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2024年11月24日
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【プロポーズを意味するとは知らずに美少女ツンデレ宇宙人の頭をついなでなでしてしまった男】

2010年02月19日
 庭で花に水やってたら、UFOが着陸した。
「……えっと、翻訳機はこれでいいわね。……ふっふっふ。今からこの家はあたしの占領下に置かれるのよ!」
 そんなことをのたまいながらUFOの上部から出てくる変な奴。
「そこの原住民。アンタは今からあたしの奴隷にしてあげる。感涙に咽び泣きなさい」
 とりあえず殴る。
「な、殴った! 女の子殴った!」
「帰れ。いいから帰れ」
 UFOから出てこようとする少女の頭を押さえつけ、全力で中に押し込む。
「ぐぐぐ……だ、誰が帰るもんですか! こんな条件の揃った星、そうそうないわよ! それより、頭触んないでよね!」
「乳を触れと言うのか。任せろ、得意だ」
「言ってないっ!」
 少女は俺の手首を掴み、押し返した。
「ぐうっ、宇宙菌が俺の体を蝕む」
「人を病原体みたいに言うなっ! ……あっ」
 俺の手が滑り、少女の頭をなでるように動く。
「…………」
 女は呆けたように俺を見つめた。かと思ったら、突然その顔が真っ赤になった。
「そ、そんな突然……困る!」
 よく分からないが、弱っているようだ。もしかして、弱点か? なれば、攻めるまで!
「うりゃうりゃうりゃうりゃ」
「えっ、えええええっ!?」
 めちゃめちゃに少女の頭をなでまくる。これで緑色の液体になるはず!
「……そ、そんな熱烈な……ど、どうしよ!?」
 む、まだダメか。しかし、少女の赤みは増している。もうちょっとすれば赤→緑→液体になるはず!
「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!」
「ふ、ふえええええええっ!!?」
 さらに熱を込めてなでまくる。少女の顔はこれ以上ないほど赤い。よし、もう大丈夫だろう。
「……わ、分かった。そこまでするなら、あたしも覚悟決める」
 お、諦めたか。液体にならないのは残念だが、帰るのならよし。
「……し、幸せにしてよね、ダーリン」
 俺の服の裾をちょこんとつまみ、真っ赤な顔で呟く宇宙人。
「……宇宙語?」
「日本語よ、ダーリン」
「英語じゃないと分からないんだ」
「well……is it good in this?」
「外人だ!」
「宇宙人よ。もう、しっかりしてよね、ダーリン」
 ダーリンというと、アレだよね。きゃっきゃうふふ関係の人に言うことだよね。
「あのね、あたしの星では頭をなでるのがプロポーズなの。……あんな熱烈にプロポーズされるなんて、思いもしなかったわ」
 とか言いながら、俺の腕に抱きつく宇宙人たん。
「どこの安いラブコメ展開ですか」
「?」
 いや、宇宙人に言っても詮無いよな。とりあえず間違いだけは訂正せねば。
「あの、俺はそんなつもりでやったのではなくて、その、ええとおっぱいが柔らかいですね」
 いかん、思考が腕の刺激に乗っ取られる!
「え……もう、ダーリンのえっち!」
 などと言いながら更に俺の腕におっぱいがおっぱいがおっぱいがあああああ!
「ここを足がかりに世界征服ね、ダーリン♪」
「待って俺を稀代の悪人にしないで違う俺は無実だおっぱい柔らかいなあチクショウ世界征服頑張るゼ!」
 ふにふにと押し付けられる抗い難い感覚に、俺は血涙を流すのだった。

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【吸血鬼ツンデレ】

2010年02月18日
 森をうろうろしてたら迷った。困ったのでさらにうろうろしてたら、怪しげな洋館があったので「きっとここでエロゲ的展開が巻き起こりきゃっきゅうふふに!」と思いつつ入ったら大変なことになった。
「ちゅーちゅーちゅー」
 簡単に言うと、血を吸われてる。具体的に言うと、洋館で出会ったちびっこが俺の首筋に歯を立て、俺にしがみ付いたままちゅーちゅー血を吸ってる。
「ぷはっ。……ふんっ、まずい血だ。だが、数百年ぶりの血だ、残さず吸ってやろう」
「いやいや、いやいやいや! ちげーだろ! ここは『血……ううん、精気を吸っちゃうね、おにーたん♪』だろ! あと首筋じゃなくてそけい部付近から血および白いねばねば液体を吸ってくれると大変嬉しくて俺泣いちゃうかも!」
 ちびっこがあからさまに嫌そうな顔をしたが、気づかない体で。
「……久方ぶりの血が、このような変態のものとは……」
 心底嫌そうな声が聞こえるような気がするが、聞こえない体で。
「それで、あの。血の対価として……いやはや、恥ずかしいなあ。言っていいのかな?」
「この私に条件を突きつけると? ふん、無知とは時として恐ろしいな。……いや、まあいい。暇つぶしにはなるだろう、言ってみろ」
「貴方の幼い肢体を貪りたいですが、よろしいですか?」
「ぶっ!」
「やった、許可が出た! 周囲の迫害にも負けず、ロリコンであり続けてよかった! じゃあ早速」
「まままま待て待て待て! そんなものダメに決まっているだろう、愚か者が!」
 いそいそと服を脱いでると、目の前のちびっこが変なことを言う。
「えええええ! いや、え? ……ああ、聞き違いか」
「ダメと言っている! なぜ貴様なぞに高貴なる私の肉体を差し出さねばならぬ!」
「うーん……おまえってさ、いわゆる吸血鬼だろ?」
「うむ。人間を超越した偉大なる存在の吸血鬼だ」
 腕を組み、無駄に偉そうにふんぞり返る自称吸血鬼。
「つまり、人外にカテゴライズされるわけで。見た目が小学生!素敵!な状態でも、実際は100歳200歳なのでえろいことしても誰にも怒られないじゃん? だからえろいことを」
「だからダメと言っている! だから近づくなと言ってるだろう学習しろ馬鹿め!」
「学習した上でのことだとしたら?」
「性質が悪いぞこの人間!? だから寄るなと言っている!」
 にやにや笑いながら近づくと、ぺけぺけ叩かれた。効果音だけ聞くと女子とのきゃっきゃうふふな光景ですが、実際は牛鬼もかくやと思える程の筋力で殴られているので骨の数本は覚悟しとけよ。
「うーんうーん痛いよう、せっかく合法ロリっ子ときゃっきゃうふふできると思ったのに死にそうだよう」
「もう本当に殺してしまおうか……」
 剣呑な台詞が聞こえてきたのでごろごろ転がって部屋の隅へ退避しようとしてたら、ドアが開いて俺の頭を直撃セガサターン。
「お目覚めでしたか、マスター。……あら?」
「畜生、猿じゃない方のブービートラップだ! 脳がとても痛い!」
 痛さのあまり部屋中をごろごろごろごろ転がる。
「うわっ、転がるな馬鹿! ええいちょっとは大人しくしろ馬鹿!」
「あらあらあら、大丈夫ですか?」
 誰だか知らないが、俺を優しく抱き上げ(おっぱいに顔が埋まりました!)、頭をよしよししてくれたのでとても安らぐ。
「こ、こらアリシア! こんな変態になでなでする必要などない!」
「そんなことはないよ?」
「なんで貴様が答える! こらアリシア、この私がやめろと言っている!」
「でも……」
 アリシアと呼ばれたメイド服の女性が俺を心配そうに見ている。見える、俺にも選択肢が見える!
1:ありがとうお姉さん。貴方のおかげで大分楽になりました。
2:そこの吸血鬼に囚われているんですね、分かります。共に悪の吸血鬼を倒しましょう!
3:おっぱい好きぃ
 ……なんか、3が明らかにおかしい。
「おっぱい好きぃ」
 そして、それを選ぶ俺もおかしい。
「あらあらまあまあ」
 そのリアクションもおかしい。
「待てアリシア! その反応は変だぞ! そこの人間、もうお前帰れ!」
 一番まともなのが吸血鬼ってのはどうなんだろう。そんなことを思いながらアリシアさんのおっぱいにすりすりすりすりする。
「あン……もぅ、ダメよ?」
「いや、ダメなのは自分の事を吸血鬼とか言ってるそこの小さいのだ」
「ダメ言うなッ! 人間、お前はロリコンなのだから、もっと私に興味を持て! アリシアが現れた途端そっちばっかり……お前のことはどうでも良いが、私の女としての矜持が許さんのだ!」
「そう言われても」
「うるさいうるさいうるさいっ! ほら見ろ、うっふーん!」
 吸血鬼はうっふん言いながら片目を勢い良くつむった。
「ペトラアイだと!? いかん、石化する! 助けてアリシアさん!」
「あらあら、大変ね」
 何が嬉しいのか知らないが、アリシアさんがニコニコしながら俺をよしよしするのでとりあえず幸せ。
「違う! 色仕掛けだ! あーもういい加減にしろアリシア! どっか行け!」
「あらあら、残念ね。それじゃマスター、用がありましたら呼んでくださいね」
 アリシアさんはニコニコしたまま部屋から出て行ってしまった。
「あ、アリシアさぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッッッッッ!!!!」
「うるさいっ! ええい、アリシアが来るまでは私に夢中だったくせに……ええい、不愉快だ! もういい、殺す」
 吸血鬼がとても怖い形相で近寄ってきた。このままでは殺されてしまう。急いで鞄を漁り、吸血鬼撃退グッズを探すがそんなのないよ!
「お祈りは済んだか?」
「助けて空飛ぶスパゲッティ・モンスター!」
「いや、もうちょっとマシなものに助けを求めた方がいいと思うが……」
 吸血鬼はとても嫌そうな顔をした。この隙に危機を脱する方法を……よし、この案で行こう。
「な、なあ吸血鬼。このまま俺を殺すのは簡単だけど、そうしたらお前のプライドは傷ついたままだよな」
「ふん、命乞いか?」
「いやいやいや。ただ、俺を殺したら、これから先メイドに女の魅力で負けたぺたんこ娘として生きていくんだろうなあと思っただけで」
「ぬ……」
「と言っても、無理だよな。アリシアさんは綺麗だしおっぱい大きいし、女性としての魅力満点。それに引き換えお前は……ぷ、ぷぷーっ!」
「笑うな無礼者! いいだろう、貴様の挑発に乗ってやろうではないか! 見ていろ、貴様を私の魅力で骨抜きにしてくれよう! その後に全身の血を吸い取って殺してくれるわ!」
「分かってくれてとても嬉しいです。じゃあ俺はこれにて」
 部屋から出ようとして、服を掴まれる。
「どこへ行く? 貴様は今日から私の奴隷……ごほん、召使いだ。タダで置くつもりもないからな」
「奴隷って言った!?」
「聞き違いだろう」
 獲物を見るような目つきの吸血鬼に、早まったかにゃーとか思う俺だった。

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【チャーハンを作ろうとして失敗したツンデレ】

2010年02月12日
 お腹が空いたので娘にチャーハンを所望した父ですこんにちは。
「娘よ、父のお腹が今にも背中にくっつきそうだ。この危機を脱するには娘製作のチャーハンを早急に胃に収める必要がある。さあ!」
「黙れ、父。今まさに製作中だ。声をかけられると気が散って失敗するぞ」
 娘の背に声をかけると、少し面倒くさそうな声が返ってきた。
「はは、これは異な事を。娘が料理に失敗しようか。いやしない。反語。反語?」
「何故不安げになる、父。いいから黙ってろ」
「ふふ、父がそんなことで黙るはずがないだろう。そう、父の心はどこにでも羽ばたける……ええと、なんだろう。えっと、えっと……そう、風になびく」
「黙ってないとチャーハンがゴマに変化するぞ」
 脅されたので黙る。しかし……なんだな。愛娘の料理する後姿というのは……こう、いいなあ。
「ばふー」
「黙れと言っているだろう!」
「鼻息もダメとは! ナチスも涙を禁じ得ない圧政に父はいま遭遇している!」
「五月蝿い! ……あ」
 こちらを向いた時にひじが当たったのだろう、中華鍋がコンロから外れて地面に落ちた。慌てて娘の元へ向かう。
「娘よ、大丈夫か?」
「あ、ああ……」
 娘の体を確認する。幸いにして娘の体には鍋もチャーハンもあたらず、ただ床が汚れただけのようだ。良かった。
「怪我がないなら問題ない。いや、色々声をかけて注意を逸らしてしまったな。悪い父だ」
「そんな! 私の不注意だ、何故父が謝る!」
「父の七不思議のひとつだ、気にするな。はっはっは」
 適当な事を言いながら汚れた床を掃除する。ぽいぽいゴミ箱にチャーハンを捨ててると、娘が申し訳なさそうな顔をして手伝ってくれた。
「初めての共同作業だな、娘よ」
「馬鹿」
 軽口に、少しだけ娘は微笑んだ。
 しばらくそのまま黙って掃除をしてたら、腹がぐうと鳴った。途端、娘の顔が先ほどの申し訳なさそうなものに戻ってしまった。
「私が落としさえしなければ、今頃は食事だったものを……」
「空腹は最高のスパイスと聞く。この後の食事は最高のものになるに違いない。そうは思わないか、娘よ?」
 軽くおどけて片目をつぶってみる。思い切り娘が吹いた。
「ぶふっ! ……ち、父、あまりに不器用なウインクだな」
「父はウインクをし慣れるほど女性に慣れていないんだ」
「ああ、そのような感じはとてもする」
「超ショック」
 明るくなった雰囲気の中、やっと掃除が終わった。ぐいーと背中を伸ばしていると、娘がくいくい父である俺の服の裾を引っ張った。
「どうした、娘よ?」
「……つ、次は失敗しない。見ていろ、父」
 決意を見せ付けるように、娘は両手に握りこぶしを作り、胸の前でぐっと握った。
「頼もしい限りだ」
 ぽふりと娘の頭に手を乗せ、優しくなでる。
「……また子供扱いする。父は私を子供扱いしすぎるきらいがあるな」
 満更でもなさそうな顔で娘が口をとがらせる。
「小学生は子供に充分値すると思うがな。そして、なでられるのが好きなのもまた子供である証とも思うがな」
「それは父がなでるから……なっ、なんでもない、なんでも! 忘れろ!」
 思わず口をついてしまったのか、娘は顔を真っ赤にして父のお腹をぎゅーっと押した。
「『お父さん大好き♪』って言いながら父にキスしてくれたら忘れる」
「断固断るッ!」
「馬鹿な、ここは『し、仕方のない父だな……ちゅ♪』となる場面ではないのか! 選択肢誤ったか!? ロードロード!」
「はぁ……全く、困った父だ」
 娘は俺の服を引っ張り、しゃがませた。そして、頬に触れる柔らかな感覚。
「……と、特別だぞ、父。忘れさせるためにしたのだからな」
 娘の恥ずかしそうな表情に、父ドキドキ。……ドキドキ?
「まだ忘れない。もっと」
「なっ、ま、まだ!? ……む、むう。あと一回だけだぞ?」
 再びしゃがまされ、頬にちゅ。
「まだ。も一回」
「まだだと!? いったい何度すれば満足すると言うのだ!」
「満足などするはずがない。大好きな娘になら、何度だってキスしてほしいものだ」
「~~~~~っ!!! はっ、恥ずかしい台詞を真顔で言うな、馬鹿父っ!」
 真っ赤な顔で父の尻を蹴る娘だった。

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【猿っぽい男とツンデレ】

2010年02月10日
 猿っぽくなれという電波を受信したので、今日から猿。
「うきー」
「何をする愚弟!」
 ということで、猿らしく姉のスカートをめくったら酷い折檻を受けた。
「待って姉の人、違うんです。ちょっと猿の話を聞いてはくれまいか」
「意味が分からん! 簡潔に説明しろ。納得のいく理由なら、半殺しで許してやろう」
 つまり、ダメなら全殺しなのですね。
「電波を受信したら人→猿だったので、スカートをめくったのです」
「……大丈夫、姉がついている。頑張って一緒に治そう。絶対に見捨てたりしないからな。ずっとずっと一緒だからな」
 姉は俺の手を取り、優しく微笑んだ。何かとてつもない勘違いをされている悪寒。
「頭の病気と思われてますか」
「いや、確信している。さ、病院へ行こう」
 このままでは今までの日々とおさらばになりそうだったので、猿ぱぅわーを遺憾なく発揮し姉から離脱、そのまま脱兎。
「あっ、こら待て弟!」
「猿なのに兎とはこれ如何に」
「何の話だ!」
 猿の力(思い込み)により通常の1.1倍という尋常ならざる力を発揮できる俺こと猿だが、如何せん姉の最強無敵なポテンシャルには遠く及ばず、あっという間に捕まった。
「まったく……大丈夫だぞ? 病院は治してくれるところだから、怖くなんてないんだぞ? それに、姉がついている。全部姉に任せろ」
 優しく頭をなでられると、病気もいいかもと思ったが、よく考えると病気でもなんでもないのでこのままでマズイ。
「うきー」
「だから、何故私のスカートをめくる!」
 最後の猿力を奮い、姉のスカートをめくる。
「しまぱん」
「言うなッ!」
「…………」
「無言でスカートの中に顔を突っ込むな、愚弟ッ!」
 いっぱい叩かれた。
「はっ! ……俺はいったい何をしていたのだろうか。まるで長い夢から覚めたような気分だ」
「何っ!? 治ったのか!?」
 衝撃により病気が治ったフリ作戦開始。
「なんだかしましまの人に助けてもらったような、そんな気がする」
「……私のパンツの効力で治ったのか?」
 しまぱんにそんな効果は御座いません。
「しかし、何事も治りかけが肝要だ。……お、弟のためだ。ほら」
 ぴらり、と姉はスカートを自分の手でまくりあげた。青と白の眩いコントラストの下着が露になる。
「な、何をしているのですか、姉の人!」
「ち、治療の一環だ。……ど、どうだ? 治ったか?」
 いけない、とてもいけない! そう思うのだけど、羞恥に染まる姉の顔を、そして何よりぷるぷる震える姉の下着姿に目を逸らすことができない。
「全く治らない! なので直接触れたい! お尻ふにふにしたい! あと、ちゅーとかしたい!」
「…………」
「で、どう? 治療の一環なのでそれも止む無しですよね? ウヒヒヒヒ」
「……嘘っぽい。本当に病気だったのか?」
「!!!!! ……え、ええと、その、……病気ダヨ?」(汗だらだら)
「私の目を見て言えるか?」
「も、もちろん!」
「なら」(じーっ)
「…………」(ついっ)
「目を逸らしたぞ! やっぱり嘘か! 姉に嘘をつくなんて許さないぞ!」
「いや、怖かったから直視できなかっただけです」
「それはそれで失礼だ、弟!」
「パンツ見せてくれるなら謝る」
「……お前は色々間違ってるので、この姉が根性を叩きなおしてやる。ありがたく思うんだな」
「勘弁してください」
 そう言ったのに、根性叩き直された。ついでに嘘もばれた。より一層根性を叩き直された。死にそう。

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【ツンデレのあだ名をでっかい声で呼んでみたら】

2010年02月09日
 授業中、ふと校庭を見たら体育中の姉がいたので、手を振ってみた。しかし、姉は気づかない。なので、呼んでみた。
「姉の人ーッ!」
 驚いた様子で姉はこちらを見た。
「授業中に叫ぶなっ、愚弟!」
「ごめんね!」
 その後、教師に授業中に突然叫ぶなと怒られた。姉め、許せないぞ!(責任転嫁)
 ということで放課後、姉に責任をなすりつけるべく一緒に帰宅。
「お前が授業中に叫んだりするから、先生に怒られたじゃないか!」
 責任をなすりつける前に、俺に責任が発生してしまった。
「分かった、気をつける」
「……まあ、分かったならいいんだ、分かったなら」
 翌日。またしても校庭に体育の授業中の姉がいた。しかし、そこはそれ同じ轍を踏まない俺。
「しまぱん姫ーッ!」
 姉と呼ぶのではなく、あだ名で呼ぶことにより親しみを持たせる作戦開始。
「…………」
 てっきり『もー、あだ名で呼ぶなんておうちだけでするのよ、弟きゅん♪』とかなると思ったのだが、ポニー辺りなら悶死しそうな怨念が姉付近から発生するだけで終わった。ていうか怖っ、姉怖あっ!
 その日の昼休み、弁当食べようとしたら影が差した。顔を上げると、姉の人。なんかものすげー怖い顔で俺を見下ろしている。
「……ちょっといいか」
「あー、いいけど弁当食べてから。それまでそこでパンツ見せてて」
「見せるかッ! なんだ、しまぱん姫ってのは!」
「俺が広めようと画策している姉のあだ名」
「画策するなッ!」
 ほっぺをぎうーっと引っ張られた。
『別府のお姉さん、しまぱんだってよ……』
『しまぱん……うおおっ、萌える!』
「そこっ! うるさいっ!」
 教室から上がるひそひそ声を一喝する姉。ただ、顔が赤いので迫力もあんまりない。
「怒るな、しまぱん姫」
「変なあだ名をさも当然のように使うなッ!」
「でも、しまぱんだろ?」
「そっ! ……え、ええいっ、貴様に言う必要などないッ!」
「やっぱしまぱんなんだな、しまぱん姫」
「~~~~~っ! ち、ちょっと来い、愚弟!」
 あちこちからしまぱんしまぱんと漏れる教室を抜け出し、つれてこられた場所は空き教室。
「……ふう。で、言い残すことは?」
「あれ、死ぬの?」
「無論だ! 姉を辱めさせた罰、受けてもらう!」
「待って殺すの待って! しまぱんを着用した姫のごとく美しき人、それを略してしまぱん姫と言ったまでで、悪意はないんです!」
「嘘をつけっ! 悪意しか見えんわっ!」
「ぬう。じゃ、姉さんにあだ名を選ばせてあげるから、今から挙げるあだ名から選んでくれ」
「断る。貴様の考えるあだ名だ、ろくなものがないに決まっている」
「しまぱん淑女にしまぱんマスター、それからしまぱん……」
「待て待て待て! 言いたいことが山ほどあるぞっ!」
「ひとつだけなら聞いてやる」
 ほっぺを引っ張られたので全部聞くことにする。
「まず、聞かんと言ってるのに無視してあだ名を並べるな! それから、想像通りろくなあだ名がない! さらに、何故全てのあだ名にしまぱんがついている!」
「ええと、要約すると気に入らない……と?」
「当然だッ! しまぱんしまぱんと……そんなしまぱんが好きか!」
「いや、しまぱん好きなのは姉さんだろ。下着ほとんどしまぱんだし」
「んなっ!? なっ、何故知っている!?」
「よく着替え覗くから」
「当然のように犯罪を告白するな、この愚弟ッ!」
「ごめぬ。次からは姉さんが着替えてる最中に部屋に入り、そこで鑑賞することにする」
「覗かなければいいという話ではないッ!」
 大変怒られた上、あだ名を付けることを禁止された。とても残念。

拍手[10回]