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2024年12月04日
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【ツンデレに邪魔をしたら】
2014年06月09日
「恥ずかしながら、がをられが竹井10日の作だったというのを知ったのはアニメを視聴してからなんだ」
登校するなりクラスの婦女子たちと談笑していたかなみたちの輪に割り込んで思いの丈をぶつける。
「……あのね。挨拶くらいできないの?」
「おはよう」
「おはよう。じゃあ、あたし友達と楽しくおしゃべりしてる最中だから邪魔しないで」
「分かった。それはそうと以前から自分が好きな作家の作品がアニメ化するってこんな楽しいものなんですね。俺はとても嬉しいよ」
「アンタ人の話聞いてんのッ!?」
「聞いてはいるが聞き入れてはいない」
どういうわけか朝からとても殴られ不愉快。
「痛いのだが」プンスカ
「るっさい! プンスカじゃないわよ! 怒ってるのはこっちの方!」
「いいや、それは違うね! 一番怒っているのは朝っぱらから変な奴に訳の分からんことを聞かされたクラスメイトの女性たち! 今更ながら非常に申し訳ない! すいません!」
とりあえずぺこりと頭を下げ、女生徒たちの怒リミットゲージを下げることを試みる。これが満タンになるとクラスで俺の陰口が一斉に広まり今後の学生生活に支障が出ること請け合い。
「あたしにも謝りなさいよ!」
「生きててすいません」
「重いッ! そういう謝罪じゃなくて!」
「あ、あー。アレね、アレ」
「そうよ。ったく、すぐに分かりなさいよね」
「ポケロリまでは追いかけてたんだけどその後金が尽きてね。後で買おうと思ってたらつい忘れててこの有り様ですよ。ファンとして申し訳ない。あっ、ゲームは全部やりましたよ?」
「んなこたぁどーでもいいっ!」
「カナ坊とすずねえとはるぴーが好き」
折角の嗜好発表の場をアイアンクローに汚される。
「は・や・く・あ・た・し・に・あ・や・ま・れ」ギリギリ
言葉の一区切り毎に指がこめかみにめり込み、脳髄がSOSをしきりに訴える。一刻の猶予もない!
「ゴメンネ☆」
「…………」ギリギリギリ
「謝罪したのに痛みが増した。解せぬ」
「アンタがしたのはあたしを馬鹿にしただけッ! ……あーもう、いいわよ。あたしも疲れちゃった」パッ
「ゴリラにも乳酸って溜まるんだ。あっ、これ怒られるパターンだ! 先に謝ったら怒られないかも! ゴメンネ☆」
駄目でした。
「ったく、本気馬鹿」
「いやはや。あ、邪魔してごめんな。どうしてもこの思いを誰かにぶつけたかったんだ」
「ものすごい迷惑なんだけど」ジトーッ
「や、こういうなんでもないことを気軽に言える奴ってのがかなみしかいなくてなあ」
「なっ……!」
かなみが赤くなるのと、俺たちを見守っていた女生徒たちが黄色い声を上げるのは、ほぼ同時だった。
「なっ、あっ、アンタ何言ってんのよッ!!!」
「みかんの筋を取るか取らないかという議論の提案」
ものすごいアワアワしてる姿に惑わされ、こちらの思考も惑わう。いつも通りという噂もあるが気のせいだ。
「してないッ! あたしは取る派!」
かなみは律儀なのかもしれない。俺は取らない派。
「じゃなくてっ、そっ、そのっ、さ、さっきの……?」
「あー。かなみって喋りやすいよな。気の置けない間柄ってーの?」
「そ、そなんだ……へへへ」ニマニマ
「俺にはもったいないくらい出来た友人だと思うぞ!」ビシッ
「…………へ?」
「どうした、呆けた顔をして。俺にサムズアップはそんなに似合わないか?」
「え、いや、……え? 友人?」
「あ、これは失礼。知人でしたな」
「下がった!?」
「む、違ったか。恋人でしたっけ?」
「っ!! だっ、誰と誰が恋人だってーの! アンタとなんて絶対ありえないわよ! ばーかばーかばーか!」ペシペシペシ
「痛い痛い。叩くな、人の頭をぺしぺし叩くな」
「ばーかばーかばーか!」ペシペシペシ
「痛い痛い。冗談です、冗談ですから!」
「ばーかばーかばーか!」ペシペシペシペシ
「ひぃ、両手に!」
このままでは身長が縮むかもしれないという恐怖に襲われたが、どういうわけかやたらかなみが嬉しそうだからまあいいや。
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そして相変わらずかわゆすぎて死ぬる!