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2024年11月23日
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【ツンデレにお前って萌えキャラだよなって言ったら】

2010年04月13日
 暇なので梓をからかおう。
「ボクっ娘、ちょっと来い」
「なに? タカシ」
「…………」
 反抗されないのもそれはそれでつまらないので、とりあえずほっぺを引っ張る。
「あぅ~! ひはひひはひ!」
 満足したので手を離すと、梓は痛そうにほっぺをさすった。
「いてて……いきなり何すんだよぉ!」
「萌えキャラはいじられてナンボと、さるゲームで言ってたのでな。俺もそれに倣ったまでだ」
「ボクは萌えキャラなんかじゃないよ!」
「なんだと! 頭のてっぺんから足の先まで萌えキャラのくせに、何を言うか!」
「ボクは頭のてっぺんから足の先まで理知的な大人の女性だもん! 萌えキャラなんかじゃないもん!」
 理知的な女性は語尾に“もん”なんてつけないと思う。
「じゃあ萌えキャラチェックだ。第一問、タイヤキを買ったが財布を忘れた。さぁどうする?」
「簡単だよ。ごめんなさい、財布忘れたんでやっぱ買わないです、って言ったらいいんだよ」
「その場合、店主がお前を肉奴隷にするぞ」
「怖いよ! そんなお店最初っから行かないよ!」
「仮定の話だ、仮定の。その店で買ってしまったとして、どうする?」
「うう……買わなかったら、その……なんとかにされるんだよね?」
「肉奴隷な。具体的には、まだ何者にも触れられていないであろう、まっさらな梓の」
「言わなくていいよッ! ……ええと、お母さんに電話してお金を持ってきてもらう、かなぁ」
「残念、そこの店主は電話が死ぬほど嫌いなんだ。携帯なんか使ったら、間違いなく梓はタイヤキの具にされるぞ」
「怖いよ! 怖すぎるよ! ていうか無茶苦茶だよ!」
「さ、どうする?」
「うう……買わないのもダメ、電話するのもダメ……それじゃ、色仕掛けでタダにしてもらうとか? うっふーん」
 梓は肩をはだけて俺に流し目を送った。
「残念、ボクっ娘には色気がないので色仕掛けは不可能だ」
「あるよ! ありまくりだよ! うっふーんだよ!」
 扇情的なポーズで色気を振りまこうとしているが、あまりうっふーんではない。
「そういうことはもっと大きくなってから言いなさい」
「おっきいよ! 大人だよ! 花の高校生だよ!」
「あ、いや、胸の話。勘違いさせて悪かった」
「謝られても嬉しくないよッ!」
 謝ったのに怒られた。
「とにかく、不可だ。どうする?」
「ええとええと……うーん、逃げるしかないかなぁ」
「食い逃げか!?」
「う、うん、それしかないよね?」
「結果が出ましたー。はくしゅー」
「え、もう? 質問一つしかされてないよ?」
「はくしゅー」
「う……ぱちぱちぱちー」
 やや不満顔だが、それでも梓は拍手した。口でぱちぱち言う必要はないです。
「はい、どうも。タイヤキを食い逃げすることから、梓は間違いなく萌えキャラです」
「ええっ、なんで!? ボク、萌えキャラなんかじゃないよ!」
「ええいうるさい! タイヤキを食い逃げした時点で、たとえ髭面のおっさんでも萌えキャラ化するのだ!」
「タカシ無茶苦茶だよぉ!?」
「無理が通れば道理が引っ込むとノッポさんが言ってただろうが!」
「ノッポさん関係ないよ! 第一、ノッポさん喋らないよ!」
「じゃあノッポさんは無罪ということで」
「よかったぁ。……あれ、別にノッポさんの話してたんじゃないよね」
「さて。暇も潰れたしどっか遊びに行くか、梓」
「あ、行く行くー。どこ行くの?」
 服を着替ようとしたが、梓が腕を引っ張るので着替えられない。
「ねーねー、どこ行くの? ねー」
「ちょっとは落ち着け。着替えるまで待て。ほれ、なでなで」
「あぅ……うー、すぐ撫でるぅ……」
 頭を撫でると、梓は嬉しそうに目を細めるのだった。……やっぱ萌えキャラだよなぁ。

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