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2024年11月23日
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【ツンデレに膝枕してって言ったら】

2010年04月20日
 中庭で昼飯食ったら眠くなった。そこで、芝生で友人らと楽しげに談笑しているかなみの膝に頭を乗せたらすごい殴られた。
「ぼ、暴力はいけないと思います」
「何も言わずにいきなり膝枕してきた奴にどうしろって言うのよ!」
「ああ、それが悪かったのか。ええと、眠いので膝枕して」
 また殴られた。今度はちゃんと言ってから頭を乗せたというのに……何が悪いのかさっぱりだ。
「なんでアンタなんかに膝枕なんかしないといけないのよ!」
「眠いから」
 なにかまた言ってはいけないことを言ったようだ。かなみはまるで怒りに耐えるようにぷるぷる震えながら拳を握り締めている。
「かなみー、いーじゃん膝枕くらい。恋人のお願いなんだから」
 かなみの友人さんが衝撃の事実を告げた。
「だっ、誰がこんな奴の恋人だってのよ、誰がッ!」
「彼女の言によると、かなみが俺の恋人らしいが……いや、まったく知らなかった。というわけでかなみ、恋人に膝ま」
 最後まで言う前にまた殴られた。
「もう顔痛いです……かなみの友人さんでもいいです、膝枕してください」
「え、私? んふふ~、どーしよっか、かなみ」
 友人さんはかなみにいやらしい笑みを見せた。
「な、なんで私に聞くのよ……勝手にしたらいいじゃない」
「あ、そう? んじゃいいよ。はい、ひざまくら~」
 許可が出たので、友人さんの膝に頭を乗せる。うむ、心地よし。
「…………」
 ただ、隣でじっと俺と友人さんを何か言いたげに見ているかなみがいなければ、言うことなしなのだが。
「かなみ、代わる?」
「なっ、なんでよ! こんな奴に膝枕するなんて、アンタも大概変ね」
「そう? 男の子に膝枕するのって、なんか憧れたんだーアタシ」
 そう言って、友人さんは優しく俺の頭をなでた。心地よくて、なんだかこのまま寝てしまいそうだ。
「…………」
 けど、なにか、何か物足りない。気持ちいいのは確かなんだが、どうもしっくりこない。
「ちょい失礼」
「わっ、な、何すんのよ!」
 芋虫のようにもぞもぞ移動して、かなみの膝に頭を乗せる。
「や、やめてよ、素子にしてもらったらいいじゃない」
「うん、これだ」
「へ?」
「やっぱかなみの膝枕じゃなきゃダメだ。なんか安心できない」
「な、なによ、安心って……」
「前に膝枕してもらったことあったろ? それで、俺の頭がかなみしか受け付けなくなっちまったみたいだ」
 なぜか、かなみの顔が赤く染まった。
「そ、それなら仕方ないわね。……我慢してあげる。ほんっと、タカシって変な奴」
「……くくっ、あははははっ! あんたら、そこらのバカップルよりタチ悪いよ」
 何か堪え切れない様子で、友人さんは一人笑っていた。
「……うー、ばか」
 かなみはかなみで、ぶちぶち悪口を言いながら俺のほっぺを引っ張っていた。

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