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2024年11月22日
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【殺意の波動に目覚めたツンデレ】
2010年02月01日
「……きゅぴーん」
ちなみが殺意の波動に目覚めたらしく、俺を見ては目元を光らせる。
怖いので手でそっと目を押さえると、ちなみの口が尖がった。
「……困る」
しょうがないので手をのけると、ちなみは嬉しそうに小さく微笑んだ。
「……ん。……じゃ、殺していい?」
「NO」
「えー」
ぽふりとちなみの頭に手を置くと、残念そうな声が返ってきた。
「……殺意の波動に目覚めたのだから、殺すのが当然の筋合い。……どうして殺してはいけないのか」
無茶を言っているような気がするのは俺だけだろうか。
「知り合いが殺意の波動に目覚めたのは初めてだからよく分からないけど、法律がダメだと言ってたような気がする」
「……そゆのは、いい。……タカシは黙って私に瞬獄殺されればいいと思う」
「思うな。目を光らせるな。片足だけでスライドするな」
「……ちっ」
小さく舌打ちすると、ちなみは目を光らせるのをやめた。
「女の子が舌打ちするねい。それはそうと、どうしてまた殺意の波動になんか目覚めたんだ?」
我ながらどんな質問だ、と思いながらちなみに尋ねる。
「……タカシのことを思ってると、胸がとくんとくんと高鳴って、……気がついたら」
「字面だけ見たら素敵なのに、結果が殺意の波動とは。女力がなさすぎる」
「…………」
「だから、無言でスライドすなっ!」
「……ちっ」
「それで、どうすんだ? やはり、俺より強い奴に会いに行くのか?」
「……私より弱い奴に会いに行く」
「コイツ最低だ!」
「……じーっ」
「なぜ俺を見る」
「……私より弱い奴、はっけーん」
「いや待て落ち着け、殺意の波動に目覚めたとはいえ、ちなみは女性、そして俺は曲がりなりにも男。結果は歴然ではなくて?」
「……試してみよう」
「試すまでもないよ? いや本当に、本当に! だから目を光らせるな! notスライド!」
「……たー」
やる気のないかけ声とともにちなみが俺に触れると、世界が暗転した。数十発の打撃エフェクトの後、『しゅんごくさつ』の文字が画面に。なんだ、画面て。
「……めっさつ」
「痛い! なんか体中痛い! 上の方に体力バーがあったらコンマ数ミリしか残ってないと思う!」
「……む、めっされてない。……ちゃんと死ぬ」
ごろりと転がる俺のおでこをぺちぺち叩くちなみ。そんな攻撃で死にたくない。
「……こうなっては、もう一度瞬獄殺するしか……?」
「さっきのおでこぺちぺちで体力が尽きた。死亡」
「…………」
「死亡と言ったのになぜ無言でスライドする!?」
べきばきぼきべきばき。
「……めっさつ」
「ふふ。子供みてーな奴にべっこぼこにされる俺」
「……子供とは失礼な」
ぼろ雑巾みたいになってる俺の隣に座り、ほっぺをむにーと引っ張るちなみ。容赦ないですね。
「……じゃ、勝ったので、明日はタカシと買い物に行く。……で、その時に使うお金は全部、タカシの財布持ち」
「悪魔だ! 悪魔がいる!」
「……きゅぴーん」
「楽しみだなあ! ちなみとのデート!」
「……で、デートなんかじゃない。……ただの買い物。……ま、まったく、勘違いも甚だしい」
「…………」
「……な、なんだよぅ」
「そういうところも可愛いよな」
りんごみたいになってるほっぺたをつつくと、何かがまずかったようで、ちなみが無言でスライドしてきた。
ちなみが殺意の波動に目覚めたらしく、俺を見ては目元を光らせる。
怖いので手でそっと目を押さえると、ちなみの口が尖がった。
「……困る」
しょうがないので手をのけると、ちなみは嬉しそうに小さく微笑んだ。
「……ん。……じゃ、殺していい?」
「NO」
「えー」
ぽふりとちなみの頭に手を置くと、残念そうな声が返ってきた。
「……殺意の波動に目覚めたのだから、殺すのが当然の筋合い。……どうして殺してはいけないのか」
無茶を言っているような気がするのは俺だけだろうか。
「知り合いが殺意の波動に目覚めたのは初めてだからよく分からないけど、法律がダメだと言ってたような気がする」
「……そゆのは、いい。……タカシは黙って私に瞬獄殺されればいいと思う」
「思うな。目を光らせるな。片足だけでスライドするな」
「……ちっ」
小さく舌打ちすると、ちなみは目を光らせるのをやめた。
「女の子が舌打ちするねい。それはそうと、どうしてまた殺意の波動になんか目覚めたんだ?」
我ながらどんな質問だ、と思いながらちなみに尋ねる。
「……タカシのことを思ってると、胸がとくんとくんと高鳴って、……気がついたら」
「字面だけ見たら素敵なのに、結果が殺意の波動とは。女力がなさすぎる」
「…………」
「だから、無言でスライドすなっ!」
「……ちっ」
「それで、どうすんだ? やはり、俺より強い奴に会いに行くのか?」
「……私より弱い奴に会いに行く」
「コイツ最低だ!」
「……じーっ」
「なぜ俺を見る」
「……私より弱い奴、はっけーん」
「いや待て落ち着け、殺意の波動に目覚めたとはいえ、ちなみは女性、そして俺は曲がりなりにも男。結果は歴然ではなくて?」
「……試してみよう」
「試すまでもないよ? いや本当に、本当に! だから目を光らせるな! notスライド!」
「……たー」
やる気のないかけ声とともにちなみが俺に触れると、世界が暗転した。数十発の打撃エフェクトの後、『しゅんごくさつ』の文字が画面に。なんだ、画面て。
「……めっさつ」
「痛い! なんか体中痛い! 上の方に体力バーがあったらコンマ数ミリしか残ってないと思う!」
「……む、めっされてない。……ちゃんと死ぬ」
ごろりと転がる俺のおでこをぺちぺち叩くちなみ。そんな攻撃で死にたくない。
「……こうなっては、もう一度瞬獄殺するしか……?」
「さっきのおでこぺちぺちで体力が尽きた。死亡」
「…………」
「死亡と言ったのになぜ無言でスライドする!?」
べきばきぼきべきばき。
「……めっさつ」
「ふふ。子供みてーな奴にべっこぼこにされる俺」
「……子供とは失礼な」
ぼろ雑巾みたいになってる俺の隣に座り、ほっぺをむにーと引っ張るちなみ。容赦ないですね。
「……じゃ、勝ったので、明日はタカシと買い物に行く。……で、その時に使うお金は全部、タカシの財布持ち」
「悪魔だ! 悪魔がいる!」
「……きゅぴーん」
「楽しみだなあ! ちなみとのデート!」
「……で、デートなんかじゃない。……ただの買い物。……ま、まったく、勘違いも甚だしい」
「…………」
「……な、なんだよぅ」
「そういうところも可愛いよな」
りんごみたいになってるほっぺたをつつくと、何かがまずかったようで、ちなみが無言でスライドしてきた。
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