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2024年11月23日
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【ボクっ娘が告白と勘違いしたら】

2010年02月12日
 こんにちは、今日もボクっ娘に餌付けされる俺です。
「なんでいっつもボクがタカシなんかにご飯作らなきゃいけないんだよ……」
「たぶん、放っておかれると餓死からじゃないかな?」
「分かってるなら自分でどうにかする努力しろっ!」
 とか言いつつも、俺に飯をよそってくれる梓はいい奴だと思う。
「いただきます」
「おあがりなさい。まったくさぁ、今はいいけど、こんなじゃ将来困るよ?」
「むしゃむしゃ……何がだ?」
「ほら、……いつまでもボクが側にいる保障があるわけじゃないんだし」
 少し寂しそうに、梓は焼きたての魚を箸でつついた。
「……そうか? 俺にはずっとお前が側にいるようなヴィジョンしか浮かばないんだが」
「え……えええええっ!? そそそっ、それって……それって、それって!」
 突然梓が超うるせえ。
「いや、よく考えたら徐々にうるさくなる奴なんていないよな。はっはっは。ご飯おかわり」
「おかわりとかはどーでもよくて! ……あ、あの、それってさ、そーゆーことなの?」
 俺の大事すぎる用事をどうでもいい扱いし、梓はよく分からないことを言い出した。
「そうだ」
 分からない時は肯定しておけという恩師の教えを思い出し、強くうなずく。
「は、はぅぅぅぅ……」
 梓が沸いた。湯気出てる、湯気。
「よく分からんが、おかわりくれ」
「う、うん! ……はい、あなた。なんちゃって! なんちゃって!」
 なんか盛大に照れながら転がりまわってますよ。テンションについていけない。いや、負けるな俺! 全力でテンションを上げろ!
「ウヒヒヒヒヒヒヒヒ! ウヒ、ウヒヒヒ!」
 よし、全力でひかれた。
「なんか分からんが、落ち着け」
「言われなくても落ち着いたよ。むしろ落ち込んだよ……」
 なんでやねん。
「うー……早まったかなあ。でも、こーゆー変なところも好きだしなぁ……ちょっとずつ減らしてもらえばだいじょぶかな?」
「告白された」
「しっ、してないよっ! ボクが先にされたの!」
「? 何を言ってるのだろうか、この娘は」
「言ったじゃん! じゃんじゃんじゃん! ずっと側にいてくれって!」
「もぐもぐ……言ったかなぁ……ずずーっ、ん、みそ汁ダシ変えたか?」
「ううん、お味噌の種類変えたの。どう? おいしい?」
「おいしい。前のも好きだけど」
「そっか、よかった♪ ……じゃなくてえ!」
 さっきまでニコニコしてた奴が突然力強くテーブルを叩いたので、びっくりした。
「告白したじゃんかあ! さっき! ずっと側にいるびじょんがどーとかって!」
「む? むぅ……あ、ああ、言ったな」
「ほれ見たことか!」
 何がだ。
「いや、それと告白とどう繋がるのだ。ツナガル☆バングル」
「繋がりまくり☆ばんぐりまくりだよっ! つまり、ボクにずっと側にいてほしいってことだろ? それもー告白だよ!」
「ばんぐりまくりって何?」
「そんなところに食いつくなっ! それ言い出したらタカシが先に言ったツナガル☆バングルの方が意味分かんないよっ!」
「じゃあ説明してやる。ツナガル☆バングルとは、俺が以前体験版で遊んだゲームで、割と面白かったような記憶がある」
「そんな説明のーせんきゅーだよっ! ていうかいうかていうかさ、……あの、告白のつもりじゃなかったの?」
 こっくりうなずくと、梓の顔が赤やら青やらになって大変愉快。
「……た、タカシはさ、さっきまでのやりとり、忘れたよね?」
「俺が誰かの弱みをたやすく忘れるような聖人君子に見えるか?」
「……忘れないと、もータカシにご飯作ってやんない」
「лиёЩбЯгф」
「日本語は忘れなくていいの!」
「なんだ。ま、アレだ。兵糧攻めに遭っては敵わないので、とりあえず忘れてやろう」
「なんでそんな偉そうなんだよ……」
「好かれてる側だから」
「わ、忘れろって言ってるだろ、ばかっ!」
 真っ赤な顔でみそ汁をばしゃばしゃかけてくる梓だった。ていうか超熱い。やめてください。

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