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2024年11月22日
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【ツンデレと初詣】
2010年05月05日
正月。かなみが晴れ着でやってきて初詣に行こうとうるさい。うるさいので無視してたらロープでぐるぐる巻きにされ、無理やり連れ出された。
「ほら、アンタもお賽銭入れなさいよ」
「手が出ません」
晴れ着の群れの中にロープ男がいるのは大変珍しいのだろう、皆が俺をじろじろ見てて非常に辛い。
「ほら、口でやりなさい」
かなみが5円玉を俺の口に咥えさせた。俺を何だと思ってるんだこの娘さんは。
仕方ないので口で咥え、ぷっと空中に吐き出し、器用に回転させて賽銭箱に入れると拍手が舞い起こった。お辞儀するとおひねりが飛んできた。
「かなみ、拾って拾って」
「いらんことすんな!」
かなみは俺を殴ると、人気の少ない場所へ俺を引っ張って縄を解いた。
「やれやれ、恥ずかしかった」
「……アンタ、なんでパジャマなの?」
それは俺がパジャマなのに有無を言わさず縄でぐるぐる巻きにする人がいるからです。
「……なんでこんな奴と来ちゃったのかな、あたし」
軽く頭を押さえるかなみに、無理やり連れてきたのはお前だろと言いたいけど言えない。殴られるから。
「……まーいーや。ほら、おみくじしよ」
かなみに手を引かれ、おみくじ売り場へ。そこでは、巫女さんが売り子をしていた。
「巫女は処女しかなれないと聞きましたが本当ですか? 仮にそうなら処女検査があるのですか?」
「いきなり何聞いてんのよアンタはッ!」
巫女さんに質問したらかなみに蹴り飛ばされた。
「ったく、馬鹿。……そこの馬鹿の分も一緒にください」
かなみは俺の分もおみくじを買ってくれた。渡された紙切れを開く。大吉だった。続けて書いてある一文に目を通す。
『かなりのラッキーガイです。しかし、賽銭をたんまりくれるとさらなる幸運が!』
この神社、頭おかしい。
嫌な一文から目をそむけかなみを見ると、明らかに落胆していた。
「まさか大凶?」
こくりと頷き俺に紙切れを渡す。恐る恐る文を読む。
『最悪です。超B・A・D! しかし、賽銭をたんまりくれると幸運が!』
この神社、頭おかしい。
どうしたもんかとかなみを見ると、ゆっくり賽銭箱のほうに向かっている。
「おまっ、あんな馬鹿な文句に騙されるなよ!」
「離して! あたしは幸運が欲しいのよ!」
かなみを羽交い絞めするが、思わぬ抵抗に遭う。
「俺のおみくじと交換してやるから! 大吉だぞ!」
「……いいの?」
ぴたりと抵抗をやめ、かなみは期待に満ちた目で俺を見つめた。
「構わん。元よりそういうのあんま気にしな」
最後まで言う前におみくじを引っ手繰られた。
「おまえなぁ、もうちょっと……」
「やった! アンタみたいなのでも、たまには役に立つわね♪」
文句言おうと思ったけど、かなみのお日様のような笑顔を見てしまってはその気も失せてしまう。
「ほら、木に結ぼ! アンタの大凶、ここで落としていかないとね!」
ひらひらとおみくじを振るかなみに、俺は軽く嘆息して着いていくのだった。
「ほら、アンタもお賽銭入れなさいよ」
「手が出ません」
晴れ着の群れの中にロープ男がいるのは大変珍しいのだろう、皆が俺をじろじろ見てて非常に辛い。
「ほら、口でやりなさい」
かなみが5円玉を俺の口に咥えさせた。俺を何だと思ってるんだこの娘さんは。
仕方ないので口で咥え、ぷっと空中に吐き出し、器用に回転させて賽銭箱に入れると拍手が舞い起こった。お辞儀するとおひねりが飛んできた。
「かなみ、拾って拾って」
「いらんことすんな!」
かなみは俺を殴ると、人気の少ない場所へ俺を引っ張って縄を解いた。
「やれやれ、恥ずかしかった」
「……アンタ、なんでパジャマなの?」
それは俺がパジャマなのに有無を言わさず縄でぐるぐる巻きにする人がいるからです。
「……なんでこんな奴と来ちゃったのかな、あたし」
軽く頭を押さえるかなみに、無理やり連れてきたのはお前だろと言いたいけど言えない。殴られるから。
「……まーいーや。ほら、おみくじしよ」
かなみに手を引かれ、おみくじ売り場へ。そこでは、巫女さんが売り子をしていた。
「巫女は処女しかなれないと聞きましたが本当ですか? 仮にそうなら処女検査があるのですか?」
「いきなり何聞いてんのよアンタはッ!」
巫女さんに質問したらかなみに蹴り飛ばされた。
「ったく、馬鹿。……そこの馬鹿の分も一緒にください」
かなみは俺の分もおみくじを買ってくれた。渡された紙切れを開く。大吉だった。続けて書いてある一文に目を通す。
『かなりのラッキーガイです。しかし、賽銭をたんまりくれるとさらなる幸運が!』
この神社、頭おかしい。
嫌な一文から目をそむけかなみを見ると、明らかに落胆していた。
「まさか大凶?」
こくりと頷き俺に紙切れを渡す。恐る恐る文を読む。
『最悪です。超B・A・D! しかし、賽銭をたんまりくれると幸運が!』
この神社、頭おかしい。
どうしたもんかとかなみを見ると、ゆっくり賽銭箱のほうに向かっている。
「おまっ、あんな馬鹿な文句に騙されるなよ!」
「離して! あたしは幸運が欲しいのよ!」
かなみを羽交い絞めするが、思わぬ抵抗に遭う。
「俺のおみくじと交換してやるから! 大吉だぞ!」
「……いいの?」
ぴたりと抵抗をやめ、かなみは期待に満ちた目で俺を見つめた。
「構わん。元よりそういうのあんま気にしな」
最後まで言う前におみくじを引っ手繰られた。
「おまえなぁ、もうちょっと……」
「やった! アンタみたいなのでも、たまには役に立つわね♪」
文句言おうと思ったけど、かなみのお日様のような笑顔を見てしまってはその気も失せてしまう。
「ほら、木に結ぼ! アンタの大凶、ここで落としていかないとね!」
ひらひらとおみくじを振るかなみに、俺は軽く嘆息して着いていくのだった。
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