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2024年11月22日
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【ツンデレがどうしても観たくて行った映画がおもいっきり地雷だったらどうなるの】

2010年06月03日
「……かなみさん、ひとつよろしいでしょうか?」
「何よ? あ、ポップコーン買って来て。おごりで」
「(黙殺)どうして俺が映画館にいるのでしょうか?」
「……(無視されたことにやや腹を立てながら)今日はレディースデーだから安いのよ? 知らないの?」
「あいにく俺は股間になんか付いてるので通常料金で……いや、そうじゃなくて、なんで俺まで映画見なきゃいけないんだ? 一人で見りゃいいだろ」
「いっ……いいでしょ!? どうせ休みだからって家でダラダラしてるだけでしょッ!」
「決め付けるなよ。……まぁ、当たらずとも遠からじだけど」
ビー
「あ、映画始まる。ほら、ポップコーン買って来て」
「えー、予告編見たい……」
「いいから!」
「…………」

 上映が終わり、近所の喫茶店にて感想会。
「…………」
「…………」
「……あんなのが見たかったのか?」
「ちっ、違っ! 予告編で見たときはもっと面白そうだったの!」
「いやいや、無理しなくていいって。かなみのレベルにぴったりの作品だったな」
「ばっ、馬鹿にしてーーーーーーーーーーーー!」
「ばーか、ばーか」
 ひらりひらりと小馬鹿にした踊りを舞う。店員や客の視線がとても辛い。
「そういうこと言ってるんじゃない!」
 すごい殴られる。
「しっかしアレだな、おまえも寂しい奴だな」
 殴られた顔をさすりながらしみじみと言う。
「な、何よいきなり」
「せっかくの休みに俺なんかと二人で映画か。他に誘う奴いなかったのか?」
「そ、それくらいいるわよ!」
「へぇ~ほぉ~ふぅ~ん」
「私はただタカシと一緒に見たかっただけで!」
「……ほぉ」
「あっ! ち、違う! そうじゃなくて、えっと、……あぅ」
 真っ赤になってうつむくかなみに、俺はにっこり笑って言った。
「まぁ映画はアレだったけど、俺はかなみと一緒に休日過ごせて悪くなかったぞ」
「!? あ、あんた何言って……」
 かなみは顔を上げ、酷く驚いた様子で俺を見つめていた。
「……タカシ」
「何だ?」
「鼻血垂れてるわよ」
 言われてみれば鼻に違和感。先ほどの暴行が今にして実を結んだということか。
「これも素敵な思い出だ」
「鼻血が……?」
 怪訝そうに、だけどどこか楽しそうに微笑むかなみだった。

 そこで調子に乗ってかなみの顔に鼻血をなすりつけたら大変なことになった。
 俺が。俺の顔が。

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