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2024年11月22日
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【ツンデレと恋人ごっこをしたら】

2010年02月08日
 久しぶりの休日だというのにすることがない。あまりに暇なので友人のいずみを呼び出したが、それでも暇だ。
「なーなー、タカちゃん、なんかせーへんの? なーなー、なーなーて」
 こいつを使って何か面白げなことを思いつきたいのだが、なーなー言いながら俺の腕をゆさゆさ揺するちっこい物体のせいで思いつかない。
「全部お前のせいだッ!」
「何が!?」
「む、驚き顔のいずみを見て思いついた。恋人ごっこしよう」
「何で!?」
「よく驚く人だなあ」
「いや、そやなくて! ……な、なんでウチと恋人ごっこするん? あ、アレなん、ウチのこと、その、タカちゃん、す、す、す……」
「暇だから」(断言)
 赤らんでいたいずみの顔がはぅーって感じになった。
「暇やからって……」
「あと、身近な女の子でエロい欲求を手軽に満たしたい」
「絶対せーへん!」
 どういうことか、へそを曲げられた。
「というのは冗談で、本当はいずみのことが大好きなんじゃないカナ」
「え……ほ、ホンマに?」
「いや、どうだろう」
「どないやねんっ! タカちゃんのテキトー星人!」
「いや、人間です。厳密に言えば地球人です。地球星人?」
「うっさい! タカちゃんのあほー!」

 まあその後も紆余曲折あったが、適当にだまくらかして恋人ごっこ契約成立。
「えっちなんは絶対なし! ええな!」
「任せろ」
「……めっちゃ信用できひん」
「大丈夫、いきなり挿れたりしない」
「ウチ帰る!」
「待て待て、冗談だ。まったく、いずみたんったらー♪」
「うわっ、キモ!」
 恋人っぽく振舞ってみたら気持ち悪がられ悲しい。
「あっ、ウソウソ、嘘やで。ホンマはキモ可愛いから可愛いを抜いた感じや」
 一瞬喜んだが、よく考えると感想が変わってないので依然変わらず悲しい感じだ。
「あははー。……酷いことせーへんかったら、えーよ?」
 ふんわりした笑顔を浮かべ、いずみは俺に体を預けた。
「よし、縄、縄……あと、ムチ」
「早速酷いことされる!?」
「よく考えたらそんな趣味はないのでSMはしない」
「や、やんね。もー、驚かすんナシやで」
「浣腸と、洗面器と、それから……」
「帰るー! ウチおうち帰るー!」
「いやいや、冗談に決まっとろーが」
 幼児化してまで逃げようとするいずみを背中から抱きしめる。
「……ホンマに? 酷いことしたら嫌やで?」
「しないしない。俺が神と崇めるスポポビッチ様に誓ってもいい」
「額にMの刺青がある変態を神と拝める奴の言う事なんか信じられへん!」
 詳しいな。スポポビッチマニア? スポマニ?
「じゃあ自身に誓って、しない」
「……それやったら、まあ、信じたってもええケド」
 いずみは俺の膝の上でくるりと向きを反転させた。俺の胸を指でくりくりしつつ、少しうるんだ瞳を向ける。
「納得したようなので、とりあえずキス」
「そんな『とりあえずビール』みたいな感じではウチのファーストキスはやれへん!」
「む。なれば、とりあえず抱っことしゃれ込もうではないか」
「ええけど……タカちゃん、ムードとかもうちょっと気にした方がええで」
 言いながらも、いずみは俺にぎゅっと抱きついてくれた。
「極めてささやかな膨らみ……膨らみ?が俺の胸を優しく刺激しているような、気のせいのような……気のせいだな」
「失礼なモノローグは口に出すな、あほー! 気のせいちゃうわ! めっちゃあててるっちゅーねん!」
「確かに、肋骨はごりごりあたってる」
「おっぱいや! あててんのよ、や!」
「よく分からんな。どれ、直接あててみてはどうだろう」
「それは名案! ……やないわ、あほー! するわけないやんか!」
「どれどれ……ほほう」
「するわけない言うてんのに何でウチの服まくりあげてんのこの人!?」
 一瞬だけ桜色の突起物が見えたが、やたらめったら頭をぺこぽこ叩かれたので、すぐに服を戻さざるを得なかった。
「うー……おっぱい見られたぁぁ……。なんでブラまで一緒にまくりあげんねん。タカちゃんのあほー……」
「おっぱいって平面でしたっけ。俺の記憶だと立体だと思いましたが」
 鬼気迫る顔で睨まれた。超怖え。
「これから成長するんや!」
「乳首が?」
「おっぱい全体が! ぼかーんってなんねん! すっごいことになるねんで!」
「爆発するの?」
「うがー!」
 貧乳が怒った。どんな獣(近所の人懐こい犬に限る)をも恍惚とさせる魔技、なでなでをもって落ち着かせる。
「……タカちゃん、ウチのこと馬鹿にしてばっかや。ウチのこと、嫌い?」
 しばらくすると落ち着いたのか、俺に抱っこされたままでいずみはぽつりと呟いた。
「嫌いな奴とこんなことするわけねーだろ」
 ぽんぽんと背中を優しく叩く。ほふー、といずみから鼻息が漏れた。
「ほな、なんで? なんでいぢわるするん?」
「……えーと。照れ隠し、という噂がまことしやかに囁かれている、という噂」
 いずみの顔を見ないよう、そっぽを向きながらぼそぼそと。
「噂の噂なん? 変なのー」
「いやまったく。変だな」
 いずみの笑う気配に、知らずこちらも破顔。
 なんだか和んでしまったので、結局抱っこしたりほっぺをすりすりしたり名前を呼び合ったりしただけだった。気がついたら夜だった。
「超早え」
「はむはむ……ほむ?」
 俺のほっぺをはむはむしながら、いずみは器用に小首を傾げるのだった。

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No title
よくもにやけさせ俺の顔面を破壊したな!
死ね!なんかこう超健康なまま超長生きして何一つ心配なくみんなに看取られて安らかに死ね!
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