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2024年11月21日
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【気持ち良さそうに眠るツンデレの口からよだれが垂れていたら】

2010年06月07日
 みおが俺の家まで遊びに来て、さっきまで適当に話してたはずなんだが、気づけばなんか爆睡してる。しかもよだれ垂れてるし。
「女性としての自覚ゼロだな、こいつ……」
 ほっぺをつついてみると、うっとうしそうに手で払ってる。口元がむにむにしてて、猫みてえ。
「んに……すひゃー」
「すひゃーじゃねえ」
 などと、寝言につっこみを入れてる場合じゃない。乳でも揉みたいところだが、揉むところがない。……じゃない、ばれたら大変なことになる。主に俺の命関連が。
 そういうわけで、毛布をかけてやろう。もうすぐ夏で暑いとはいえ、うっかり風邪でも引かれたら、無理やり俺の責任にされて酷い目に遭わされそうだし。
「んに……んー」
 そんなわけで優しさたっぷり毛布をかけてやったのに、みおの奴、あろうことかその毛布で涎拭きやがった。俺の毛布が!
「んぅ……う?」
 悲しみのあまり頭を抱えてたら、ふとみおの目が開いた。
「くぁぁぁぁぁ……ん。おあよー」
 猫のように大きく身体を伸ばしながらあくびをして、みおは舌っ足らずな挨拶をした。
「おあよ、じゃねえ。人んち来て寝るな」
「んー。なんか眠くってさー。オマエんち、なーんか落ち着くんだよなあ」
「壁に貼られている美少女ポスターの群れが、みおを優しく見つめているからじゃないか?」
「こんなオタク部屋がなんで落ち着くんだろなあ……あ、コレ」
 自分にかけられた毛布をひょいとつまみ、みおは俺を見た。
「俺様が寒かろう寒かろうと毛布を夜なべして編み、かけてやったんだ。感謝しろ」
「もう夏だし。放課後に来て夜なべも何もないし。編み物できねーだろーし。……でも、まあ、アリガト」
 最後だけぽしょぽしょと、少し恥ずかしそうにみおは言った。
「んむ、存分に感謝しろ。ところでみお、お前一応女の子なんだから、寝てる最中とはいえ涎を垂らすのはどうかと」
「んなの知らねーし。寝てる間のことまで分かんねーよ」
「俺だったからなんとか自制できたが、これが普通の男だったら今頃涎を舐めに舐められまくってるぞ」
「やんねーし! 普通の男はまず舐めようって考えとかねーし! つーかオマエ、まさかとは思うけど、舐めたりしてねーだろーな?」
「…………。うん、舐めてない」
「ぜってー嘘だ! その間はなんだよ!?」
「いや、なんとなく。とまれ、嘘じゃないよ? 本当に舐めてないよ?」
「ううううう……ぜんっぜん信じらんねーし。それ、ふつーに犯罪だかんな」
 みおは俺を犯罪者的な何かを見る目つきでじとーっと見た。
「いやはや。信用ないなあ、俺」
「普段のオマエの行動を鑑みるに、当然だろ。むー……」
「そんな可愛い感じで口を尖らせられても」
「そっ、そんなつもりじゃーねよ! ばか!」
 みおは顔を赤くしながら俺の背中をばんばん叩いた。
「痛い痛いっていや本当に背骨折れそうなくらい痛いのでやめて助けてぇ!」
「イチイチ叫ぶな、ばか! ……そ、それよりだ。ホントのところはどーなんだ? お、オレのよだれ、舐めたのか?」
「だから、舐めてないっての。いくらなんでも寝てる友達の涎をこっそり舐めるほど堕ちちゃあいないつもりだ」
「そ、そか。……あの、ごめんな?」
「いいさ」
「怒ってる?」
「怒ってない」
「……なんか言葉が怒ってる」
 みおは不満げに俺を睨んだ。まったく。こいつは普段は粗野なくせに、こういうところは無駄に気を使いやがる。
「本当に怒ってないっての。お前はいつもみたく、適当に笑ってろ」
 みおの頭をわしわし混ぜくりながら、わざとぶっきらぼうに言う。
「うぅ~。なんだよ、それってオレが普段馬鹿みたいじゃねえか」
「自覚がないとは。酷い馬鹿がいたものだ」
「うっせー! オマエの方がよっぽど馬鹿じゃねーか! 今日も教師に呼び出し喰らってたろ!」
「え、あ、いやあれはその、更衣室での色々が、その……まあいいじゃん。わはははは!」
「えろやろー」
「なんて不名誉な称号を授かってしまったものだろう」
「あはははっ。……んとな、あのさ。その、ごめんな? 疑って」
「またその話か。もう怒ってないから気にするなっての」(なでなで)
「うに……で、でもさ! ……あのさ、よかったら、オレの涎、舐める?」
「みおの頭がおかしくなった」
「なってねー! ほら、アレだよ。……お詫び?」
「お詫びに涎を舐めさせる、という話を聞いたことがないのは俺だけなのだろうか」
「う、うっせー! どーすんだよ、舐めるのか、舐めねーのか!?」
「そりゃどちらがいいといえば、もちろん舐めたいです」
「や、やっぱか。えろやろーだもんな、オマエ」
「そんなえろやろーに舐められるお前は何なんだろうな」
「い、いーから早くしろ!」
「わーったよ。動くなよ」
「う、あぅ……」
 みおの顔に自分の顔を寄せる。……ぐ、なんかいい匂いが。
「ま、まだ? もーいいか?」
「まだ全然。てか、ちょっと口開けろ」
「う、うぅー」
 みおは俺の顔をちらちら見ながら、おずおず口を開いた。隙間から八重歯が覗く。
「で、涎垂らせ」
「明らかに変態の欲求だ、この変態やろー!」
「お前が舐めさせるって言ったんだろーが。ほれ、早く」
「う、うぅ……」
 恥ずかしがるばかりで、みおはちっとも垂らそうとしない。あんまりにも遅いのでれろんと口周辺を舐めてやれ。せーの、れろん。
「ふひゃっ!? なっ、なにすんだっ、ばかっ!」
「すごく痛いっ!?」
 舐めると同時にすごく痛い感じのパンチを繰り出され、壁まで吹き飛ぶ。すごく痛い。
「なっ、なっ、舐めた、舐めたろ!? オレの口!」
「いたた……いや、周辺。口はセーフ」
「う、うっせー! 絶対舐めた! べろべろーって!」
「舐めてないっての……」
「うっせー、えろやろー! もーよだれはナシ! 口舐めたんだからいーだろ!」
「やってないと言うのに、頑な奴め。しかし、仮に口を舐めたのであれば、それはもうキスではなくって?」
「へ? ……う、うぅぅぅぅ~!」
 みおの怒りゲージと羞恥ゲージが一気にMAXへ上がっていくのが傍目にも分かる。そして、俺の命が大変ピンチなのも分かる。
「……し、しゅんごくさつ!」
「お?」
 何やら滅されたようで、死ぬほど痛い。
「こ、このえろやろー! オマエなんか、オマエなんか……その、アレだぞ、許さないかんな!」
「滅されたうえ、さらに何かされるとほぼ確実に死にますがよろしいか!?」
「オマエなんか死んじまえ、ばーかばーかばーか!」
 顔を真っ赤にしながら、床に転がる俺をぺしぺし叩くみおだった。

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