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2024年11月22日
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【ツンデレとデレデレに「暑いからくっつくな」って言ったら】
2010年01月26日
暑いと汗が出るのは新陳代謝が正常に行われている結果なので問題ない。強いて問題を挙げるならば、体がべとつく事くらいだ。
「そういうわけで、以後俺にくっつくことは禁ずる」
「安心してください、頼まれてもくっつきませんから」
などと酷いことを言って俺を半泣きにする委員長は置いといて、もう一人の答えは少し違っていた。
「ぷに?」
ぷに、などと言いながら小首を傾げるちょっと足りない感じのこの少女は、ぷに国というふざけた名前の国から来た留学生のぷに子(命名:俺)だ。
こちらに来た当初、少しだけ面倒を見ていたのだが、その結果何だか知らないがやけに気に入られて現在に至るわけなのだが。
「だから、俺にくっつくのは禁止なの。分かるだろ?」
「ぷにー☆」
ぷに子はニコニコ笑いながら俺に抱きついた。日本語を喋ることは出来なくても理解はできているはずだから、故意犯に違いない。
「ちょ、ぷにちゃん! こんな奴に抱きついたら伝染りますよ!」
「人を保菌者扱いするない」
「ぷにー」
ぷに子をべりばり引き剥がし、委員長は俺をキッと睨んだ。
「まったく……別府くんはもっと節操を持ってください。こんな小さい子に手出すなんて、犯罪ですよ」
「背が低いだけで、同い年です。手も出してません」
「ぷにー!」
ぷに子も委員長に持たれたまま抗議しているようだ。たぶん。
「まあでも丁度いいや。暑いからくっつかれてもアレだし、こんな感じでこの夏は過ごしましょう」
「そうですね。私も全く異論ないです」
「ぷにー!?」
ぷに子だけありそうな感じだったが、気づかないフリ。
「ぷに、ぷにに……ぷにっ!」
「あっ、ぷにちゃん!」
ぷに子は委員長の拘束を自力で解き、俺に抱きついた。
「人の話聞いてたか、ぷに子?」
「ぷにー♪」
「聞いた上での犯行か! なら仕方ない、許容しよう」
「えっ、そんなズル……っ」
委員長方面から妙な声がした。視線をそちらにやるも、委員長は慌てた様子で首を横に振るだけ。
「な、何でもないですよ?」
「なんだ。てっきり委員長も俺に抱きつきたいのかと思った」
「あ、ありえません。どうして私が別府くんなんかに抱きつかなくちゃいけないんですか。別府くんは自意識過剰というより、もやは病気の域に達してます。病院へ行ってください」
「泣くぞ」
「お好きに」
「チクショウ、どうでもいいと思われている! こんな時はぷに子と遊んで楽しくなろう」
「ぷに?」
ぷに子のほっぺを両手で持って、うにーっと引っ張る。
「ぷ、ぷにー……」
しばらく引っ張った後、ぱっと手を離す。
「ぷにっ! ……ぷー、ぷに、ぷにー!」
「ははははは。や、悪い悪い」
抗議のぷに語をぷに子の顔をうにうにすることにより、やり過ごす。
「……いいなぁ」
てっきりもう俺への興味をなくしていたと思われていた委員長が、俺とぷに子のやりとりを見て羨ましそうな顔をしていた。
「委員長も遊びたいか?」
「えっ!? わっ、私はその、別に別府くんにうにうになんてされたくないですっ! でっ、でも、ぷに子ちゃんが可哀想だから、私が代わりになってあげます!」
「……いや、ぷに子と遊びたいか、って聞いたつもりだったんだけど」
自分の間違いを悟ったのか、委員長の顔がゆっくりと赤くなっていく。
「う、ううううう~……別府くんのばかっ!」
「ええっ、俺のせい!?」
「うるさいですっ! 責任取ってください! たあっ!」
掛け声と共に、委員長が俺に飛びついてきた。
「ほら、抱っこです! 抱っこしてください!」
「え、いや、あの、委員長?」
「なんですかっ!?」
「混乱してる?」
「してますっ!」
じゃあ仕方ない。左手でぷに子を、右手で委員長を抱っこする。
「うー……」
「唸るな」
「ぶにー……」
「お前も」
「気持ちよくなんてないですっ!」
「聞いてない」
「ぷにっ! ぷにぷにっ!」
「対抗するな」
「なでなでなんてしてほしくないですっ!」
「ぷにぷにぷにっ!」
軽くため息をついてから、二人の頭をなでなでなで。
「ふ、うふ……」
「ぷに、ぷにー……」
二人は気持ちよさそうに鼻息を漏らした。ぷに子に至っては涎まで足らしているのでやめてほしい。
「ところでお二人さん、暑いからくっつくのはやめていただきたいと言ったのは覚えてますか」
「混乱してるので覚えてませんー……」
「ぷにー……」
なんて都合のいい状態異常だろう、と思いながら委員長の背中をぽんぽんさする。
「それもいいですけど、ぎゅーってしてほしいです。……違います、してほしくないです」
「ぷに、ぷににー」
「いいんだけど……全員汗まみれだし、そろそろお開きにした方が」
「ぎゅー!」
「ぷにー!」
「はい、すいません」
結局解放されたのはそれから一時間後だった。全員脱水症状になりかけてた。
「頭悪すぎだろ、俺ら……」
「わっ、私は悪くありません! 混乱してたんですっ! 悪いのは私たちをたぶらかした別府くんですっ!」
「ぷにー!」
急遽組まれた女性連合により、一方的に悪役にされる俺だった。
「そういうわけで、以後俺にくっつくことは禁ずる」
「安心してください、頼まれてもくっつきませんから」
などと酷いことを言って俺を半泣きにする委員長は置いといて、もう一人の答えは少し違っていた。
「ぷに?」
ぷに、などと言いながら小首を傾げるちょっと足りない感じのこの少女は、ぷに国というふざけた名前の国から来た留学生のぷに子(命名:俺)だ。
こちらに来た当初、少しだけ面倒を見ていたのだが、その結果何だか知らないがやけに気に入られて現在に至るわけなのだが。
「だから、俺にくっつくのは禁止なの。分かるだろ?」
「ぷにー☆」
ぷに子はニコニコ笑いながら俺に抱きついた。日本語を喋ることは出来なくても理解はできているはずだから、故意犯に違いない。
「ちょ、ぷにちゃん! こんな奴に抱きついたら伝染りますよ!」
「人を保菌者扱いするない」
「ぷにー」
ぷに子をべりばり引き剥がし、委員長は俺をキッと睨んだ。
「まったく……別府くんはもっと節操を持ってください。こんな小さい子に手出すなんて、犯罪ですよ」
「背が低いだけで、同い年です。手も出してません」
「ぷにー!」
ぷに子も委員長に持たれたまま抗議しているようだ。たぶん。
「まあでも丁度いいや。暑いからくっつかれてもアレだし、こんな感じでこの夏は過ごしましょう」
「そうですね。私も全く異論ないです」
「ぷにー!?」
ぷに子だけありそうな感じだったが、気づかないフリ。
「ぷに、ぷにに……ぷにっ!」
「あっ、ぷにちゃん!」
ぷに子は委員長の拘束を自力で解き、俺に抱きついた。
「人の話聞いてたか、ぷに子?」
「ぷにー♪」
「聞いた上での犯行か! なら仕方ない、許容しよう」
「えっ、そんなズル……っ」
委員長方面から妙な声がした。視線をそちらにやるも、委員長は慌てた様子で首を横に振るだけ。
「な、何でもないですよ?」
「なんだ。てっきり委員長も俺に抱きつきたいのかと思った」
「あ、ありえません。どうして私が別府くんなんかに抱きつかなくちゃいけないんですか。別府くんは自意識過剰というより、もやは病気の域に達してます。病院へ行ってください」
「泣くぞ」
「お好きに」
「チクショウ、どうでもいいと思われている! こんな時はぷに子と遊んで楽しくなろう」
「ぷに?」
ぷに子のほっぺを両手で持って、うにーっと引っ張る。
「ぷ、ぷにー……」
しばらく引っ張った後、ぱっと手を離す。
「ぷにっ! ……ぷー、ぷに、ぷにー!」
「ははははは。や、悪い悪い」
抗議のぷに語をぷに子の顔をうにうにすることにより、やり過ごす。
「……いいなぁ」
てっきりもう俺への興味をなくしていたと思われていた委員長が、俺とぷに子のやりとりを見て羨ましそうな顔をしていた。
「委員長も遊びたいか?」
「えっ!? わっ、私はその、別に別府くんにうにうになんてされたくないですっ! でっ、でも、ぷに子ちゃんが可哀想だから、私が代わりになってあげます!」
「……いや、ぷに子と遊びたいか、って聞いたつもりだったんだけど」
自分の間違いを悟ったのか、委員長の顔がゆっくりと赤くなっていく。
「う、ううううう~……別府くんのばかっ!」
「ええっ、俺のせい!?」
「うるさいですっ! 責任取ってください! たあっ!」
掛け声と共に、委員長が俺に飛びついてきた。
「ほら、抱っこです! 抱っこしてください!」
「え、いや、あの、委員長?」
「なんですかっ!?」
「混乱してる?」
「してますっ!」
じゃあ仕方ない。左手でぷに子を、右手で委員長を抱っこする。
「うー……」
「唸るな」
「ぶにー……」
「お前も」
「気持ちよくなんてないですっ!」
「聞いてない」
「ぷにっ! ぷにぷにっ!」
「対抗するな」
「なでなでなんてしてほしくないですっ!」
「ぷにぷにぷにっ!」
軽くため息をついてから、二人の頭をなでなでなで。
「ふ、うふ……」
「ぷに、ぷにー……」
二人は気持ちよさそうに鼻息を漏らした。ぷに子に至っては涎まで足らしているのでやめてほしい。
「ところでお二人さん、暑いからくっつくのはやめていただきたいと言ったのは覚えてますか」
「混乱してるので覚えてませんー……」
「ぷにー……」
なんて都合のいい状態異常だろう、と思いながら委員長の背中をぽんぽんさする。
「それもいいですけど、ぎゅーってしてほしいです。……違います、してほしくないです」
「ぷに、ぷににー」
「いいんだけど……全員汗まみれだし、そろそろお開きにした方が」
「ぎゅー!」
「ぷにー!」
「はい、すいません」
結局解放されたのはそれから一時間後だった。全員脱水症状になりかけてた。
「頭悪すぎだろ、俺ら……」
「わっ、私は悪くありません! 混乱してたんですっ! 悪いのは私たちをたぶらかした別府くんですっ!」
「ぷにー!」
急遽組まれた女性連合により、一方的に悪役にされる俺だった。
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