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2024年11月21日
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【ツンデレをしばらくほったらかしにしたら】

2014年09月16日
「ふみ」
「…………」ツーン
「あの。ふみさん」
「…………」ツーン
 困った。今日は休日なのだが、朝から近所の中学生のふみが家に来るなり、人の部屋を、俺の布団の領土を占領し、そこから非常に居心地の悪い視線を俺に送り続けている。
「えーと。もし用事がないのであれば、その、少し睨むのをやめてほしいのだけど」
「ふん。私をずっとずっとずーっとほったらかしにしてるおにーさんの言うことなんてききません」ツーン
「ほったらかしなんかにゃしてないと思うが……」
「にゃーとか言ってカワイコぶってもダメです。ちょっと可愛いけどダメです。……もっかいだけ言ってください、おにーさん」
「カワイコぶった記憶はない。そして簡単に籠絡されるな」ナデナデ
「私が猫好きと知っての策ですね。やはりおにーさんは一筋縄ではいきません。……あ、あと、もっかいなでなでしてください」クイクイ
「なんか今日のキミは可愛いな!」ナデナデ
「むっ。いつでもいつだって私は可愛いのです。あと、別にこのなでなで要求は別にそのアレですから勘違いしたら銃殺刑なのです」ウンウン
「意味が分かりません」
「むっ。手が止まってます、おにーさん」ムー
「あ、はい」ナデナデ
「んー」
 俺になでられ、ふみは気持ち良さそうに目を細めていた。さながら毛づくろいされる子猫のよう。しかし……。
「…………」ナデナデ
「…………。色々思うの禁止です」
「思想の弾圧が!」
 大変な事態に陥ったが、恥ずかしそうに頬を染めて俺を睨んでるふみを見てると、まあいいかと思ったのでまあいいか。

「ん。とりあえずなでなではいいです。とりあえずです」
「疲れた……」グテー
 いかになでるのが好きとはいえ、小一時間もなでてると手が取れそうです。
「次です、次。ぐてーとなるのは後です、おにーさん。ぐてーは私が帰った後にしてください」グイグイ
「おにーさんは疲れたよ……」グテー
「自分でおにーさんとか言うおにーさん愉快痛快です」
「ぐぬぬ。次から一人称は拙僧に統一しよう」
「おにーさんがお坊さんに」
「自分でも言いながらこれはまずいなあと思ったが、つがえた矢は撃つ以外術がなかったよ。明日にでも出家しよう」
「出家なんてしないで、矢筒に戻せばいいんです」
「それができればもうちょっとマシな性格になってるんだけどなあ。でたらめ矢を撃ちまくり、気づけば周囲にいるのは数人の友人とふみだけだよ」
「ふふ。……こういうの、楽しいです」ニコニコ
「こういう?」
「んー……ちょっと捻ったおしゃべり、です」
「ふぅん? よく分からんが、ふみが楽しいなら俺も嬉しいよ」
「あっ。……お、おにーさんくらいしかいませんもん、こういうお話できる人。だから楽しいんです。別におにーさんとお喋りするのが楽しいとかじゃないです。本当です」ムー
「何も言ってねえ」
「これ以上疑うと殺します」
「冤罪だあ!」ワタワタ
「ぶっ! ……わざと醜態をさらし、私を吹き出させましたね。重罪です、おにーさん」
「冤罪だあ!」ワタワタ
「ぶふっ! ……天丼とはやりますね、おにーさん」フルフル
「ちなみにだが、ふみが吹き出したつばが全部俺にかかった」ベトベトン
「おにーさんが女子中学生の唾液を全身に塗りたくってます」
「待て、その言い様だとさながら俺の性癖に新たな1ページが刻まれたようではないか! 生憎そのような特殊性癖は持ちあわせておりません! 俺なんて極めてノーマルなので、せいぜいふみを無理やり抱きしめ動きを止めて一日中口内を舌で犯」
 そこまで言ってはたと気づいた。俺は中学生相手に何性癖を暴露しようとしてんだ。ふゆー、危ない危ない。ほとんど言ってたような気もするが、まあ大丈夫だろ。
「…………///」
 全然大丈夫じゃなかった。静かに赤面されてます。これは録音されてたら捕まるね。いや、証言だけでも……?
「お、おにーさんはえっちです。えっちです///」ムー
「え、あ、はい」
「わた、私を抱っこして、ちゅーしようだなんて! えっちにもほどがあります、おにーさん!///」
「ひぃぃ! 不穏当なことを大声で叫ばないで!」
「そっ、そーゆーのは段階を踏まないとダメなんですっ! なでなでしてっ、手をつないでっ、ぎゅーってしてっ、それからなんですっ!」パタパタ
「えっ」
 なんか変なこと言ってるようだが、こちらも相当変なことを言ってるので俺の認識が信用できない。とりあえずペンギンみたいに両手をパタパタ扇いでるふみが可愛い。
「あっ、で、でも、もうなでなではしましたしっ。手もつないだことありますしっ。ぎ、ぎゅーもありますし。……あ、あれ? え、えと、おにーさん、これではちゅーのお膳立てが……///」オロオロ
「ふふ、なんという愛らしさ。鼻血が出そうだ」
「ああ、そればかりはアタシも同感だね、坊主」ガラッ
 鬼が現れた。
「やあ母さん、今日も美しくて何よりだ。ただ、台所以外で鉄製調理器具を持つのはいかがなものかな?」
「ああ、これは極悪強姦魔を撲殺するのに使うんだ。何、殺すのは半分だ、安心しろ」ブォン
「どこをどう安心しろって言うんだ、ちくしょう」(諦念)

拍手[32回]

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Comment
No title
ふみちゃん可愛いすぎ
もっと頻繁に更新してもいいのよ?(してくださいお願いします)
No title
母さんはお前に任せる
だからふみちゃんは俺にまかせろ
No title
にやにやさせてもらいました
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