳にキスすると青紫色に変色する、とタカシは言う」
「言ってねえ。ていうか、なんでデンプンのヨウ素液反応が俺に起こるのだ」
「……ぐぅぐぅ」
「コイツ今日も人の話聞いてやがらねえ」
狸寝入りするちなみの頭を数度なでる。
「……ん。もっとしてもいい。……優しい私が特別に許可してやる」
「これ以上なでると青紫色に変色するが、いいか?」
「ヨウ素液返しだ」
そんな言葉はありません、と思いながらちなみの頭をなでる。
「……ん」
コクコクうなずくちなみをなでながら、二人して寝るのだった。
PR
明日を生きる糧をありがとうGJ
これからも頑張ってください