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2024年11月21日
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【ちなみは俺の嫁】

2012年05月10日
「……おい。起きろ。……起きろ」
「ん、うあ……ん、ん?」
 ぺちぺちと頬を叩かれ、目を開ける。視界に映るはちなみのどアップ。
「うわあっ!?」
 ものすっごい覗き込まれてた。超びっくりした。
「……人の顔を見て驚くとは許しがたい」
「あ、はい、ごめんなさい。ていうかなんでいるの?」
「……嫁だから」
「あ、あー」
 そうだった。結婚したんだった。超寝ぼけてた。それにしても、学生だってのに結婚するとは……我ながらすごいな!
「…………」
 寝ぼけた頭を起動させていると、何やら目の前のちっこい娘さんの顔が不機嫌そうなものへシフトしていた。
「どした、ちなみ?」
「……おはようのちゅーがない。……早くも倦怠期?」
「…………」
「……え、本当に? ……よもや、これほど早く裸ランドセルの出番が訪れようとは」
「ちげー! それの出番は今後な……あ、いや、ないとは言い切れないけど」
「……流石はタカシ、嫁への強制コスプレの最初が裸ランドセルとは。変態レベルがとても高い」
「おまいは結婚しても相変わらず毒舌なのな。ちょっとは甘々な感じになると思ったのだけれども」
「……つまりは、こんな感じ?」(猫耳を素早く装着)
「いみがわかりません」
「ふにゃふにゃ」
「いみがわかった! かわいい!」
「……ネコミミをつけることにより、甘えんぼうな子猫へと変貌を遂げる私の特殊能力に心胆寒からしめられるといい」
「可愛いなあ俺の嫁は可愛いなあ」(なでなで)
「おおおおお。おお。おおお。おおー」
「まあそれはそれとして学校に行かないとね」
「……あれだけ人の頭をなでておいて放置とは。……新手の焦らしプレイ?」
「焦れているのか」
「……実を言うと、焦れていない。ただ、未だちゅーがないのが納得いっていない」
「なるほど。んじゃ、おいで」
 来い来いとやったら、素直に近寄ってきたので、ちゅー。そのまま頭もなでなで。
「……ちゅ、ん。……うーん、弱った」
「何が」
「……ハミガキがまだなので臭い」
「その辺りは愛の力でどうにかしてください」
「無理。……早く歯を磨く」
「俺の嫁はシビアだなあ」
 洗面所へ向かい、シャコシャコ歯を磨く。ちなみとお揃いの歯ブラシで、バカップルっぽくて気に入っている。
「ぐしゅぐしゅぐしゅ……ぺっ。ふぅ、スッキリした」
「……本当にしっかり磨けているか、実験」
「お?」
 ぐいーっと髪を引っ張られ、乱雑にキスされた。
「ちゅ、んちゅ……ちゅ。……ふむ、ミント味」
「歯の裏まで舐めないでください」
「……うーむ、朝から二度もちゅーをしたせいで、興奮してきた。……これも調教された身体故の悩みか」
「まだ調教してませんよ?」
「……結婚する前もしてからもいっぱいちゅーしておいて、調教などしたことねえとタカシはのたまう。貧乳は勝手に自分を慰めてろ、とタカシは言う」
「本当におまいは結婚しようがしまいが変わらないな」
「……そんなことはない。肩書きが可愛い学生から、可愛いお嫁さんになった。初めまして、新妻です」
「これはご丁寧に、……いかん、新妻に値する男性の呼称が分からない」
「やーいばーかばーか。おたーんちーん」
「ご注意ください。小学生の罵声にしか聞こえませんが、俺の嫁の発言です」
「……自慢の嫁。……照れ照れ」
「褒めてねえ。そんなことより、お腹が空きました」
「あ、ご飯はできてる。作った。……偉い?」
「ああ偉い偉い。いつもありがとうな」(なでなで)
「……これは、子作りフラグが立った?」
「立ってねえ! 卒業するまでは自重してるの!」
「……その割にはガンガンしてるよね?」
「ご、ゴム使ってるからいいの。妊娠しない分には大丈夫なの」
「……中出しが大好きなタカシにとって、それはまさに拷問と呼んで差し支えない行動だった。彼が廃人になるのも時間の問題だと言えよう」
「人の性癖を捏造するな」
「……おかしい。……タカシのパソコンには、嫌がってるちっちゃい女の子に注ぎ込んでる画像が大量にあったのに」
「セキュリティクリアランスUVを破っただと!?」
「ZAPZAPZAP。……はっ、まさか、嫌がっているのかポイントか? ……おなかくるしいからもう出さないでぇ?」(棒読み)
「そろそろ泣きますよ」
「……そういうプレイが好きだと思ったのに」
「フィクションだからいいんですよ。本当に泣かれたら萎えちゃいますよ。あと、棒読みに過ぎる」
「……まあ、そんなのはどうでもいい。早く飯を食え。湯気が消える」
「了解。今日のご飯は何ですか?」
 ダイニングへ向かう途中、ネコミミの揺れる頭に問いかける。
「……白飯、味噌汁、目玉焼き。さらに海苔まで追加という豪華仕様」
「おお。THE・朝食って感じだな!」
「……じゃあ、今から裸エプロンの準備をするので、その間ご飯食べてて」
「結構です」
「……全裸? 春とはいえ流石に寒いけど、旦那の頼みだ。頑張ろう」
「違う。違うっての! 脱ぐな!」
「はぷしゅ。……寒い」
「ええい、鼻を垂らすな! 全く、ネタのためにそこまで頑張る必要ねーだろ」
「ふがふが」
 袖でちなみの鼻を拭ってやる。
「むぅ。せっかく肌を露わにしてやったのに、ちっとも興奮してない。……飽きた?」
「飽きてねぇ。ずっと好きだよ」
「う。……た、タカシはずるいよね、そういうことを照れもせずに言うから」
「ただの事実だ」
「……む、むぅ。……わ、私も、そ、その。……好き、だったり?」
 ちょこちょこっとこちらに寄ってきて、ちなみは頬を染めながらぼそぼそっとつぶやいた。それはいい。大変に可愛いし。ただ。
「いい加減服を着ろ。目に毒だ」
「……道理で寒いと思った」
「俺の嫁は少し頭が悪いかもしれないね」
「……失礼な。ふが」
 またしても鼻を垂らす嫁の顔を拭う羽目になりました。でも可愛いからいいや!

拍手[31回]

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Comment
No title
かなみ、待ってます!お願いしますm(._.)m
No title
お嬢 嫁 頼む
無題
どこのアルファコンプレックスだよww
でもこんな新妻がいたら幸福が義務でも仕方ないね
無題
全裸の上に猫耳つけたままかよwww

……ふぅ
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