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2024年11月23日
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【おはようのちゅー】
2010年04月17日
おはようございます。新しい朝です。別段希望はありません。
「……ぐぅぐぅ」
だけど、隣でぐぅぐぅ言ってるちなみを見ると、希望がガンガン湧いてくるからまったく困ったもんです。
「ちなみ、起きれ。朝です朝なのです」
「……ぐぅぐぅ」
「今日は映画行くって昨日言ってたろーが。ほれ、起きれ起きれ」
「……う、うぅん、……ぐぅぐぅ」
なかなか手強い。……うう、可愛い寝顔しやがって畜生め。
しかし、今日こそちなみと映画行きたいので、ここは心を鬼に!
「起きるべし! 起きない場合、俺のちゅーが進呈されるぞ」
ちなみの体がびくりと震えた。そして、とてもわざとらしい寝息が聞こえてきた。
「……起きてる?」
「ぐ、ぐーぐー。ぐーぐーぐー」
寝ている、らしい。
「寝てると、俺のちゅーが進呈されるぞ。いいのか? ほれ、起きれ」
「ぐーぐー! ぐーぐーぐー!」
そんな激しい寝息は聞いたことありません。俺の声より大きいってどういうことだ。
「……よし。んじゃ、起きない娘さんには、俺のちゅーを……」
「……どきどき、どきどき」
「起きてるじゃん」
「はっ! ……うう、タカシは策士だ。……ずるい」
思ったとおり、ちなみは起きていた。口を尖らし、責めるような視線で俺を見つめた。
「何が策士か。ほら、起きたなら顔洗って来い。とっとと準備しないと、映画始まっちまうぞ?」
促したものの、ちなみは一向に動こうとしない。
「どしたんだ? 映画楽しみにしてたろ?」
「……ちゅー、してもらってない」
なんて、ちなみは布団に顔を半分隠しながら照れくさそうに言った。
「え、あ、いや、それはなんてーか、そう言えば起きるかなーって……」
「……タカシは嘘つきだ。……するつもりもないのに、ちゅーするとか言った。……私のこと、飽きちゃったんだ」
「いやいやいや! 飽きるとかそんな訳ないだろ! 今だってそのぷりっとした唇にむしゃぶりつきたいと……」
言ってから、しまったと思った。ちなみの顔がにんまりとした笑顔に変化していく。
「……ちゅー、する?」
「します」
この笑顔には今後も勝てそうにないなと思いながら、俺は嬉しそうに微笑むちなみに口づけした。
「……もうこんな時間。……今から映画行くの、ちょっとしんどい」
ちなみとじゃれあってる内に、夕方になってしまった。近くにあった菓子を摘まんだだけなので、腹減った。
「提案です。休みの前日に泊まりに来るのやめないか? 毎回毎回今日と同じような事態に陥ってるような……」
「いや」
即答だった。
「……寝る前にタカシと一緒の布団で、色々喋る時間、好き。……あの時間なくすの、いや」
「う、うーん……確かに俺もあの時間好きだけどさ、映画観に行けないぞ?」
「……映画も観に行きたいけど、タカシと一緒にイチャイチャしたい。……難しい問題。超難問」
「ま、超難問は置いといて、とりあえず飯でも食いに行くか。どこ行く? 吉野家行くか?」
「……女の子を吉野家に連れて行くのはどうかと思う。……ここは一つ、フランス料理でも」
「ファミレス行こう、ファミレス! 結構うまいよな、ファミレス!」
慌てて口を挟み、財布のピンチを救う。
「……むぅ。……いいけど、別に。……タカシと一緒なら」
「聞き分けよくて素晴らしい。いい子いい子」
頭を撫でると、ちなみは不満そうに口を尖らせた。
「……すぐ子供扱いする。……同い年なのに」
「んじゃ、行くか?」
「……ん、行く」
最後にもう一度頭を撫でると、ちなみは不満そうな、でもどこか嬉しそうに目を細めるのだった。
「……ぐぅぐぅ」
だけど、隣でぐぅぐぅ言ってるちなみを見ると、希望がガンガン湧いてくるからまったく困ったもんです。
「ちなみ、起きれ。朝です朝なのです」
「……ぐぅぐぅ」
「今日は映画行くって昨日言ってたろーが。ほれ、起きれ起きれ」
「……う、うぅん、……ぐぅぐぅ」
なかなか手強い。……うう、可愛い寝顔しやがって畜生め。
しかし、今日こそちなみと映画行きたいので、ここは心を鬼に!
「起きるべし! 起きない場合、俺のちゅーが進呈されるぞ」
ちなみの体がびくりと震えた。そして、とてもわざとらしい寝息が聞こえてきた。
「……起きてる?」
「ぐ、ぐーぐー。ぐーぐーぐー」
寝ている、らしい。
「寝てると、俺のちゅーが進呈されるぞ。いいのか? ほれ、起きれ」
「ぐーぐー! ぐーぐーぐー!」
そんな激しい寝息は聞いたことありません。俺の声より大きいってどういうことだ。
「……よし。んじゃ、起きない娘さんには、俺のちゅーを……」
「……どきどき、どきどき」
「起きてるじゃん」
「はっ! ……うう、タカシは策士だ。……ずるい」
思ったとおり、ちなみは起きていた。口を尖らし、責めるような視線で俺を見つめた。
「何が策士か。ほら、起きたなら顔洗って来い。とっとと準備しないと、映画始まっちまうぞ?」
促したものの、ちなみは一向に動こうとしない。
「どしたんだ? 映画楽しみにしてたろ?」
「……ちゅー、してもらってない」
なんて、ちなみは布団に顔を半分隠しながら照れくさそうに言った。
「え、あ、いや、それはなんてーか、そう言えば起きるかなーって……」
「……タカシは嘘つきだ。……するつもりもないのに、ちゅーするとか言った。……私のこと、飽きちゃったんだ」
「いやいやいや! 飽きるとかそんな訳ないだろ! 今だってそのぷりっとした唇にむしゃぶりつきたいと……」
言ってから、しまったと思った。ちなみの顔がにんまりとした笑顔に変化していく。
「……ちゅー、する?」
「します」
この笑顔には今後も勝てそうにないなと思いながら、俺は嬉しそうに微笑むちなみに口づけした。
「……もうこんな時間。……今から映画行くの、ちょっとしんどい」
ちなみとじゃれあってる内に、夕方になってしまった。近くにあった菓子を摘まんだだけなので、腹減った。
「提案です。休みの前日に泊まりに来るのやめないか? 毎回毎回今日と同じような事態に陥ってるような……」
「いや」
即答だった。
「……寝る前にタカシと一緒の布団で、色々喋る時間、好き。……あの時間なくすの、いや」
「う、うーん……確かに俺もあの時間好きだけどさ、映画観に行けないぞ?」
「……映画も観に行きたいけど、タカシと一緒にイチャイチャしたい。……難しい問題。超難問」
「ま、超難問は置いといて、とりあえず飯でも食いに行くか。どこ行く? 吉野家行くか?」
「……女の子を吉野家に連れて行くのはどうかと思う。……ここは一つ、フランス料理でも」
「ファミレス行こう、ファミレス! 結構うまいよな、ファミレス!」
慌てて口を挟み、財布のピンチを救う。
「……むぅ。……いいけど、別に。……タカシと一緒なら」
「聞き分けよくて素晴らしい。いい子いい子」
頭を撫でると、ちなみは不満そうに口を尖らせた。
「……すぐ子供扱いする。……同い年なのに」
「んじゃ、行くか?」
「……ん、行く」
最後にもう一度頭を撫でると、ちなみは不満そうな、でもどこか嬉しそうに目を細めるのだった。
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