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2024年11月24日
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【ツンデレの入ってる風呂に入ったら】

2010年03月03日
 かなみと一緒に帰ってる最中、突然の雨に見舞われた。どうにか俺の家に辿り着いたが、二人ともビショビショになってしまったので、かなみに風呂を勧めた。
「覗いたら殺すからね」
 それだけ言って、かなみは風呂に入っていった。ふむ、覗くとダメなのか。
「ということで、一緒に入ってみた!」
「っきゃーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!」
 タオルを巻いて風呂場に入ると、かなみは浴槽の中に体を隠して絶叫した。
「どうだこのトンチ! 覗くことに関しては釘を刺されたが、共に風呂に入る事に関してはノータッチだったので罰なし! 恐ろしい……自らの頭脳に戦慄すら覚える!」
「な、な、な、なに考えてんのよ! ダメに決まってるでしょ! いいから出てけっ!」
 かなみは顔を真っ赤にして縮こまった。残念なことに風呂に濁り系の入浴剤が入っているため、かなみの幼くも男を惹きつける淫靡な肢体(予想)がまるで見えない。
「せっかくのお風呂イベントなのに何も見えないだなんて……生きる意味すら見失いかねん!」
「勝手に変なイベント発生さすなっ! もーっ、なんでもいいから出てけーっ!」
 折角意を決して入ったというのに、このまま出てしまったらつまらない。せめて乳の一つでも拝まなければ、このリビドーを発散することはできないだろう。
「ということで、ちょっと俺の入る場所を空けてくれ」
「なっ、なんで普通に入ろうとしてるのよっ! 出ていきなさいっ! 入ったら殺すわよ!」
「俺に風邪を引けと言うのか」
「だからってなんで一緒に入るって結論になるのよっ! アンタが出て行ったらあたしもすぐ出るから、ちょっと待ってなさい!」
「うーん、急に日本語が分からなくなった」
「メチャメチャ喋ってるじゃないっ! こっ、こら、入るなって言ってるのに!」
 阿呆のフリをしながら、無理矢理かなみのいる浴槽に身を沈める。
「あー、いい湯だ」
「何を落ち着いてんのよっ!? 出てけ出てけ出てけーっ!」
「どうしてもダメか?」
 得意の子犬っぽい目で哀れっぽく頼んでみる。
「うっ……」
「俺、この銭湯が終わったら、故郷の恋人と結婚するんだ……」
「それ死亡フラグ! あと戦闘違いよっ! あーもう、なんかどうでもいいわ……」
 面倒くさくなったのか、かなみはため息をつきながら俺が風呂に入るのを認めてくれた。
「でもね! 絶っっっ対、ここからこっちに来たらダメだからね! 絶対よ!」
 かなみは水面の真ん中に境界線を引き、俺を牽制した。
「もうちょっと腕を上げてくれるとおっぱいが見えそうなので、非常に助かります」
 首を絞められた。もうちょっとで死ぬという所で、解放される。
「げほっ、げほっ……うう、丁寧に言ったのに」
「丁寧に言われたからって見せる馬鹿がいるわけないでしょっ!」
 非常に残念だが、これ以上言うと本当に殺されかねないので我慢しよう。それはそれとして、水中でかなみの腕や体が当たるので、とても嬉しい。
「……ねぇタカシ、もうちょっとそっちに行きなさいよ。アンタの腕が当たって気持ち悪いんだけど」
「これ以上向こうへ行くと、俺の体が“かべのなかにいる”になるのだが」
「ああもうっ、狭い狭いせーまーいっ! アンタ、早く出なさいよ! あたしと一緒に入って満足したでしょ!」
「まだ満足とは程遠い。あと2時間はこうしていたい」
「いいから出なさいっ!」
 かなみが俺をぎゅうぎゅう壁際に押す。
「うぐぐ、かなみが俺を“かべのなかにいる”状態にしようとする! 負けん、負けるものか! そう、これは聖戦なのだ!」
 これ以上押されると潰されるてしまうので、こちらもかなみ方向に体重をかけて拮抗する。
「何を意味の分からない事を……ひゃっ!?」
 かなみの手が滑り、俺に抱きつくような状態になってしまった。かなみの顔が俺の肩に触れる。
「…………」
「…………」
 かなみと目が合ったまま、互いに黙る。いや、喋れない。一体この状態で何を喋れというのか。お湯の揺れる音だけしかしない。
 俺に横から抱きついたまま、かなみは黙している。俺は俺で、かなみの体の柔らかさを感じるのに精一杯で、とてもじゃないが喋る余裕なんてなかった。
 ところで、この腕に感じる突起の感覚は……乳首かにゃー? 衝動に耐え切れず回転するように腕を小さく動かすと、くりっとしたものが俺の腕にこすれた。
「っっっ!!!?? ななななななななな、何すんのよッッッ!!!」
 今まで経験したことのない、とてもすごいパンチが俺の顔面を襲う。あまりの勢いに後頭部が壁に激突し、とてもとても痛い。死ぬかと思った。
「むっ、むむっ、胸触った! アンタ、あたしの胸触った! 触ったでしょっ!」
 かなみは顔を真っ赤っ赤にして胸を隠した。
「あー……うん。触った。くりくりってしてた。最高。もう思い残すことない。むしろここで死んだらハッピーエンドになると思う」
「~~~~~~~~っ!!」
 思いのままに言ったら、これ以上赤くなりはしないと思ったかなみの顔がさらに赤くなった。
「こっ、ここっ、このっ、変態変態変態! 死んじゃえばかっ!」
「ちっちゃいおっぱい、略してちっぱい最高。もっと誇ってもいいと思う。あと、もっと触りたい。いい?」
「こっ……この、ド変態っっっ!!!」
 怒りまくったかなみに浴槽に沈められた。みずのなかにいる。

「この馬鹿この馬鹿この馬鹿! なんてことするのよっ!」
「ごめんなさい。正直、熱暴走していたとしか思えません」
 風呂から上がり、ソファの上に立って怒ってるかなみに土下座する。
「しかも、何この服! なんでアンタのYシャツしかないのよ!」
 かなみの制服は濡れていたので今は乾燥機の中であり、その代わりに俺の大きなYシャツを着ている。袖が長すぎるのか、手が出てない。そして、下はたぶん、パンツだけ。裾が長くて見えないけど。
「裸Yシャツは男の浪漫! 最高ですよ!」
「アンタまったく反省してないでしょっ!」
「してるよ? てへ、ごめりんこ」
 かなみからぷちっという何かが切れた音がしたような気がした。
「もう謝ったって許さないんだからっ! アンタ今日からあたしの奴隷! 異議は認めないわよ!」
「いや、今の日本に奴隷制度はないんだが」
「うるさいうるさいうるさいっ! なくてもアンタは奴隷なの! 奴隷がダメなら犬! そう、今日からアンタはあたしの犬!」
「ということは、かなみは猫になるんだな」
「なんでそうなるのよっ! あたしはご主人様なの! ほら、言って」
「Yシャツの裾をまくってパンツを見せてくれたら言う」
「みっ、見せるわけないでしょっ! この変態! 変態犬!」
「あ! なんかアニメで聞いたことあるセリフ! やった、やったぞ!」
「なんで喜ぶのよ!? うう……どうしたらこいつをぎゃふんと言わせられるの?」
「それはやっぱり裾をまくってパンツを見せるしかないんじゃないか?」
「だから、見せるわけないじゃないの、この馬鹿犬ーっ!」
 思いっきり蹴り上げられた。大きく裾がまくり上がり、真っ白なパンツが姿を現した。
「ひ、ひゃああああ! 見た!? 見たでしょ!? 絶対見た!」
 自分がやったことだというのに、かなみはその場に座り込んで俺を睨んだ。
「……よしっ、記憶完了、今日のおかずに決定!」
「わっ、忘れなさい、今見たのを忘れなさいっ! ご主人様の命令っ!」
「おっぱい見せてくれたら忘れる」
「見せるわけないじゃない、ばかーっ!」
 座り込んだままヤケクソ気味に叫ぶご主人様だった。

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