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2024年11月22日
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【ツンデレが最近筋トレしてると言うので、どのくらい筋肉が付いたか触って確かめてみたら】

2010年01月21日
 放課後、教室でちなみとだらだらだべっていると、ふと話題が筋トレになった。
「……私の見立てだと、タカシのお腹は筋肉のきの字もなく、贅肉でぷよぷよだと見た。……ぱよえーん」
「ぱよえーんは言わなくていいです。しかし、俺はこう見えて結構締まっているぞ?」
「……見せれ」
「いやん」
 乙女を装ったのに無理やり服をはだけられた。
「……やっぱりぷよぷよ。……ぱよえーん」
 ちなみは俺に馬乗りになり、人の腹をぷよぷよつついていた。
「人の腹をつつくな」
「…………」
「無言で腹をこねるな!」
「……くそう、タカシの腹のくせに私を魅了するとは生意気だ」
「そんなつもりは毛頭ありません。ところでちなみ、お前はどうなんだ?」
「?」
 俺から退いて元の席に戻ったちなみが、不思議そうに首を傾げていた。
「だから、贅肉だよ。胸に一切ないのは知っているが、腹とかどうだ? いっつもリスみてーに菓子をカリカリ食ってるじゃん。結構あるんじゃないか?」
「……ふむ。そう言うことにより私に服をはだけさせ、おっと手が滑ったとか言って私の胸を揉む寸法か」
「どうしても俺を性犯罪者にしたいようですね。あと、揉むほどないように思えますが」
「…………」
「無言で人の頬をつねるな」
「……うるさい、馬鹿。……タカシは貧乳好きのくせに、すぐ人の胸を馬鹿にする」
「貴様、俺の秘密どこで知った!?」
「……いっつもタカシが自分で言ってるくせに、何を言っているのか。……虎視眈々と私の胸を狙っているのも、私にはまるっとお見通しだ」
「いや、それは別に」
「…………」
「だから、無言で人の頬をつねるな」
「……うるさい、馬鹿」
 ちなみはちょこっと怒ったように口を尖らせた。
「……閑話休題、私は最近筋肉トレーニングをしてるので、ムキムキだ。……見たい?」
「胸を? まあどうしてもと言うなら見てやらんこともない」
「……そしてそのまま押し倒すと見た。……さよなら、膜」
「だからッ! ええい、女の子が膜とか言うなッ!」
「……ふふり」
 俺にほっぺをつねられても全く堪えていない模様。チクショウ。
「……じゃなくて、お腹。……ちょー引き締まってる予感」
「びっくり人間とかで見る全身これ筋肉って感じのボディービルの女性くらい?」
「……あそこまでだと、正直引くので我慢している」
 したいのか。
「……まあ、とにかく。お願いしますちなみ様ーって言って土下座して、タカシの後の人生全て私に尽くすのであれば、見せてやらないこともない」
「とんでもない譲歩だな」
「……頑張った。……偉い? ……なでなでする?」
「あー偉い偉い」
 ちなみのほっぺをぐにーっと引っ張ってやる。
「……おかしい。……これはなでなでじゃない気がする」
「気のせいだろ」
「……私は賢いので、タカシ如きの奸計には騙されない」
 ちなみも負けじと俺の頬を引っ張ってきた。お互いがお互いの頬を引っ張り合うこの勝負、目が離せないゼ……!
「……で。見る?」
「人が名勝負を繰り広げていると言うのに、この淡白な娘さんは……まあいいや」
 いい加減頬が痛いので手を離すと、ちなみも俺から手を離した。やれやれ。
「ええと、見たいけど後の人生全てを賭けてまでは見たくありません」
「……じゃ、そゆのはいい。見たければ見ればいい」
 そう言って、ちなみは服を捲り上げお腹を晒した。別に筋肉で引き締まっていることはなかったが、三段腹助けてぇ! という腹でもない。ごく普通の女性らしいお腹だった。
「じぇんじぇん引き締まってないですが」
「……さっきのタカシの頬引っ張りで筋肉がずたずたになり、こうなってしまった。……一生恨む」
「なんでお前のほっぺを引っ張ったら腹の筋肉がずたずたになるんだ」
「……医者じゃないから知らない」
 めちゃくちゃ言う奴の鼻をつまむ。
「……むー」
「むーじゃねえ。ていうかだな、年頃の娘さんが人前で肌を晒すなんて、あまり感心できないぞ?」
「……私だって、いちおーは相手を見てやってる」
「む」
 そ、そりはつまり、俺が相手だから構わないと……? つまりは、そういうことなのか?
「……タカシが相手だと、後で賠償金がっぽり貰っても心が痛まない」
「そういうオチかチクショウ! がむでぶ!」
「がむでぶ?」
「はぁ……まあいいや。でも、筋肉はないが贅肉もない、よい腹ですね」
 ちなみの腹をつつく。ふにふにサラサラで気持ちいい。ずっと触っていたい、そんな気持ちにさせる。
「……陵辱された」
「イチイチ人聞きが悪いッ! ちょっとつついただけだッ!」
「……このまま押し倒す?」
「さないッ! まったく……お前、俺をどんな極悪人だと思ってんだ?」
「ふふり。……で?」
「うん?」
「……どう、私のお腹」
「どう、と言われても……」
 ふにふにとちなみのお腹をつつく。他の女性の腹を見たことがないので断言はできないが、目に余るほど醜くも一目で心を奪われるほど美しくもないように思える。
 ただ、触り心地は個人的には大変好みだ。春夏秋冬ずーっと触っていたい。
「……うー。……タカシはずーっと私のお腹を触っている。……気に入られた模様」
「え、いや、……まあ気に入ったかどうかで言えば気に入った、かな?」
 へそに指を出し入れしながらちなみに答える。
「……なら、よし。……じゃ、へそ出し入れ料100万円」
 ちなみは服を戻しながらとんでもないことを言った。
「新種の美人局だとぉ!?」
「……とはいえ、タカシは学生なのでそんなお金はないのは知っている。……なので、私に優しくしたり、嬉しくしたりすることをすれば、ちょっとずつ減らしてあげる」
「ほう。具体的に何をすれば?」
「なでなで」
「…………」
 即答と来ましたよ。
「……早速、する? 一なでなでで、一円まいなす」
「超しないと借金減りませんね」
「……その通り。……やれやれ、タカシのためになでなでさせてあげるなんて、私は優しすぎる」
「無理やり俺に借金を作らせたのは誰だ」
「……ちなみ、何にも分かんない」
 あどけない表情でちなみは小首を傾げた。
「うぐ……ッ」
 あまりの衝撃に頭がくらくらする。チクショウ、コイツ自分の武器って奴を知ってやがる!
「……タカシは簡単で困る」
「ぐぅ……ええいっ! 分かった、分かりました! 嫌と言うほどなでてやる!」
「わ、わ」
 ちなみを後ろから抱っこして、頭をなでなでする。
「いかがですか、お嬢様」
「……なでられている」
「いや、それは知っている。じゃなくて、強すぎるとか、弱すぎるとか」
「……特には。……このまま続けろ」
 そう言って、ちなみは俺に背中を預けて目をつむった。
「……私が満足するまでなでること」
「わーったよ。いちにぃさんしぃ」
「……数えるの禁止」
「ええっ!? じゃあ何回したのか分からなくなるじゃねえか!」
「……私の気分で借金を増減するので、回数は別にいい」
「増!?」
「……手が止まってる。……借金1万円ぷらす」
「なんという恐怖政治か! これじゃいつまで経っても終わらねぇ!」
「……タカシ、ふぁいと」
 借金地獄に落ちてしまったが、ちなみは気持ちよさそうだし、実は俺も満更でもないし、別にいいかな、と思った。

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