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2024年11月21日
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【ボクっ娘とダウナーとタカシ】

2010年04月11日
 暇なんで梓の家に遊びに行ったら、そこに家主と話してるちなみがいた。
「……あ、百合の園に男が」
「レズっ!? デジカメ買ってくるからちょっと待ってろ!」
「違うよっ! もうっ、ちなみちゃん変なこと言わないでよ!」
「……タカシはすぐ騙される。……おばかの称号を授ける」
「いや、梓の称号を授かるわけにはいかないので辞退する」
「ボク、おばかなの!?」
 二人で静かに頷くと、梓は何やらショックを受けたようにぽふりと布団に倒れた。
「うう……二人していじめる……」
「で、二人で何やってたんだ?」
 しくしく泣いてる梓をほってちなみに話しかける。
「……体のとある部位を擦り付けあうゲーム」
「百合ッ!? デジカメ買ってくるからちょっと待ってろ! あと俺も混ぜろ!」
「違うよっ! 一緒にお話してたんだよ!」
 枕にしみをつけてた梓が起き上がるなり叫んだ。
「ちなみ、適当言うなよ……期待するじゃん」
「……タカシはえっちなことだとすぐ騙される。……えろす王の称号を授ける」
「もう抱えきれないくらい持ってるからいらないです」
「……残念」
 ちなみは心底残念そうに肩を落とした。
「それよりタカシも一緒にお喋りしない? 今ね、恋人ができたらしたいこと話してたの」
 梓が俺の隣にちょこんと座り、俺を見上げながら言った。
「そりゃエッチだろう」
「「…………」」
 二人分の冷たい視線が俺に突き刺さる。
「訂正、SEXだ」
「そういうこと言ってるんじゃないよ!」
 梓は顔を赤くして叫んだ。
「タカシ0点! そんなんじゃ恋人なんて未来永劫できないよ! ねー?」
「……ねー」
 二人して俺を非難する。
「しかし、好きな人とエッチしたいというのは正しい感情だと思うが」
「そ、そうだけど……でも、ボクは抱っことか頭なでなでとかしてほしいよ」
 梓の言葉に、ちなみはコクコク頷いた。
「子供か、お前ら」
「う、うう……タカシのせいだよ! すぐボクやちなみちゃんの頭なでるから……」
「恨むなら、なでてオーラを出す自分の頭を恨め」
「あうううう……」
 悲しげにうめく梓だった。
「しかし……抱っこやらなでなでやら、子供がしてもらうと喜ぶようなことばっかだな。ま、見た目二人とも子供だし、ちょうどいいか。わはははは!」
「「…………」」
 二人は自分の胸を見下ろし、深くため息をついた。
「……どーせボクのおっぱいはちっちゃいもん」
「……よく、小学生とか中学生に間違われる」
「あ、あの、お二人さん?」
 負のオーラを放ち、二人は再びため息をついた。
「牛乳飲んだら大きくなるって言うけど、効かないよね、ちなみちゃん」
「……毎日飲んでるけど、ダメ。……効果、なし」
 顔を見合わせ、三度ため息をつく二人。ううむ、どうしたもんか。
「ま、まぁ大丈夫だって。成長期なんだし、すぐ大きくなる」
 そう言って二人の頭を優しくなでる。
「あ……」
「はぅ……」
 それだけで二人は嬉しそうに目を細めた。
「まぁ、小さいままでも俺としては嬉しいけどな」
「な、なんで?」
「このサイズだったら抱っこしたりなでなでするのに丁度いいからな。大きくなったら、それをするのも難しい」
「……ボク、牛乳飲むのやめる!」
「え?」
「……私も」
「ええっ!?」
「べ、別にタカシのためとかじゃなくて、無理するのもよくないって思っただけだよ!」
 横でちなみがウンウン頷いてるが、嘘だろ。明らかに。
「だ、だから、無理せずなでなでしてもいいよ? ボク、大人だからそれくらい我慢できるもん」
 恋人ができたら、なでなでして欲しいって言ったの誰だっけ。
「……ん。……なでなで狂いのタカシがなでなでをやめたら、発狂すること請け合い」
 そんなこと請け合うな。そこまでアレな人じゃないぞ、俺。
「な、なでなでするなら近く寄った方がいいよね」
 そう言って、梓は俺の膝に座った。
「……や、やれやれ、タカシはわがままだ」
 続いてちなみも空いてる膝にぽふりと。
「だ、抱っこしてもいいよ。ボク、へーきだもん」
「……わ、私も」
「いや、でも」
「「いいから!」」
「……はい」
 何か得体の知れない敗北感を感じながら、俺は梓とちなみをぎゅっと抱きしめた。
「あぅ……」
「は、はぅ……」
 気持ち良さそうな声を漏らし、二人はうっとりした顔で目をつむった。
「なんか、二人の未来の恋人に申し訳ない気分が」
「えへへっ、だいじょーぶだよ♪」
「何が大丈夫なんだか……」
「……タカシが気にする必要ない。……ほら、抱っこ」
 気持ち良さそうに俺の胸に顔を埋めながら抱っこをせがむちなみを見ながら、俺はもう一度ぎゅっと二人を抱きしめるのだった。

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