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2024年11月22日
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【かなみは俺の嫁2】

2011年03月19日
 今日もかなみは俺の嫁です。
 とはいえ、学校ではそういう関係であることは秘密にしているので、表面上は今まで通りただの友人としている。そういうわけで、友人として一緒に登校しているのだけれど。
「…………」
 きンらきンらした目で俺の方を見ながら、これみよがしに手をふりふりしてアッピールする嫁。
「……あーと。なんでしょうか」
 視線に耐えかね、しょうがなしに問いかける。
「へへー。あのさっ、あのさっ? 私と手、繋ぎたいでしょ?」
「いいえ」
 一瞬にして超不機嫌な顔になるかなみ。
「あによっ! こんなくぁいいかなみちゃんと手を繋ぎたくないって言うの!?」
「自分でかなみちゃんとか言うな。じゃなくて」
 かなみの耳に口を寄せ、小さな声で囁く。
「わっ、ふひゃっ!?」
「今は周囲に人がいないからいいが、そんなにベタベタしてたら結婚してるってばれるだろ」
 素早く離れると、かなみは両手を耳にあて、赤い顔で口を開いた。
「う、うぅー。ベタベタなんてしてないもんっ! ていうか、耳弱いの知ってるくせにふーふー息吹きかけるなっ!」
「そんなつもり毛頭ねぇよ……」
 ぺこぽこ弱い攻撃をあしらいながら、小さくため息。そもそも、ばれると面倒くさいことになるから結婚していることを隠そうと言い出したのはかなみからだったのに、実際にばれる原因を作っているのはコイツ。納得がいかない。
「むー。あによ、人の顔をじーっと見て」
「でもまあ、惚れた弱みって奴か。しょうがない」
「そっ、そゆこといきなり言うなっ! 反則! ばか!」
 突然かなみは顔を真っ赤にして、再び俺をぺこぽこ叩いた。
「痛い痛い。叩くねい」
「むー……そ、それよりさ。今日はもう学校さぼって家に帰っちゃわない? 授業とか面倒でしょ?」
「いきなり何言ってんだ」
「そ、そしたらちゅーとかいっぱいできるし……」
「…………」
「しっ、したいってことじゃなくてさ!? アンタがしたいんじゃないかって思っただけで!」
「学校行ってる間くらいは我慢できます」
「で、でも、他にも抱っことかなでなでとかもできないんだよ? 発狂しちゃわない?」
「お前は人を何だと思ってんだ……」
「色魔」
 かなみにした色々を思い出すに、簡単に否定できない。結婚した後でなければ絶対確実に捕まっている。
「……な、何を赤くなってんのよ、えろまじん」
「貧乳には無限の可能性が眠っていることを思い出しただけだ」
「どえろまじん!!!!!」
 そしてかなみも自分がされた色々を思い出したのだろう、超真っ赤になった。
「ううううう……正直、結婚するまでアンタがあそこまでえっちだと思いもしなかったわ」
「まだ全然全力出してませんよ?」
「えええええっ!? えっ、でも毎日一緒にお風呂入ってぺろぺろちゅーちゅーされてるよ!? なのにまだ全力じゃないの!?」
「声がでけえ上に発言がヤバすぎる!」
 つむじをぐりぐりぐりーっとして注意する。興奮しすぎだ。
「うにゅぐ……う、うるさいっ! そもそも、アンタが変なこと言うからっ! 全部アンタのせいっ! えっちえっちえっち!」
「何て責任転嫁だ」
 げしげしと足を蹴られながら呟く。まあ、こいつを嫁にした時点で受け入れてるからいいんだけど。
「こほん。ともかく、学校をサボるのはダメ。お前も夫がダメ人間になるのを見たくないだろ」
「もー既にダメ人間じゃない」
「そんな説もある」
「あははっ。……でもま、一緒にいたげるけどね。宣言しちゃったもんね、健やかなる時も病める時も、ってね?」
「お前は本当に隠す気があるのか」
 得意げにウインクしてるかなみの頭をわしわしっとなでる。なんかもうこいつが俺の隣にいるのが嬉しくて仕方がない。
「い、今は周りに誰もいないからいいんだもん。で、でも学校着いたらベタベタ禁止だからね。ベタベタしたら怒るからね。晩ご飯のおかず一品減らしちゃうからね」
「おかずが減るのは辛いな。分かった、ベタベタせずにふにふにする」
「擬音変えたらいいって話じゃないっ! こら、言ってる傍からふにふにするなーっ!」
 ぷりぷり怒りながらも、ほっぺをふにふにされてどこか嬉しそうなかなみだった。

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Comment
無題
かなみ、丸くなったなぁ…本当に可愛い
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