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2024年11月24日
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【ツンデレな妹VSデレデレな姉10】
2010年03月20日
たまには真面目に授業を受けようと思ったら、教科書忘れた。仕方ないので、隣の子に頼んで見せてもらう。
「別府くん、よく教科書忘れるよね」
「前世が妖怪うっかりさんだったために、その呪いが今でも俺を苛むんだ」
「うっかりさん? なにそれ」
「妖怪うっかりさん。うっかり人を殺してしまい、その罪を隠すため嘘を重ね、さらに人を殺してしまった連続殺人鬼とはまるで関係ないうっかり妖怪。よくこける」
「あははははっ、変なの」
「そこの二人、イチャイチャするのもいいけど授業中は静かにね」
先生に注意され、二人して縮こまる。教室に哄笑が起きた。
「う、悪ぃ……」
「あ、あはは、いいよ」
「とにかく……ん?」
気のせいか、妹のカナらしき殺意を含む視線を後ろからひしひし感じる。なんか寒気が。
「どしたの、別府くん?」
「あ、いや、なんでもないなんでもない」
授業が終わり、そっと教室から脱出しようとしたら見覚えのある顔に遮られた。……カナだ。
「……お兄さん、少しお話いいかしら?」
「ダメかしら」
「いいから来い、このダメ兄貴ッ!」
「あぁん」
首根っこを掴まれ、ずるりずるりと引っ張られやってきた場所は空き教室。
「兄貴、なんでいっつも教科書忘れるのよ! 身内として恥ずかしいじゃない!」
「すいません」
なぜこんなに怒られてるのかイマイチ理解できないが、とりあえず謝っておく。
「それと、隣の子に引っ付きすぎ! 10m以上離れなさい!」
「そんな離れてたら教科書見えません」
「じゃあ視力上げたらいいじゃない! メガネしなさい、メガネ!」
「メガネしても10m先の文字を読むのは無理かと」
「見えるの! とにかく、引っ付きすぎ! 兄貴なんかに引っ付いたら、隣の子妊娠しちゃうでしょ!」
「カナは子供だから知らないかもしれないが、引っ付いただけで妊娠しないぞ。妊娠するには俺のペニ」
「知ってるわよ! いちいち言うな、脱ぐな!」
実践してみせようとしたら殴られた。
「とにかく! 兄貴がなんかしたら騒動が起きるんだから、じっとしてなさい」
「いや、でも教科書ないと授業が……」
「いくら兄貴でも、他の教科の教科書は持ってきてるでしょ?」
「……実を言うと、教科書を入れ替えた記憶がない。昨日の時間割のまま来たようです」
「……兄貴、ダメダメね」
深くため息をつかれた。まるで自分が本当にダメ人間になってしまったように思え、少し悲しくなる。
「しょーがない。あんまりクラスメイトに迷惑かけるのもなんだし、あ、あたしが教科書見せたげる」
「いや、隣の子に引き続き見せてもらうから別にいい」
「…………」(殺意放出)
「か、カナに見せてもらえるなんて今世紀最大の喜びだなぁ」(ガクガク震えながら)
「あ、あははっ、なに言ってんだか、兄貴ったら」
カナは嬉しそうに俺の背中をバンバン叩いた。
「そうと決まれば早く戻ろっ」
来た時とは正反対に、カナはともすればスキップでもしそうなくらい浮かれて教室を出て行った。
ため息をついて俺も廊下に出たら、見覚えのある胸に捕まった。
「タカくん発見~♪」
「このふにふに感は……お姉ちゃんだな?」
「当ったり~♪」
お姉ちゃんは学校だということをまるで気にせず俺の顔を胸に押し付け、ぎゅっと抱きしめた。気持ちいいけど、衆目が痛すぎる。
「あのね、お姉ちゃん次の時間自習なの。お姉ちゃんの教室で一緒にお喋りしよ?」
「え、いや、あの、俺は自習じゃ……」
「お姉ちゃんとお喋りするの嫌なの?」(お目目うるうる)
「い、いや、そういう問題じゃなくて……」
「タカくん、お姉ちゃんに飽きちゃったの……?」(涙じわーっ)
お姉ちゃん、学校でその発言は勘弁。ほら、生徒集まってる集まってる、すげー見られてる。
「別府の奴、まさか自分の姉と……?」
「別府くん、鬼畜……。でも、やっぱり感強しよね」
「してないっ! やっぱり感とか言うなっ! オーディエンスは黙っててお願いします!」
勝手なことを言う聴衆を一喝する。
「タカくぅん……」
お姉ちゃんが目に涙を溜めて俺をじっと見ている。心が折れそうだが、真面目に授業を受けないとダメだ。俺はお姉ちゃんに断りの言葉を
「あ、お菓子もあるよ。タカくんの大好きなカナちゃん特製クッキー♪」
「行く」
俺はお姉ちゃんと手を繋いでお菓子を食べに行くのだった。
「……どういうことか説明してもらっていいかしら、お兄様?」
自分の教室に戻ると、カナが俺の机の前で仁王立ちしててさあ大変。
「お、お腹が急に痛くなって! いてててて今もまさに! 盲腸が破裂したか?」
「なー別府、お前お姉さんと何やってたんだ? 後で詳しく教えてくれな」
お姉ちゃんとの一部始終を見ていた級友が余計なことを言った。ほら、カナが悪魔に変貌していく。
「いかん、連鎖反応で胃も破裂した! ちょっと保健室行って来る!」
極めてさりげない言い訳で教室を後にしようとしたら、肩をがっしと掴まれた。
「……兄貴、あたしね、ずーっと待ってたんだよ。隣の子に席代わってもらって、兄貴が来るのずーっと、ね」
「あ、あの、それはそれは大変でしたね」
「……で、当の兄貴は姉ちゃんとイチャイチャデレデレしてた、と」
「ちっ、違う! ちょっと膝枕してもらいながらクッキーを食べさせてもらってただけで!」
カナのこめかみが引きつった。……地雷踏んだ?
「……そう。イチャイチャイチャイチャデレデレデレデレしてたのね」
「かっ、カナ? お前の手が万力のごとく俺の肩を締め付けてるんだが」
めりめりと俺の肩が破滅の音を立てる。砕けそう。
「兄貴なんか一生姉ちゃんとイチャイチャしてなさい、このシスコンっ!」
「げごぉっ!?」
万力が金槌に変化し、俺の顎を上に打ちぬいた。見事なアッパーだ。
「……でも、カナちゃんもブラコンだよね?」
「な、なな、そ、そんなわけないじゃない! なんだってこんな奴に!」
友人にからかわれ真っ赤になるカナを視界に捉えたまま、失神。
「別府くん、よく教科書忘れるよね」
「前世が妖怪うっかりさんだったために、その呪いが今でも俺を苛むんだ」
「うっかりさん? なにそれ」
「妖怪うっかりさん。うっかり人を殺してしまい、その罪を隠すため嘘を重ね、さらに人を殺してしまった連続殺人鬼とはまるで関係ないうっかり妖怪。よくこける」
「あははははっ、変なの」
「そこの二人、イチャイチャするのもいいけど授業中は静かにね」
先生に注意され、二人して縮こまる。教室に哄笑が起きた。
「う、悪ぃ……」
「あ、あはは、いいよ」
「とにかく……ん?」
気のせいか、妹のカナらしき殺意を含む視線を後ろからひしひし感じる。なんか寒気が。
「どしたの、別府くん?」
「あ、いや、なんでもないなんでもない」
授業が終わり、そっと教室から脱出しようとしたら見覚えのある顔に遮られた。……カナだ。
「……お兄さん、少しお話いいかしら?」
「ダメかしら」
「いいから来い、このダメ兄貴ッ!」
「あぁん」
首根っこを掴まれ、ずるりずるりと引っ張られやってきた場所は空き教室。
「兄貴、なんでいっつも教科書忘れるのよ! 身内として恥ずかしいじゃない!」
「すいません」
なぜこんなに怒られてるのかイマイチ理解できないが、とりあえず謝っておく。
「それと、隣の子に引っ付きすぎ! 10m以上離れなさい!」
「そんな離れてたら教科書見えません」
「じゃあ視力上げたらいいじゃない! メガネしなさい、メガネ!」
「メガネしても10m先の文字を読むのは無理かと」
「見えるの! とにかく、引っ付きすぎ! 兄貴なんかに引っ付いたら、隣の子妊娠しちゃうでしょ!」
「カナは子供だから知らないかもしれないが、引っ付いただけで妊娠しないぞ。妊娠するには俺のペニ」
「知ってるわよ! いちいち言うな、脱ぐな!」
実践してみせようとしたら殴られた。
「とにかく! 兄貴がなんかしたら騒動が起きるんだから、じっとしてなさい」
「いや、でも教科書ないと授業が……」
「いくら兄貴でも、他の教科の教科書は持ってきてるでしょ?」
「……実を言うと、教科書を入れ替えた記憶がない。昨日の時間割のまま来たようです」
「……兄貴、ダメダメね」
深くため息をつかれた。まるで自分が本当にダメ人間になってしまったように思え、少し悲しくなる。
「しょーがない。あんまりクラスメイトに迷惑かけるのもなんだし、あ、あたしが教科書見せたげる」
「いや、隣の子に引き続き見せてもらうから別にいい」
「…………」(殺意放出)
「か、カナに見せてもらえるなんて今世紀最大の喜びだなぁ」(ガクガク震えながら)
「あ、あははっ、なに言ってんだか、兄貴ったら」
カナは嬉しそうに俺の背中をバンバン叩いた。
「そうと決まれば早く戻ろっ」
来た時とは正反対に、カナはともすればスキップでもしそうなくらい浮かれて教室を出て行った。
ため息をついて俺も廊下に出たら、見覚えのある胸に捕まった。
「タカくん発見~♪」
「このふにふに感は……お姉ちゃんだな?」
「当ったり~♪」
お姉ちゃんは学校だということをまるで気にせず俺の顔を胸に押し付け、ぎゅっと抱きしめた。気持ちいいけど、衆目が痛すぎる。
「あのね、お姉ちゃん次の時間自習なの。お姉ちゃんの教室で一緒にお喋りしよ?」
「え、いや、あの、俺は自習じゃ……」
「お姉ちゃんとお喋りするの嫌なの?」(お目目うるうる)
「い、いや、そういう問題じゃなくて……」
「タカくん、お姉ちゃんに飽きちゃったの……?」(涙じわーっ)
お姉ちゃん、学校でその発言は勘弁。ほら、生徒集まってる集まってる、すげー見られてる。
「別府の奴、まさか自分の姉と……?」
「別府くん、鬼畜……。でも、やっぱり感強しよね」
「してないっ! やっぱり感とか言うなっ! オーディエンスは黙っててお願いします!」
勝手なことを言う聴衆を一喝する。
「タカくぅん……」
お姉ちゃんが目に涙を溜めて俺をじっと見ている。心が折れそうだが、真面目に授業を受けないとダメだ。俺はお姉ちゃんに断りの言葉を
「あ、お菓子もあるよ。タカくんの大好きなカナちゃん特製クッキー♪」
「行く」
俺はお姉ちゃんと手を繋いでお菓子を食べに行くのだった。
「……どういうことか説明してもらっていいかしら、お兄様?」
自分の教室に戻ると、カナが俺の机の前で仁王立ちしててさあ大変。
「お、お腹が急に痛くなって! いてててて今もまさに! 盲腸が破裂したか?」
「なー別府、お前お姉さんと何やってたんだ? 後で詳しく教えてくれな」
お姉ちゃんとの一部始終を見ていた級友が余計なことを言った。ほら、カナが悪魔に変貌していく。
「いかん、連鎖反応で胃も破裂した! ちょっと保健室行って来る!」
極めてさりげない言い訳で教室を後にしようとしたら、肩をがっしと掴まれた。
「……兄貴、あたしね、ずーっと待ってたんだよ。隣の子に席代わってもらって、兄貴が来るのずーっと、ね」
「あ、あの、それはそれは大変でしたね」
「……で、当の兄貴は姉ちゃんとイチャイチャデレデレしてた、と」
「ちっ、違う! ちょっと膝枕してもらいながらクッキーを食べさせてもらってただけで!」
カナのこめかみが引きつった。……地雷踏んだ?
「……そう。イチャイチャイチャイチャデレデレデレデレしてたのね」
「かっ、カナ? お前の手が万力のごとく俺の肩を締め付けてるんだが」
めりめりと俺の肩が破滅の音を立てる。砕けそう。
「兄貴なんか一生姉ちゃんとイチャイチャしてなさい、このシスコンっ!」
「げごぉっ!?」
万力が金槌に変化し、俺の顎を上に打ちぬいた。見事なアッパーだ。
「……でも、カナちゃんもブラコンだよね?」
「な、なな、そ、そんなわけないじゃない! なんだってこんな奴に!」
友人にからかわれ真っ赤になるカナを視界に捉えたまま、失神。
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