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2024年11月22日
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【おたまじゃくしちなみん】
2010年05月15日
「今日ずっと考えてたんだけど、おたまじゃくしから蛙に変化するのってすごいよな。生命の神秘を感じずにはいられない。だから鉄板で焼くのはやめようよ」
「……なるほど」
級友たちに熱弁をふるっていると、いつの間にか側にちなみがいた。そしてそのまま音もなく教室から出て行った。
そして案の定と言うかなんと言うか、今日も今日とてちなみは我が家にいます。おたまじゃくしで。
「……おたまじゃくしです。おた、おた」
「お、俺はオタクじゃない! エッチな本やゲームや漫画やアニメはわんさと持ってるけど違う! 自信ないけど!」
「……そんなこと、言ってません。やっぱりタカシは馬鹿です」
「むっ。で、何用でしょう? ちなみにドアはそちらです」
ほっぺたを引っ張られた。
「……まだ来たばかりです。……おたまじゃくしは、蛙に変態します」
ちなみの口上が始まった。ああ、嫌な予感がするなぁ。
「……普通のオタマジャクシが蛙に変態するには、栄養が必要です。……ちなみオタマジャクシが変態するには、心の栄養が必要です」
「こ、心の栄養って?」
話を合わせながら、脱出の算段を練る。ドアはちなみに塞がれているため使えない。あとは窓だけだが、ここ二階だしなぁ……。
「……いっぱい、優しくされたら変態できそうです」
「俺が変態だからそれで我慢しない?」
「しません」
きっぱり言われた。ていうか俺は変態だと認識されているのか。少し悲しい。
「……それとも、私に優しくするのは、……嫌、ですか?」
母さんに見つかったりして大変な目に遭うのが嫌なんです。……とは、悲しげにまつ毛を震わすちなみには言えない。例えそれがフリだとしても、誰かを悲しませるのは好きじゃない。
「……あー、なんだ、嫌じゃない。わーった、ほら、おいで」
「……♪」
あぐらをかき、覚悟を決めてちなみを呼ぶと嬉しそうに飛び込んできた。ぎゅっと抱きしめる。
「……ぎゅってしてもらうの、久しぶりです。……気持ちいい、です」
「つまり心の栄養はもう溜まったということだな?」
手を離そうとしたら、逆にちなみに抱きつかれた。
「……まだまだ、です。あと5時間はかかりそうです」
「5秒にしない?」
「……せめて、10分ぐらいは」
なんとか現実的な数字になったので、あとはちなみに抱きつかれるがまま、すりすりされるがまま、たまに頭をなでたり。そうして10分ほど経ったころ、ちなみは顔を上げた。
「……ちーん。心の栄養が満タンになりました」
「やったぁ」
「……全然気持ちがこもってません。……まぁいいです、それじゃ変態します」
そう言って、ちなみはオタマジャクシの衣装を脱ぎ捨て、蛙に……
「蛙じゃねえええええ!?」
下着姿になっていました。
「……タカシはうるさいです。大げさです」
「え、いや、あの、俺、男ですよ? なのに下着って……しかも、そんなする必要のないブラまで……」
「……ブラは必要です。……ブラがなかったら大惨事です」
「絆創膏でいいじゃん」
「……胸が小さいものは人にあらず、と言いたいのですね」
「言ってません。むしろ胸は小さい方が好きです。つるぺた万歳」
「……なら、問題ありません」
じりじり迫ってくるちなみに、俺の心臓は破裂寸前。ど、どうすれば……!
「……なんでいきなり座禅を組むんですか?」
しまった、混乱のあまりつい。しかし座禅の力でよい考えが浮かんだ。
「ちなみ、こういうことはムードが大事だと思うぞ」
「……タカシ相手にそんなもの求めるほど馬鹿じゃないです」
「んーあーえーっと、そ、そうだ! 俺はパイパンじゃないと興奮しない変態なんだうへへぇ」
「……あの、その、実は、……まだ、生えてないんです」
「なにぃッッッッッ!!!!!」
恥ずかしげに身をくねらせるちなみに、俺はかつてないほど興奮していた。
まずい、まずいぞ。断る理由が見つからん!
「……こんな子供みたいな体ですけど、……タカシに喜んでもらえるなら、私は……嬉しいです」
そう言ってにっこり笑うちなみに、俺の理性は陥落寸前。あ、陥落した。
「……ちなみぃぃぃぃ!!!」
「タカシー、暇だから遊びに来た……」
かなみさん。その笑みは何ですか。そしてポケットから取り出したやたら凶悪そうな物は何ですか。はぁ、カイザーナックルというのですか。それで殴られると死にますよ?
「……なるほど」
級友たちに熱弁をふるっていると、いつの間にか側にちなみがいた。そしてそのまま音もなく教室から出て行った。
そして案の定と言うかなんと言うか、今日も今日とてちなみは我が家にいます。おたまじゃくしで。
「……おたまじゃくしです。おた、おた」
「お、俺はオタクじゃない! エッチな本やゲームや漫画やアニメはわんさと持ってるけど違う! 自信ないけど!」
「……そんなこと、言ってません。やっぱりタカシは馬鹿です」
「むっ。で、何用でしょう? ちなみにドアはそちらです」
ほっぺたを引っ張られた。
「……まだ来たばかりです。……おたまじゃくしは、蛙に変態します」
ちなみの口上が始まった。ああ、嫌な予感がするなぁ。
「……普通のオタマジャクシが蛙に変態するには、栄養が必要です。……ちなみオタマジャクシが変態するには、心の栄養が必要です」
「こ、心の栄養って?」
話を合わせながら、脱出の算段を練る。ドアはちなみに塞がれているため使えない。あとは窓だけだが、ここ二階だしなぁ……。
「……いっぱい、優しくされたら変態できそうです」
「俺が変態だからそれで我慢しない?」
「しません」
きっぱり言われた。ていうか俺は変態だと認識されているのか。少し悲しい。
「……それとも、私に優しくするのは、……嫌、ですか?」
母さんに見つかったりして大変な目に遭うのが嫌なんです。……とは、悲しげにまつ毛を震わすちなみには言えない。例えそれがフリだとしても、誰かを悲しませるのは好きじゃない。
「……あー、なんだ、嫌じゃない。わーった、ほら、おいで」
「……♪」
あぐらをかき、覚悟を決めてちなみを呼ぶと嬉しそうに飛び込んできた。ぎゅっと抱きしめる。
「……ぎゅってしてもらうの、久しぶりです。……気持ちいい、です」
「つまり心の栄養はもう溜まったということだな?」
手を離そうとしたら、逆にちなみに抱きつかれた。
「……まだまだ、です。あと5時間はかかりそうです」
「5秒にしない?」
「……せめて、10分ぐらいは」
なんとか現実的な数字になったので、あとはちなみに抱きつかれるがまま、すりすりされるがまま、たまに頭をなでたり。そうして10分ほど経ったころ、ちなみは顔を上げた。
「……ちーん。心の栄養が満タンになりました」
「やったぁ」
「……全然気持ちがこもってません。……まぁいいです、それじゃ変態します」
そう言って、ちなみはオタマジャクシの衣装を脱ぎ捨て、蛙に……
「蛙じゃねえええええ!?」
下着姿になっていました。
「……タカシはうるさいです。大げさです」
「え、いや、あの、俺、男ですよ? なのに下着って……しかも、そんなする必要のないブラまで……」
「……ブラは必要です。……ブラがなかったら大惨事です」
「絆創膏でいいじゃん」
「……胸が小さいものは人にあらず、と言いたいのですね」
「言ってません。むしろ胸は小さい方が好きです。つるぺた万歳」
「……なら、問題ありません」
じりじり迫ってくるちなみに、俺の心臓は破裂寸前。ど、どうすれば……!
「……なんでいきなり座禅を組むんですか?」
しまった、混乱のあまりつい。しかし座禅の力でよい考えが浮かんだ。
「ちなみ、こういうことはムードが大事だと思うぞ」
「……タカシ相手にそんなもの求めるほど馬鹿じゃないです」
「んーあーえーっと、そ、そうだ! 俺はパイパンじゃないと興奮しない変態なんだうへへぇ」
「……あの、その、実は、……まだ、生えてないんです」
「なにぃッッッッッ!!!!!」
恥ずかしげに身をくねらせるちなみに、俺はかつてないほど興奮していた。
まずい、まずいぞ。断る理由が見つからん!
「……こんな子供みたいな体ですけど、……タカシに喜んでもらえるなら、私は……嬉しいです」
そう言ってにっこり笑うちなみに、俺の理性は陥落寸前。あ、陥落した。
「……ちなみぃぃぃぃ!!!」
「タカシー、暇だから遊びに来た……」
かなみさん。その笑みは何ですか。そしてポケットから取り出したやたら凶悪そうな物は何ですか。はぁ、カイザーナックルというのですか。それで殴られると死にますよ?
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