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2024年11月23日
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【ツンデレ姉にお金を借りたら】
2010年03月05日
「姉貴ー、財布忘れたから金貸してー」
昼休み。姉が教室で友人たちと弁当をつついていると、弟がやって来てそう言った。
「またか。まったく、いつも言っているが家を出る前にちゃんと確認しろ」
「がたがた言わずにとっとと金出せ貧乳」
姉はにっこり笑って弟を蹴り飛ばした。いつもの光景に、教室にいる者は誰一人注意を払わなかった。
「なんでいちいち怒らせるような事を言うかな、この愚弟は……ほら、立て」
「あいたた……あ、ありがと、姉貴」
姉は手を貸し、弟を立ち上がらた。
「ほら。500円でいいな?」
「有り金出せ。……いやすいません調子こきましたすいません許してください」
姉がとても怖い顔で睨むと、途端に弟は土下座する勢いで謝った。その情けない様子に、姉は思わず苦笑した。
「男がすぐ謝るな。まったく、情けない弟だ」
「NASAけない弟よりマシだろ? 説明しよう! NASAけない弟とは、宇宙っぽくない弟であり、俺のことであり、しまった、俺はNASAけない!」
「こんな弟に育ては覚えはないんだがなぁ……」
「あははは。とにかくサンキュな姉貴、愛してるぞっ!」
「ばっ、ばかっ、何を言うかっ! とっととパンでも買って来い、愚弟!」
簡単に赤くなる姉に手を振って、弟は教室を出て行った。
「……な、なんだ」
再び弁当をつついていると、友人たちがこちらをじっと見つめていることに気づいた。何か言いたそうなその顔に問いかけると、
「「べっつにー」」
という、異口同音のそっけない答えが返ってきた。だが、その顔にはニヤニヤとしたからかう気満載の表情が張り付いている。
「よ、用がないならじろじろ見るな」
「いや、用はないんだけどさ、相変わらず仲いいなーって思って。普通、高校くらいになると姉弟仲なんて悪くなるのにさ」
ショートカットの少女がそう姉にそう言った。
「……べ、別にいいだろう。姉弟仲がよくて何か問題でも?」
「ないよ、なーんにも。でも、邪推する人もいるかもしんないから、注意した方がいいかもだよ?」
ツインテールの少女が姉に注意を呼びかける。
「好きにすればいい。誰にどう思われようが、関係ない」
「……くーっ、お姉ちゃんかっくいー! あたしが男だったらほっとかないよ、ホント」
「あちしは女だけど、グラグラきそうだよ。きしし」
そう笑うツインテールの少女から、姉は椅子を離した。
「じょ、冗談だよじょーだん。やだなーお姉ちゃんってば。きししし」
「……まったく」
「でもさー、アンタも弟クンとばっか仲よくてもアレだよね。彼氏でも作ったら?」
「不要だ。男のような惰弱で不埒で卑劣で腑抜けな存在が側にいるなんて、不愉快極まりない」
「いや……弟クンも男だよ? 弟クンもアンタのいうところの、えっと……惰弱でなんたらって存在なの?」
「いや、あいつはただの馬鹿だ」
何故か誇らしげに言う姉に、友人たちは顔を見合わせて苦笑した。
「こりゃ、深刻なブラコンだねぇ。きししし」
「なっ、何を言うかっ! 私のどこがブラコンだ! 訂正を求める!」
「姉貴ー、パン売り切れてて、セロリサンドしか残ってなかったー。弁当分けてー」
立ち上がって友人に怒る姉の下へ、弟が再びやって来た。
「こ、この構図は! 姉貴が友人であるツインテールの一見ロリぃ女生徒の胸元を掴んでいる! ここから導き出せる未来予想図は、百合百合ぃに違いない! よし、ここは弟として見守ろう!」
「見守るな、この愚弟! 誰が百合か! 私はちゃんと男に興味がある!」
「男色の気があると?」
姉は黙って弟を張り飛ばした。
「うう……姉がいじめる。助けて、お姉様」
「あー、よしよし。大変だね、弟クンも」
すごい怖い顔で睨まれていることに気づかない弟とショートカットの女生徒だった。
「いっそのこと、私の弟になる?」
「おっ、そいつぁ名案だ。姉貴、俺は今よりこのお姉様の弟に……」
「だっ、ダメだ!」
尋常ならざる速さで、姉は弟をショートカットの女生徒から奪い取って抱きしめた。
「これは私の! 私の弟だ! 誰にもやらん!」
「……え、えーっとね、お姉ちゃん?」
「……冗談、なんだけど……」
ショートカットの女生徒と弟が困りながらそう言った途端、姉の顔が火を噴いた。
「ちっ、違う違うぞ? 私もその冗談とやらに乗っただけで、決して、そんな風に思っているとは」
「どブラコンだねぇ。きししし」
姉の顔がさらに赤くなった。
「う、うう、ううううう~……もう知らんッ! 貴様らみんな知らんッ!」
姉は机に伏せ、顔を隠した。
「あー……あっと、お、俺、帰るな。その、姉貴、ふぁいとっ!」
「うるさい帰ればかっ!」
不貞寝をするかのように顔を伏せてる姉の背に、友人たちの笑い声が降り注ぐのだった。
昼休み。姉が教室で友人たちと弁当をつついていると、弟がやって来てそう言った。
「またか。まったく、いつも言っているが家を出る前にちゃんと確認しろ」
「がたがた言わずにとっとと金出せ貧乳」
姉はにっこり笑って弟を蹴り飛ばした。いつもの光景に、教室にいる者は誰一人注意を払わなかった。
「なんでいちいち怒らせるような事を言うかな、この愚弟は……ほら、立て」
「あいたた……あ、ありがと、姉貴」
姉は手を貸し、弟を立ち上がらた。
「ほら。500円でいいな?」
「有り金出せ。……いやすいません調子こきましたすいません許してください」
姉がとても怖い顔で睨むと、途端に弟は土下座する勢いで謝った。その情けない様子に、姉は思わず苦笑した。
「男がすぐ謝るな。まったく、情けない弟だ」
「NASAけない弟よりマシだろ? 説明しよう! NASAけない弟とは、宇宙っぽくない弟であり、俺のことであり、しまった、俺はNASAけない!」
「こんな弟に育ては覚えはないんだがなぁ……」
「あははは。とにかくサンキュな姉貴、愛してるぞっ!」
「ばっ、ばかっ、何を言うかっ! とっととパンでも買って来い、愚弟!」
簡単に赤くなる姉に手を振って、弟は教室を出て行った。
「……な、なんだ」
再び弁当をつついていると、友人たちがこちらをじっと見つめていることに気づいた。何か言いたそうなその顔に問いかけると、
「「べっつにー」」
という、異口同音のそっけない答えが返ってきた。だが、その顔にはニヤニヤとしたからかう気満載の表情が張り付いている。
「よ、用がないならじろじろ見るな」
「いや、用はないんだけどさ、相変わらず仲いいなーって思って。普通、高校くらいになると姉弟仲なんて悪くなるのにさ」
ショートカットの少女がそう姉にそう言った。
「……べ、別にいいだろう。姉弟仲がよくて何か問題でも?」
「ないよ、なーんにも。でも、邪推する人もいるかもしんないから、注意した方がいいかもだよ?」
ツインテールの少女が姉に注意を呼びかける。
「好きにすればいい。誰にどう思われようが、関係ない」
「……くーっ、お姉ちゃんかっくいー! あたしが男だったらほっとかないよ、ホント」
「あちしは女だけど、グラグラきそうだよ。きしし」
そう笑うツインテールの少女から、姉は椅子を離した。
「じょ、冗談だよじょーだん。やだなーお姉ちゃんってば。きししし」
「……まったく」
「でもさー、アンタも弟クンとばっか仲よくてもアレだよね。彼氏でも作ったら?」
「不要だ。男のような惰弱で不埒で卑劣で腑抜けな存在が側にいるなんて、不愉快極まりない」
「いや……弟クンも男だよ? 弟クンもアンタのいうところの、えっと……惰弱でなんたらって存在なの?」
「いや、あいつはただの馬鹿だ」
何故か誇らしげに言う姉に、友人たちは顔を見合わせて苦笑した。
「こりゃ、深刻なブラコンだねぇ。きししし」
「なっ、何を言うかっ! 私のどこがブラコンだ! 訂正を求める!」
「姉貴ー、パン売り切れてて、セロリサンドしか残ってなかったー。弁当分けてー」
立ち上がって友人に怒る姉の下へ、弟が再びやって来た。
「こ、この構図は! 姉貴が友人であるツインテールの一見ロリぃ女生徒の胸元を掴んでいる! ここから導き出せる未来予想図は、百合百合ぃに違いない! よし、ここは弟として見守ろう!」
「見守るな、この愚弟! 誰が百合か! 私はちゃんと男に興味がある!」
「男色の気があると?」
姉は黙って弟を張り飛ばした。
「うう……姉がいじめる。助けて、お姉様」
「あー、よしよし。大変だね、弟クンも」
すごい怖い顔で睨まれていることに気づかない弟とショートカットの女生徒だった。
「いっそのこと、私の弟になる?」
「おっ、そいつぁ名案だ。姉貴、俺は今よりこのお姉様の弟に……」
「だっ、ダメだ!」
尋常ならざる速さで、姉は弟をショートカットの女生徒から奪い取って抱きしめた。
「これは私の! 私の弟だ! 誰にもやらん!」
「……え、えーっとね、お姉ちゃん?」
「……冗談、なんだけど……」
ショートカットの女生徒と弟が困りながらそう言った途端、姉の顔が火を噴いた。
「ちっ、違う違うぞ? 私もその冗談とやらに乗っただけで、決して、そんな風に思っているとは」
「どブラコンだねぇ。きししし」
姉の顔がさらに赤くなった。
「う、うう、ううううう~……もう知らんッ! 貴様らみんな知らんッ!」
姉は机に伏せ、顔を隠した。
「あー……あっと、お、俺、帰るな。その、姉貴、ふぁいとっ!」
「うるさい帰ればかっ!」
不貞寝をするかのように顔を伏せてる姉の背に、友人たちの笑い声が降り注ぐのだった。
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