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2024年11月23日
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【ボクっ娘は男がまだ寝てると思っているようです】

2010年02月10日
 なんかボクっ娘が遊びに来たので遊んだら夜になったので泊めた。
 明けて翌日。朝なので起きようかでも眠いなあとまどろんでたら、何やらがさごそとボクっ娘付近から物音が。
「ふわあああ~……あふ。おあよー、タカシ」
 ねぼすけなボクっ娘にしては珍しく、俺より先に起きたようだ。よし俺も負けじと起きようと思うが、まぶたの野郎が俺の意思に反して開こうとしない。
「おあよー、おあよーってば。朝ご飯食べよーよ」
 ゆさゆさとボクっ娘に揺さぶられる。徐々に意識が覚醒していく。よし、起きる。起きるぞ。
「zzz……」
「うー、zが出るばかりで起きない……」
 自分が思う以上に俺という存在は頑ななようで、zを出すばかりでまぶたが開く様子がない。つか眠い。休みなんだからもっと寝させろ。
「……寝てる、んだよね?」
 そうです。寝てます。だからほっとけ。昼になれば起きるから。
「……えいっ」
 ぼふっ、という軽い音と共に、俺のすぐ隣に何かが寝転んだような感覚。
「えへへー♪ そいねー♪」
 やたら嬉しそうな声が隣から聞こえまする。
「……ふへー♪」
 人が操る言葉以外の何かを発しながら、梓が俺の頬をつんつんとつつく。たぶん。目つぶってるから分からんが。
「……もちょっとやってもだいじょぶかな? だいじょぶだよね?」
 あまりだいじょぶではない、とこっちが言う前に何か柔らかいものが俺の体をぎゅっと包み込んだ。
「はふ~……。あー、しゃーわせ」
 耳元から聞きなれた奴の声がすることから、たぶん抱きしめられてる。胸元に当たる控えめすぎる柔らかい感覚はアレか。アレなのか。
「あー。うー。一生こうしてたいにゃー」
「しかし、それでは日常生活を送るための行為全てが困難ではないかと愚考する次第です」
 このままでは俺の理性がメルトでダウンするので、なんでもない風を装いながら梓に話しかける。
「あー、そかもしんないねー。でも、しゃーわせだからしょーがないのだー。……あり?」
 ほにゃほにゃの笑顔を崩し、不思議そうな顔で俺を見つめる梓。
「どうかしたか?」
「え、えっと……あれ? ……起きてる?」
「寝てる」
「起きてるじゃん! すっごい目開いてる! しかもめちゃめちゃ会話してる!」
「そういう人なんだ」
「そんな人いないっ! ていうか離れろっ、ばかっ!」
「しかし、俺は抱きつかれているので、俺から離れるというのはとても難しいのです」
「うっ、うっさい!」
 ばばばっと手を解き、梓は慌てて俺から離れた。赤い顔で俺を睨んでいる。
「う~……お、起きてるなら起きてるって言えよなっ!」
「起きてる」
「言うのが遅いっ!」
「起きてる」(0.1秒)
「そういうことじゃないの! 分かってるくせに! タカシのばか!」
「馬鹿だと!? 許せぬ発言! 罰として俺が寝てると勘違いしての痴態全てを友人らに一言一句違わず伝える!」
「な……なんておっそろしーこと考え付くんだよ!? タカシ悪魔だよ! ていうか痴態言うなっ!」
「それが嫌なら朝ごはんを俺に作るのだな。ふふ……ふわーっはっはっは!」
「あ、お腹空いたんだね。何がいーい? パン? ごはん?」
 普段俺を餌付けしているクセが出たのか、梓のテンションが普通に戻った。
「ごはん。玉子焼きが食べたい」
「ん、分かったよ。卵あったかなあ……」
「なかったら産め」
「ボク哺乳類!」
「カモノハシも哺乳類だが、卵を産む。頑張ればお前もできる!」
「頑張らない! なんだって朝から変なことばっか言うかなぁ……」
「たぶん、起き抜けに抱きつかれて気分が高揚してるからじゃないかな?」
「まっ、混ぜっ返すなっ、ばかっ! せっかく忘れてたフリしてたのにい! もー、タカシのばかぁ!」
 真っ赤な顔で俺をぺけぽけ叩く梓だった。

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Comment
無題
梓はかわいいなぁ
無題
梓は可愛いなぁ
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