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2024年11月23日
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【膝を擦りむいたツンデレ】
2010年02月09日
「ふにゃっ!?」
登校中、猫っぽい声に後ろを振り向くと、かなみが見事なまでにずっこけていた。
「何やってんだよ……」
「う、うっさいわねー! こんなところに石があるのが悪いのよ! あと、アンタがそこにいるのも悪い! ていうかアンタがそこにいるせいで、あたしがこけたの!」
「なんで俺のせいやねん。……はっ、まさか、俺に人を転ばせるという秘められた超能力が、今まさに開花したのか……? 嬉しくない、かなみ、そんな超能力嬉しくない! 透視とかがいい!」
「うっさい! ……あ痛っ」
立ち上がろうと体を起こすかなみだったが、またすぐにぺたんと尻餅をついてしまった。
「あ、お前怪我してんじゃん、膝。うあ、痛そ」
こけた際にすりむいたのか、かなみの膝は血で赤くにじんでいた。
「痛そう、じゃなくて痛いの! どーにかしなさいよ!」
「なんでそんな偉そうなんだよ……まあいいや、善人なので手を貸そう」
「アンタなんかに手を握られるくらいなら、ここで人生を全うする方がマシよ!」
「かなみが道端に居を構える決意を。つまり、ホームレスになる決意を」
「違うっ!」
「あーもう、にゃーにゃー言ってる暇があったら行くぞ」
「だっ、誰がにゃーにゃーって……きゃっ!?」
かなみを抱きかかえ、そのまま歩き出す。
「ちょっ、だっ、誰がこんなこと許可したのよ!?」
「俺様。お前ほって学校行くのも嫌だから、お姫さん抱っこで連れて行くことについて脳内会議を行った結果、全員一致で可決した」
「勝手に可決するなっ、このばかっ! 離せ、はーなーせー!」
かなみは俺の腕の中でじたじたと暴れた。細い手が俺の顔をべしべし叩くので大変痛い。
「ええいっ、暴れるな! 落ちるだろーが! じっとしてないとキスするぞっ!」
「きっ、キス!? なっ、なななっ、なんでアンタなんかとしなくちゃいけないのよっ!」
「じっとしてないとするってぇ話だ! 大人しくしてたらしないから、じっとしてろ」
「…………。だっ、誰がアンタなんかの言うこと聞くもんですか! はーなーせー!」
俺の話を聞いた上で、かなみはさらにじたじたと暴れた。手が俺の鼻やら口やらを叩くので泣きそうなくらい痛い。
「あい分かった! 許さん。もうキスする」
「そっ、そんなのお断りよっ! 誰がアンタなんかと!」
「…………」
「……ぜ、絶対嫌なんだから(どきどき、どきどき)」
「……かなみさん」
「な、何よ! キスなんて絶対許さないんだからねっ!」
「なんで目つぶってるんですか」
「お、お日様がまぶしかっただけよ!」
「あと、なんで口をタコみたいにむぅーってやってんですか」
「や、やってないわよ、そんなこと!」
「してないのか。俺の目がおかしかったのか」
「そ、そうよ。そうに決まってるわよ」
「そっか。それはそれとして、再度キスを!」
「だっ、だから嫌って言ってるでしょ!」
「…………」
「(どきどき、どきどき)」
「俺の目が腐りきっているのか、どうしてもかなみが目をつぶって口をむちゅーってしているようにしか見えないのですが」
「アンタわざとやってるでしょ!」
「いやあ、かなみの恥ずかしがる姿がとても愛らしくて」
「ちょ! あ、アンタ、なに言ってんのよ! ……は、恥ずかしいじゃない」
俺の胸に頭を預け、かなみは俺の胸をくりくりと指でいじった。
「そして、そんなのろけを道行く通行人の方々に聞かせたくて」
「へ? ……あ、アンタ、アンタ、アンタ! こっ、こここここっ、ここ道じゃない! 道端じゃない!」
かなみの言うとおりここはごく普通の通学路であり、そして今は登校中なので学生さんがたくさんいる。知った顔もちらほら。
「みっ、みんな見てるじゃないの! 降ろしなさい! 今すぐ!」
「怪我人を歩かせるなんて、俺のダンディズムが許さない。あと、ダンジネスも許さない」
「ダンジネスって誰!? ていうか早く降ろせっ、ばかーっ!」
真っ赤な顔でじたじたと暴れるかなみだった。
登校中、猫っぽい声に後ろを振り向くと、かなみが見事なまでにずっこけていた。
「何やってんだよ……」
「う、うっさいわねー! こんなところに石があるのが悪いのよ! あと、アンタがそこにいるのも悪い! ていうかアンタがそこにいるせいで、あたしがこけたの!」
「なんで俺のせいやねん。……はっ、まさか、俺に人を転ばせるという秘められた超能力が、今まさに開花したのか……? 嬉しくない、かなみ、そんな超能力嬉しくない! 透視とかがいい!」
「うっさい! ……あ痛っ」
立ち上がろうと体を起こすかなみだったが、またすぐにぺたんと尻餅をついてしまった。
「あ、お前怪我してんじゃん、膝。うあ、痛そ」
こけた際にすりむいたのか、かなみの膝は血で赤くにじんでいた。
「痛そう、じゃなくて痛いの! どーにかしなさいよ!」
「なんでそんな偉そうなんだよ……まあいいや、善人なので手を貸そう」
「アンタなんかに手を握られるくらいなら、ここで人生を全うする方がマシよ!」
「かなみが道端に居を構える決意を。つまり、ホームレスになる決意を」
「違うっ!」
「あーもう、にゃーにゃー言ってる暇があったら行くぞ」
「だっ、誰がにゃーにゃーって……きゃっ!?」
かなみを抱きかかえ、そのまま歩き出す。
「ちょっ、だっ、誰がこんなこと許可したのよ!?」
「俺様。お前ほって学校行くのも嫌だから、お姫さん抱っこで連れて行くことについて脳内会議を行った結果、全員一致で可決した」
「勝手に可決するなっ、このばかっ! 離せ、はーなーせー!」
かなみは俺の腕の中でじたじたと暴れた。細い手が俺の顔をべしべし叩くので大変痛い。
「ええいっ、暴れるな! 落ちるだろーが! じっとしてないとキスするぞっ!」
「きっ、キス!? なっ、なななっ、なんでアンタなんかとしなくちゃいけないのよっ!」
「じっとしてないとするってぇ話だ! 大人しくしてたらしないから、じっとしてろ」
「…………。だっ、誰がアンタなんかの言うこと聞くもんですか! はーなーせー!」
俺の話を聞いた上で、かなみはさらにじたじたと暴れた。手が俺の鼻やら口やらを叩くので泣きそうなくらい痛い。
「あい分かった! 許さん。もうキスする」
「そっ、そんなのお断りよっ! 誰がアンタなんかと!」
「…………」
「……ぜ、絶対嫌なんだから(どきどき、どきどき)」
「……かなみさん」
「な、何よ! キスなんて絶対許さないんだからねっ!」
「なんで目つぶってるんですか」
「お、お日様がまぶしかっただけよ!」
「あと、なんで口をタコみたいにむぅーってやってんですか」
「や、やってないわよ、そんなこと!」
「してないのか。俺の目がおかしかったのか」
「そ、そうよ。そうに決まってるわよ」
「そっか。それはそれとして、再度キスを!」
「だっ、だから嫌って言ってるでしょ!」
「…………」
「(どきどき、どきどき)」
「俺の目が腐りきっているのか、どうしてもかなみが目をつぶって口をむちゅーってしているようにしか見えないのですが」
「アンタわざとやってるでしょ!」
「いやあ、かなみの恥ずかしがる姿がとても愛らしくて」
「ちょ! あ、アンタ、なに言ってんのよ! ……は、恥ずかしいじゃない」
俺の胸に頭を預け、かなみは俺の胸をくりくりと指でいじった。
「そして、そんなのろけを道行く通行人の方々に聞かせたくて」
「へ? ……あ、アンタ、アンタ、アンタ! こっ、こここここっ、ここ道じゃない! 道端じゃない!」
かなみの言うとおりここはごく普通の通学路であり、そして今は登校中なので学生さんがたくさんいる。知った顔もちらほら。
「みっ、みんな見てるじゃないの! 降ろしなさい! 今すぐ!」
「怪我人を歩かせるなんて、俺のダンディズムが許さない。あと、ダンジネスも許さない」
「ダンジネスって誰!? ていうか早く降ろせっ、ばかーっ!」
真っ赤な顔でじたじたと暴れるかなみだった。
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