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2024年12月04日
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【ショートケーキのイチゴを先に食べるのか後で食べるのかで言い合いになる男とツンデレ】
2013年09月06日
ケーキが食べたいのでケーキ食べたいとかなみに言ったら、うるさいと言われた。
仕方ないので耳元で食べたいと囁いたら、超殴られた。あんなに顔を真っ赤にして怒らなくてもいいと思います。
あと、そんなに耳を押さえなくてもいいと思う。俺の声はそんなにダメなのか。
あと、そんなに耳を押さえなくてもいいと思う。俺の声はそんなにダメなのか。
さて。怒られた程度で俺の甘味欲が治まるはずもなく、近所のケーキ屋さんへ出向くことにした。ということを未だ顔を赤くしてフーフーしてるかなみに告げたら、「私も行く」とか言い出した。
「発情してる犬みてえ」
と思ったが、言わないでおこう。というつもりだったのだが、さらにかなみの顔が赤くなっていくところを見るに、ああ、言ってしまったんだなあという想いが胸に去来します。
さる事情により頬を腫らしつつ、かなみと一緒に近所のケーキ屋へ。
「さってと。なーににするかなー」
「ケーキなんて久々ね。それもおごりなんて♪」
「えっ」
びっくりしてかなみの方を見るが、奴ときたら楽しげにルンルン鼻歌なんて口ずさみながらショーウィンドウの中身を選んでやがる!
楽しそうなら仕方ない。財布に大ダメージだが、甘んじて受け入れよう。さて、俺は何にしようかな。
「……ね、ねー」
などと思いながら舐めるようにケーキを見つめていると、不意に背中を引っ張られるような感覚が。見ると、所在無さげな顔でかなみが俺の背をクイクイ引っ張っていた。
「じ、冗談だよ? おごらなくてもいいよ?」
「断る。たとえフリだとしても、あんな楽しそうなかなみを見せられ、どうして割り勘できようか! ここはおごらせてもらおう」
「いっ、いいよ! 冗談だし! ……それに、ほら、ここ結構高いよ?」
俺の耳に顔を寄せ、かなみがポショポショと囁く。
「ウヒヒィ」
それがなんだかむず痒気持ち良かったので、思わず声に出てしまい、かなみがしかめっ面をした。
「……妖怪なのは知ってるけど、どこでもそれを出すのはやめてよね。私まで妖怪扱いされちゃう」
「妖怪じゃないです。人間です。さもそれを既知の事実のように喋るのはやめてくれませんかねェ……?」
「あははっ」
ケラケラと笑いながら遠慮なく人の背中をばんばん叩く。痛いっての。
「あー楽し……っ! く! は! ない! けど!」
なんか急に顔を赤くして叫びだした。負けるかッ!
「は! か! た! の! 塩!」
「対抗すなッ!」
「すいません」
俺のせいで店内がスイーツムードから伯方の塩ムードに。
「かなみは天ぷら何派? ちなみに俺は天つゆ派」
そこでさらに塩ムードを強めようと天ぷらの話をしてみたが、つい天つゆと言ってしまった。
「いきなり何を言い出してんのよ! そしてさっきの発言を使うなら嘘でも塩派って言いなさいよ!」
「俺もそう思ったが、気づいたら天つゆって言ってた。もうどうしようもないから野球の話でもしようぜ。どのバットが好き?」
「しないッ! この子は……本当に」
何やら疲れた顔をされた。色んな人に迷惑をかけて申し訳なく思う。
「……まあいいわ。私も天つゆ派よ」
「ケーキ屋に来てなんで天ぷらの話してんの?」
「アンタがふったんでしょうがッ!」
とても怖かったし、いい加減お客さんや店員さんの視線が気になるのでケーキの話をすることにする。
「かなみはさ、ショートケーキのイチゴって先に食う? 後に回す?」
「アンタにしてはまともな話ね。何か裏があるんじゃないでしょうね……?」
ただ聞いただけなのに、非常に怪しまれる。普段が普段なのでこのような扱いも仕方ないと言えよう。もっとまともになろう。
「……まあ、裏があっても最悪ぶん殴ればいっか。ええとね、私はイチゴは先に食べるわ」
「えっ、殴られるの?」
「殴られるの」
一応確認してみたが、やはり殴られるらしい。辛い。
「まあいつものことだし、いいや。しかし変わってるな、先に食うなんて。普通後で食うだろ、最後のお楽しみとして。ゆうべはおたのしみでしたね」
「いらんことは言わんでいいっ! ていうか、アンタにだけは変わってるとか言われたくないんだけど」
「そんな人を変人代表みたいに言うない。これでも一般人代表として宇宙人にさらわれるのを夢見る程度には平均的だぞ?」
かなみが『どこがよ』って顔をした。
「ちなみに宇宙人が女性形(幼女ならなお良し)ならいいなあ、嬉しいなあ! そしたら俺、世界初……いや、有史始まって初の異世界婚するんだ!」
「もしその宇宙人がグレイみたいなのだったらどうするのよ」
「男色の趣味はないから断るよ」
「そっちのGLAYじゃないッ!」
「なんだ。急にホモ話になったからびっくりした」
「こっちの方がびっくりよ。アンタと話してると疲れるわ……」
「じゃあ甘いもの食って癒やされよう。かなみは何にする?」
「えっ? えと……じゃあ、ショートケーキ」
俺の話に触発されたのか、かなみはイチゴがちょこんと乗ったシンプルなショートケーキを選んだ。
「俺は……えーと、これ」
チョコケーキを指すと、ショーケースの奥にいる店員さんがトングで挟んだ。しまった、かなみとの話に夢中で店員さんがこんな近くにいるなんて気づかなかった。これは恥ずかしい。
「かなみ、『こ、こんな格好……恥ずかしいよぉ』ってM字開脚しながら言って」
「するかッ!」
俺がいかに恥ずかしかったか、かなみに代弁させようとしたが、失敗した。あと、殴られた。店員さんにも笑われた。チクショウ。
お金を払って商品を受け取り、店を出る。
「……ね、ねー。ホントにおごってもらっちゃったけど、よかったの?」
宝物でも持ってるかのように大事そうにケーキの入ってる箱を抱えたまま、かなみが俺に訊ねる。
「よくない。払え。倍払え。いや、やっぱ身体で返せ。一生かけて身体で返せ。ひとまず今日のところはおっぱいを揉ませてください」
ものすごく頬をつねられたので黙る。
「冗談はいいからさ。自分の分くらい自分で出すよ?」
「いや、いいって。俺一人でファンシーなケーキ屋に行く勇気なんて持ってないし、付き合ってもらった礼とでも思っとけ」
「むーっ……」
むーって言いながらかなみがむーって膨れた。かわいい。
「どうしても不満なら、ケーキ食べる時に俺にあーんとかしてくれるか?」
よし、これでかなみも『何言ってるのよ馬鹿! 死んでも嫌よ! というか死ね! 死んで生まれ変わって自殺しろ!』と言うに違いない。そして俺の中のかなみ像が酷すぎる。想像なのに泣きそう。
「えっ……。……わ、わかった。しょがないもんね。おごってもらったお礼だからね。うん」
想像と違う。なんか頬を染めてコクコクうなずいてる。
「あ、あのー、かなみさん?」
「なに? ……え、えと、あーんの練習?」
そんな練習聞いたことねえ。
「そ、そうよね。難しいもんね。あ、でもケーキ使うわけにもいかないし……じゃ、じゃあ、私の指で、練習する?」
おかしい。なんか全体的におかしい。
「じゃあ、私が指をアンタの口の前に持ってくから、あーんって言ったらその指を咥えるのよ?」
ケーキを買いに来たら野外プレイすることになったでゴザル、と思いながら帰宅しました。
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つまりエロかわいい!!
いやっほーぅ!!