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2024年11月23日
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【こたつちなみん】
2010年04月22日
寒いのでコタツに入ると、捕獲された。
「最近のコタツは捕獲機能がついてるのか。安物買って失敗したな」
「……違います。コタツ風ちなみです。……コタツに入って体も心もあったか、です」
コタツだと思っていたのはちなみだった。それはいいけど、足をがっちり捕獲されてるので出れません。
「ちなみさん、出れないのですが」
「……そういう仕様です」
仕様ときたか。それなら仕方ないと納得する他ない。
「……タカシは、冷え性なので暖める必要があります」
「いえ、別に冷え性ではないです」
NOという感じの手を出して断ったら、ちなみは恨みがましく俺を睨んだ。
「……NOという感じの手を出してもダメです。冷え性なのです。このコタツに入ると、誰しも冷え性になります。……そういう仕様です」
とんでもない仕様のコタツだった。欠陥品といえよう。
「……なので、暖めてあげます」
そう言って、ちなみは俺をコタツに引きずり込み、ぎゅっと抱きついてきた。
「ち、ちなみさん?」
「……暖かいですか?」
暖かいけど、なんか、その、俺も男なのでちなみの体の温かさやら柔らかさがダイレクトに伝わってきてええと!
「色々人には言えない箇所まであったかホカホカ!」
「……なによりです。コタツ冥利に尽きると言うものです」
ちなみはそう言って機嫌良さそうに俺の頬をすりすりした。
「いやその、コタツってすりすりする?」
「……無論です。コタツと言えば、ほっぺをすりすりするものです。……世界の常識です」
そんなコタツは今まで生きてきて見たことないですが、ほっぺ気持ちいいしまぁいいや!
「……コタツにすりすりされたら、すりすりし返さないとダメです」
「え、いや、でも」
「…………」
むーっという目つきで睨まれたので、すりすりし返す。
「あ……すりすりされました。タカシはコタツに欲情する変態さんです」
「コタツが俺に欲情してるんだ」
「……違います。タカシがコタツに欲情してるんです。ねこさんもそう言ってます」
近くを通りがかった俺の飼い猫を捕まえ、ちなみはネコを使って腹話術をした。
「……タカシが欲情してるにゃー。間違いないにゃー。……ほら、ねこさんも言ってます」
「いや、めっちゃちなみの口動いてるし。ネコ嫌がってるし」
ちなみがネコを放すと、敵わんとばかりにネコは別の部屋に逃げていった。
「……むー」
「もーいいからテレビでも見ようぜ。つまらん番組見て茶を濁そう」
コタツから抜け出そうとしたら、がっしと腰を抱きしめられた。
「……つまらないテレビを見るより、コタツで寝るほうが気持ちいいです」
「こっ、コタツで寝るって、おまえ」
「え……あ」
自分の言った言葉の意味を今更理解したのか、ちなみの顔がみるみる赤くなっていった。
「そ、そういう意味じゃなくて、あ、あの、たんに一緒に寝たいだけで、その……」
「あ、いや、うん。分かってるから、うん」
変な空気を払いのけるべく、俺はわはははと乾いた笑い声をあげた。
「……で、でも、どうしてもと言うなら、その、そっちの意味でも……」
「さーちなみ極々普通に一緒に寝ような。たまにはコタツで寝るのもいいもんだ」
危うい言葉を言われる前にコタツに潜り込み、ちなみをぎゅっと抱きしめる。
「あぅっ……タカシはずるいです」
「ぐーぐー」
もう面倒なので寝たフリしちまえ。
「……もう寝てます。……つんつん、本当に寝てます、よね?」
しばらくして、ほっぺに柔らかな感触。
「……え、えへへっ、私も寝ます。おやすみ、タカシ」
柔らかな感触を体に感じたまま、俺は本当に眠りに就いた。
で、起きたら母さんが仁王立ちしてて。俺の隣にゃ嬉しそうに俺に抱きついてるちなみがいて。
「え、えっと、その、少し遅いクリスマスプレゼントってサンタが! 白髭の野郎が俺を陥れようと!」
母さんはにっこり笑って、俺の顔を踏んだ。
「最近のコタツは捕獲機能がついてるのか。安物買って失敗したな」
「……違います。コタツ風ちなみです。……コタツに入って体も心もあったか、です」
コタツだと思っていたのはちなみだった。それはいいけど、足をがっちり捕獲されてるので出れません。
「ちなみさん、出れないのですが」
「……そういう仕様です」
仕様ときたか。それなら仕方ないと納得する他ない。
「……タカシは、冷え性なので暖める必要があります」
「いえ、別に冷え性ではないです」
NOという感じの手を出して断ったら、ちなみは恨みがましく俺を睨んだ。
「……NOという感じの手を出してもダメです。冷え性なのです。このコタツに入ると、誰しも冷え性になります。……そういう仕様です」
とんでもない仕様のコタツだった。欠陥品といえよう。
「……なので、暖めてあげます」
そう言って、ちなみは俺をコタツに引きずり込み、ぎゅっと抱きついてきた。
「ち、ちなみさん?」
「……暖かいですか?」
暖かいけど、なんか、その、俺も男なのでちなみの体の温かさやら柔らかさがダイレクトに伝わってきてええと!
「色々人には言えない箇所まであったかホカホカ!」
「……なによりです。コタツ冥利に尽きると言うものです」
ちなみはそう言って機嫌良さそうに俺の頬をすりすりした。
「いやその、コタツってすりすりする?」
「……無論です。コタツと言えば、ほっぺをすりすりするものです。……世界の常識です」
そんなコタツは今まで生きてきて見たことないですが、ほっぺ気持ちいいしまぁいいや!
「……コタツにすりすりされたら、すりすりし返さないとダメです」
「え、いや、でも」
「…………」
むーっという目つきで睨まれたので、すりすりし返す。
「あ……すりすりされました。タカシはコタツに欲情する変態さんです」
「コタツが俺に欲情してるんだ」
「……違います。タカシがコタツに欲情してるんです。ねこさんもそう言ってます」
近くを通りがかった俺の飼い猫を捕まえ、ちなみはネコを使って腹話術をした。
「……タカシが欲情してるにゃー。間違いないにゃー。……ほら、ねこさんも言ってます」
「いや、めっちゃちなみの口動いてるし。ネコ嫌がってるし」
ちなみがネコを放すと、敵わんとばかりにネコは別の部屋に逃げていった。
「……むー」
「もーいいからテレビでも見ようぜ。つまらん番組見て茶を濁そう」
コタツから抜け出そうとしたら、がっしと腰を抱きしめられた。
「……つまらないテレビを見るより、コタツで寝るほうが気持ちいいです」
「こっ、コタツで寝るって、おまえ」
「え……あ」
自分の言った言葉の意味を今更理解したのか、ちなみの顔がみるみる赤くなっていった。
「そ、そういう意味じゃなくて、あ、あの、たんに一緒に寝たいだけで、その……」
「あ、いや、うん。分かってるから、うん」
変な空気を払いのけるべく、俺はわはははと乾いた笑い声をあげた。
「……で、でも、どうしてもと言うなら、その、そっちの意味でも……」
「さーちなみ極々普通に一緒に寝ような。たまにはコタツで寝るのもいいもんだ」
危うい言葉を言われる前にコタツに潜り込み、ちなみをぎゅっと抱きしめる。
「あぅっ……タカシはずるいです」
「ぐーぐー」
もう面倒なので寝たフリしちまえ。
「……もう寝てます。……つんつん、本当に寝てます、よね?」
しばらくして、ほっぺに柔らかな感触。
「……え、えへへっ、私も寝ます。おやすみ、タカシ」
柔らかな感触を体に感じたまま、俺は本当に眠りに就いた。
で、起きたら母さんが仁王立ちしてて。俺の隣にゃ嬉しそうに俺に抱きついてるちなみがいて。
「え、えっと、その、少し遅いクリスマスプレゼントってサンタが! 白髭の野郎が俺を陥れようと!」
母さんはにっこり笑って、俺の顔を踏んだ。
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