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2024年11月23日
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【メイド+体育+背中】

2010年04月04日
 今日はメイドの日だ。
 メイドの日とは、うちの学校の全女性がメイド化する素晴らしい日のことだ。こんなめでたい日を作った校長に乾杯。
「うー……なんで体育の時までこんな服着なきゃいけないのよ」
 かなみがメイド服をひらひらさせながら俺に愚痴る。
「可愛いよ?」
「え、ええっ!? ……そう?」
「うむ。特にあの巨乳がぶるんぶるん揺れる様が俺の劣情を刺激してたまらない。……巨乳を可愛いと評して怒られないかな?」
「知るかッ! それより誰の胸見て──リナかぁッ!」
 少し遠くで柔軟してるリナの揺れ乳を見てたら、目潰しされた。
「ぐぎゃあああ! 目が、目がぁっ!」
「どーせあたしは胸薄いわよ!」
「痛い、目が痛い! なんか目からビーム出そうなくらい痛い!」
「うっさい」
「ぐ」
 痛みのあまり地面を転がりまわってると、顔を踏まれた。半泣きになりながら立ち上がる。
「人の目を突き、さらには顔に靴の跡をつけて謝罪の言葉もないのですか」
「地面転がってるからよ、ばーか」
 なんと! 誰のせいで転がったと思ってるのだろうこの娘さんは! ええぃ一言申さねば気がすまん!
「かなみ!」
「何よッッッッッ!」
「なんでもないよ?」
 ちっちゃい“つ”がいっぱい出てとても怖かったので、誤魔化す。ちょっと涙出た。
「な、何よ、なにも泣かなくても……」
「な、泣いてない、泣いてないよ?」
 かっこ悪いので必死で涙を隠してると、先生がやってきた。丁度いいので逃げよう。
「あ、先生来た。さようなら」
「今日は女子の先生休みで、合同よ。……ほ、ほら、行こ」
 何だかばつの悪そうなメイドかなみに手を引っ張られ、ふらふら先生の元に行く。
「はーい、みんな揃った? じゃあ授業始め……きゃあああああ! べ、別府くんが泣いてる!?」
 黙ってりゃいいのに、生徒より幼く見える体育教師の大谷先生が俺を見て絶叫した。……ああ、もちろん先生もメイドです。
「うわ、マジだマジ! 別府が泣いてる! あはははは!」
「わ、本当だ。……ちょっと母性本能くすぐるかも」
 みんなに囲まれ大変居心地が悪いです。でも半分メイドさんなので、少し嬉しい。
「別府くんどうしたの? 悲しいことがあったの? お腹空いたの?」
 先生に優しく問われるが、流石に隣の胸が薄いメイドさんが怖かったので泣いたとは言えず、答えに窮する。あと、お腹が空いても泣きません。
「お腹空いたから泣いたって」
 そんなこと一言も言ってないのに、かなみが勝手に俺を子ども扱いした。
「そうなの? じゃ、後で先生がおやつ分けてあげるね。それにしても、お腹空いて泣くなんて別府くんてば可愛い♪」
 俺より身長が低くて童顔でぺたんこな先生に、頭を撫でられながら可愛いと言われても困る。
「…………」
 何より困るのが、隣から殺気をどがどがぶつけてくるメイドさんがいることだ。怖い。
「せ、先生、授業。授業しよう」
「あ、そだね。あははっ、ついなでなでに夢中になっちゃった。……それとも、もっとしてほしい?」
「は……いやいやいや。授業しましょ、授業」
 頷きそうになったが、殺気が増したので慌てて否定する。
「ざーんねん。じゃ、はじめるねー」
 そう言って、先生は出席を取り始めた。小声で隣のかなみに話しかける。
「あのな、かなみ。誰が腹減って泣いた、だ。これ以上俺の学校での地位を低くしないでくれ」
「なによ、先生に頭なでられてデレデレしてたくせに……」
「……? いや、してたとしても、それがお前に何の関係が?」
「そっ、それはその、ええと!」
 なんか急にオロオロしだした。なんだ?
「生理? 生理か? 生理なのか?」
 顔に拳が埋まりました。
「別府く……きゃああああ! べ、別府くんが鼻血出してる!?」
 またみんなに囲まれた。もう勘弁。
「じゃ、柔軟しますねー。隣の子と二人一組になってー」
 どうにかこうにか危機を脱し、先生の号令により隣のかなみとペアになってしまい柔軟を始める。
「本当、アンタって余計なことばっか言うわね……」
 地面にぺたりと座ってると、心底疲れたように言うかなみに背中を押された。
「あいたた、あんま押すな」
「うわ、アンタ体硬いわねー。ほとんど曲がってないじゃない」
「お昼のおやつに持ってきたバナナがその分曲がってくれてるから、大丈夫」
「意味分かんないわよっ!」
 俺も分からない。なんだ、大丈夫って。
「あいたた、交代だ交代。チェンジお願いします」
 ぐいぐい押されて痛いので、するりと抜け出しかなみと交代。今度は押す番だ。
「ふふん、あたしは体柔らかいわよ?」
「タコより?」
「いや、軟体動物に勝つ自信はないけど……」
「やーい、タコ未満」
「あとで殴るね♪」
 言うんじゃなかったと心底後悔しながら、かなみの背中を押す。自分で言うだけあって、頭が地面につくほどかなみの体は柔らかかった。
「おおっ、すげぇ」
「ふふん、どう?」
「さすがはメイド服と言っていいだろう。見事なものだ」
「メイド服は関係ないっ! 全部あたしの力!」
「へーほーふー……おおっ、見ろかなみ! リナの奴、体超硬いぞ? しかもふるふる震えて前に倒れようとしてるもんだから、胸もふるふると……ぷるぷると!」
 揺れる乳の動画を脳の一番大事な記憶を収める引き出しに入れてると、柔軟してたはずのかなみが俺の隣に立ってて。
「どうしましたか?」
「それが辞世の句?」
 おかしなことに、死ぬようだ。

 死にはしなかったけど、大変大変痛かったです。保健室で看病受けるくらい。
「痛いよぅ。痛いけど、メイドさんがご飯食べさせてくれるのでちょっと嬉しい自分がいじらしいよぅ」
「いっ、いちいち言うな、ばかっ! ……はい、あーん」
 怒りながらも、バナナを俺に向けるかなみでした。

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